コロナ禍であぶりだされる失政
2年以上にわたりコロナ禍で日本経済、国民生活は痛めつけられてきました。ようやくコロナが下火になり出すと、ロシアのウクライナ侵攻に伴い世界的にエネルギーや穀物などの諸物価が値上がりしています。日本は賃金も上がらないまま、経済制裁や国防強化を訴える反面、経済も雇用も財政もG7、OECD諸国の中で下位、危機的なポジションにいます。
日本が国連の安全保障理事会の非常任理事国に選ばれ、NATOの総会にもオブザーバー出席できるとかいうニュースが伝わりますが、果たして国民には何か恩恵があるのでしょうか。
財政が厳しく、国の借金が多いので増税や社会保険料の引き上げが強要されてきました。これ以上国債を増やせば、ますます円の価値も下がり、インフレが加速すると懸念する向きもあります。
何かを国がするには常に財源が必要です。コロナのワクチンはじめ様々な対策もお金、防衛費の増額もお金が必要なのは当たり前の話です。
家計や企業経営が厳しければ、まず支出を見直します。いつまでもカード払いでバンバン使っていたら借金まみれで首が回らなくなります。今の日本の国債発行は償還期限が来たら返せないので次の国債を発行するという、もう経営破綻、崩壊寸前の構造ではあります。もちろん日本の国債は日本が買っているため、個人の借金とは信用の意味合いが違うと反論する人の意見も一理あります。しかし支出が収入を上回り、借金の返済期限が来てまた次の借金をする構造に違いはありません。しかも国の使命として、緊急事態の感染症対策や、有事に備えた防衛費の拡充などと言われれば、またポチっとカード決済です。
安倍長期政権は後半は評価に値しない アベノミクスは失敗
もうひとつ、大きく困ることは、経済政策が空回り、いわゆる所得としての賃金が諸外国に比べ全く上がらないで、気づけば大差をつけられている。
なかなか全面否定する保守系の人は少ないですが、こと経済、金融施策に関していえばアベノミクスの安倍総理、黒田総裁の9年は【はっきり失政】で詰め腹ものです。
安倍総理にしろ、その後の菅総理にしろ民主党政権の後、内外の諸問題に良く立ち回った面もあります。安倍さんに関していえば、一度短命に終わった前政権を反省して長期政権で彼の器の中ではリーダーシップをとり最大限頑張ったとはいえます。
しかし、経済、金融、デジタル等に関してははっきり言って素人です。各部門に適材を配し責任をもたせて委譲することもなく、おれがおれがのいいとこどりで迷走してしまいます。そして自民党政権の限界で支援者や族のグループの意見しかなかなか反映しない弱点が露呈しています。
民主党政権の後、これだけ長く政権に留まれるなら、目の前の数字的成果を気にしないで良かったのです。ただしょせん素人なので、黒田や官僚の甘言を見抜けないのでした。もっと経済の自力をつけるそれこそ骨太的対策と、短期集中のカンフル的金融施策を時限を決め徹底する、成長分野をもっとしぼり集中投下するなどやりようはあったはずです。
アベノミクスは本来短期集中の異次元の金融緩和をダラダラ続け、円の価値を暴落させただけで、次の成長につなげる成長戦略も効果的な財政政策もないまま、取り返しのつかない9年で責任を問われぬまま【失政】に終わっています。
志士の改革に期待
日本を取り戻すといっておられた安倍さんですが、結局日本は民主党政権時代以下に落ち込んでいます。
経済、物価、雇用、国際情勢、どれをとらえても最悪の時代を招いたのです。
自民党はこのまま政治を続けるのでしょうが、まずは悪夢のアベノミクスを素直に反省して、全否定するところから始めないといけません。私は民主党(今は別の名前)やまして共産党や、れいわ等が政権をとるとかと同じような主張はしたくないですし、それらの党が政権党と期待できるものとも思いませ。
日本を立て直すには国政を担う政治家に換骨奪胎の気持ちが必要です。自民党がしっかり変わること以外にこの国の政治が救われることはないと思います。それはかなり厳しい条件がつきますが、日本は未曽有の危機です。
多くの志士が立ち上がることに期待をします。