駅の自動改札や五輪の違反。日本人が不公平に思う、欧州の「信用改札」          「バレたら厳罰」方式、日本の「速度取り締まり」「会計監査」は?

 海外の鉄道駅は、構内に入るのにチケットやカードが要らずオープンなところが多いです。欧州には改札機そのものがまったく存在しない国もあります。たとえば、ドイツやオーストリア、スイスなどがそれに当たります。プラットホームへの入り口には、入場時間を刻印する小さなマシンがあるだけで、構内へは一見、自由に出入りできるように見える。これを旅行ガイドブックなどでは「信用改札方式」という言葉で説明しています。チケットキャンセラー?初めて名前知りました。(東洋経済オンライン)

「改札機がなくて、駅員もいないのだから切符なんて買う必要はない」と日本人は考えてしまうようです。無賃乗車、キセル乗車はいけないことですから、そんな犯罪をまして海外で犯すことは国によっては投獄されますし、そもそも倫理にも見合いません。日本人が真面目でモラルに厳しいのではなく、ばれるシステムが怖いから従っているだけのようです。
 海外でも薩摩守(さつまのかみ)はいます。(薩摩守忠徳でただのり、無賃乗車犯)しかし捕まった時の罰則規定が日本より厳しく、日本が3倍の罰金(チケット没収の上、2倍の反則金)なのに対し、欧州だと概ね初犯で20~30倍の罰金となり、悪質な履歴があると取り調べのため留置される場合もあります。欧州では真面目やモラルではなく、厳罰が抑止となりチケットを目的地まで買うのが当たり前になっており、ガラパゴス日本らしい複雑で高価な自動改札機は必要なかったのです。
 ※旅の事情も各国のカード所有も変わり、今は国際カードで乗車できるシステムも普及しているようです。


 日本の場合、この改札に入るための全員への公平なチエックが日本人の気質にあっているのでしょうか。
 ドーピングやスキーの板やウエアの違反がオリンピック競技で話題になっています。好記録を出した後やメダルの確定後に抜き打ちの検査があって違反が確定したりすると、後味の悪いものになります。繰り上がる方は嬉しいような複雑なものでしょうし、無論違反となった競技者やその国の応援者は痛恨です。
 それならやる前に検査してという声や、全員にフェアにこういう検査をすると告知すべきとの声もあります。日本の改札はまさにそういう仕組みです。
 しかし、多くの状況でそんなことはやってられないのです。ルールやレギュレーションはもちろん公開されています。事前に検査をやるのは結局たまの割に基本意味ないでしょう。当然事後で(これは仕方ない)サンプルをピックアップして検査をするという言わばスケープゴード方式になるのです。
 ちなみに日本でも棚卸のチエックだとか、会計監査のチエック、システム管理の一部などではこういう方式で代表サンプルだけを確認しています。
 高速道路の速度取り締まりなども、まあそれが妥当な速度基準かはあっても、ネズミ捕りやオービスなど、予告の場合はあっても抜き打ちが基本です。先週は同じ速度で走ったのに大丈夫だったとか、前のヤツは逃げきっていたという愚痴をいっても言い訳は通りません。厳密な速度違反でいうと、オービスとカメラ連動をして全部違反にすれば公平です。
 でもそうなれば大変なことになります。まあそんな中で妥当な速度規制はどこくらいか議論にすればいいとも思います。
 実際には過度な一斉チエックは効率が良くない。日本でも場面により信用に任せてやっている。厳罰がないと審判や行政には威厳を持たせないとルールを守らない社会になります。仕方のないことです。 
 

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