中島みゆき「悪女」の思い出

セレクトアルバム買いました。エール編と寄り添い編の2枚組。よく聴いた唄です。中島みゆきさんは「わかれうた」「アザミ嬢のララバイ」「悪女」など初期には哀しくやや哀れを誘う女性を描いた唄を多く世に出していました。
「悪女」もそんなに悪い女ではなく、一人で強がり寂しがっているような女性が悪女になりたいとの願望です。私が一番印象に残るのが「あした」という曲です。この歌詞も少し怖いような女性が出てきますが、やはりその実は哀しい土砂降りのような人生を味わったです。
この曲を聴くたび、私は実際に出会ったSという女性を思い出します。
強がりで見え張りで、S傾向も強い美人で仕事も良くこなされました。上昇志向が強く社内の時のトップに媚び上司に媚び、同性の一部からは徹底的に嫌われていました。どこか詰めの甘いところがあり、ばれやすい嘘をつくところが憎めない。化粧や整形(たぶん)、スタイルには気を使うものの喫煙もヘビーでお酒も強く、夜には強いが朝には弱いメンタルのバランスも悪くとても健康的とはいえませんでした。
そんな彼女と何度か食事をし、微妙な関係のまま夜を過ごしたことがあります。
彼女の家で昇進試験の勉強を教えることになったのですが、私はてっきる既婚者で知っていて旦那さんに挨拶するつもりでしたが、すでに別居していたのでした。
騙すようになったことを知った私の気持ちを、空気で悟った彼女は強引なことはしませんでした。ワインを飲み寄り添いはしました。
しかし敏感なところもあり。彼女なりの感性で私自身が妻を裏切ることがないことを感じ取るようでした。
甘える声は可愛いのですが。二人は永遠に交わらない平行線だとお互い気付きました。
深夜ではありましたが送ってはもらわず、最終電車には間に合い帰りました。その後長い間私は彼女の魅力と毒に悩まされました。そういう面では本当に悪女だったのかもしれません。

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