天使の顔を持つ悪魔

 【薬品メーカーは天使ではなく、売上を追求する企業】
 薬品をつくるメーカー、健康を害し苦しむ人には天使に見えますが、その実は薄汚い悪魔かもしれません。
 モデルナ社、ファイザーのCMを見かけるようになりました。最近は大きなスポーツイベントにも入り、スポットCMも買っているようです。大手スポンサーとしてテレビ局や電通などとつながっています。
 新型コロナワクチンで大きな売上を得た世界的大企業です。新型コロナブームも終わりそうだし、これから継続して売れそうなインフルワクチンを開発したけどこれはいまいちだったという話です。

『モデルナの今年の新型コロナワクチンの売上高は昨年の184億ドルを大幅に下回る約70億ドルと予測している。この減少を補うために同社はmRNAベースの呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症ワクチンに期待を寄せている』という報道がありました。
新型コロナワクチンでどれだけ儲けたかがわかる数字です。一つのブランドで200兆円売上かせぐ企業って日本にはないです。日本のテレビ局ごと買えそうです。病人がたくさんいないと製薬会社は成り立たないのですから(誰も異論はないと思います)。

 ワクチンでの特需期間が終わると、減少した売り上げをどう補うか考えているんですね。まあどの会社も対前年比、前期比とかで売り上げが落ちたら対策どうしようと考えるのでしょうが、食べ物や薬は人の健康に直接関わることだからタチ悪いです。
 必要のない薬を必要があるようにみせかけて販売したり、診断基準を変えて病人を増やしたり、あるいは新しい病気の概念を作ったり。それも全くのデタラメではないエビデンスをつけて学者や政府をまきこみますから、直ぐには全否定できません。
 そんなと思われるかもしれませんが、ありそうです。高血圧の範疇や、メタボの定義などは典型的な例です。
 たくさんお金積まれてこれだけCM打ってくれりゃ、メディアもファイザーの不利益になるようなことは表立って報じられません。
 ワクチンのマイナス面を報道したら、「利益を逸した」とかいちゃもんつけられて裁判起こされる可能性もゼロではないので、どうしても忖度されます。
 モデルナの件もそうですけど、儲けようとしてか、人類のため医学の発展のためかは動機は不明でも、開発、研究に莫大なお金をかけて、元も取らないと企業はやっていけないと考えます。しかし、製薬会社が売上や利益を気にしなければならないことは本質的には危険なことです。
 製薬会社・医療に資本主義、新自由主義を持ち込むからこうなってしまうのです。
病人がたくさんいないと製薬会社は成り立たないのですから、病気が増え、対象の病人が増える方が業績は上がります。
 今回はさらに厄介なほど、悪質で健康人をも対象にしたワクチンビジネスで大成功しました。健康人をターゲットにするというのは対象が広がり人数も金額も莫大に増え、基準のモラルが下がるとより危険です、病気の人が対象なら薬やワクチンは投与する期間や量が限られます。健康な人に、何か月ごととか年に何回と慢性的に投与されるのとでは、意味合いは全く違います。
 医薬品を使うには医師や薬剤師、登録販売者などの説明がありそのリスクも納得して、最低限使用されます。しかし、日常的に使うとなると、食品やサプリ、化粧品、日用品と同じでルーティンで使うことになります。
 私も化粧品や健康食品を扱う業界にいましたが、サプリなどでよく健康被害が出ます。基礎疾患のある人の薬よりも一般人の日常使用の方が危険なのです。毎日摂取する食品や、毎日顔に塗る化粧品に蓄積されるとまずい物質が入って入れば、その被害は甚大です。医薬部外品の審査は医薬品以上に厳しくしないといけないのはこういう面を教わりました。
 
 【日本に過去あった最大の毒物混入中毒事件】
 私がまだ生まれる前の1955年、森永ヒ素ミルク中毒事件という戦後最悪ともいえる食料品への毒物混入による薬害の事件が発生しました。大変大きな被害と長く後遺症に苦しむ人が出た長い訴訟の案件で、本当に痛ましい事件でした。
 著名なお菓子も作る大手乳業メーカーの犯したこの案件も、当初は被害者が泣き寝入りさせられそうでしたが、ようやくヒ素混入を認めたのは私が小学生の1970年でした。私の親の世代には、森永の菓子も含め不買運動を続け、森永の提供番組すら見ないという方がよくおられました。
 徹底した草の根抗戦が、日本で空前絶後の最大規模の不買運動に繋がり最終的に企業にダメージを与えました。粘り強い裁判闘争、エビデンスの解明により、ついに森永は責任を認め、被害者救済に全面的に協力をすることを表明しました。
 今の広告業界や、経済も社会も、当時とは、体質もスケールも違います。しかし、審判を下すのは草の根であれ、一人の企業人や行政に関わる人であっても是々非々の判断をしないと、悪の根は絶てません。アスリートでも芸能人でも、技量や実力があって努力していようが、悪いスポンサーにつかれれれば、反社や怪しい宗教の広告塔と同じです。

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