役職定年という言葉がありますが。50歳など一定の年齢を過ぎると昇格は無くなる制度です。
役員、経営層になることを目指した人にはショックでしょうが、いくら自分が優秀であってもそこまで上り詰めるのは類まれな才能と努力、幸運もないと大きな組織の会社では難しいでしょう。
確かに大学を出て、正社員採用で大手企業を長年勤続すれば、それなりの管理職にはなれる場合が多いでしょう。またなれなくともある程度の年功の給与体系で、贅沢をしなければ安定した生活を送れます。しかし、同期や出世した後輩との格差も大きくなり差を感じます。
実際に、同年代で悠々自適な人は多くいますし、逆に大手企業に入れず、転職を繰り返している人はかなりの苦労、努力をしてもそこまでの安定はない場合が多いでしょう。
目算が経てば、早期退職で割増の退職金で悠々とした人もいますし、その計算が立たないからしがみついて苦労をされている方の話も聞きます。
私のいたカネボウという会社も事実上粉飾で倒産し、事業を花王に譲渡された子会社の扱いで、もう社員の方は、「冷遇されている。早く退職できた方は幸運だ。残った私らは酷い目にあっている」「化粧品の仕事ができなくなり、洗剤積み上げる作業ばかりで、管理職などにはつけない」とよく愚痴られます。
しかし、よくよく聞くと典型的な「大企業病」のバイアスのかかった妬み、嘆きで、社会全体から見れば何と幸運な人かと思います。
管理職までやっていた人間、幹部を目指す若手が「こんな現場仕事ばかり」
このようなことは、昔からありますし、競争が激しくなる時代どこでもあります。管理職でなくなって責任がなくても給料はあまり変わらないなんて、何ていい会社なのだと思います。ここで激減するとさすがにブラック企業ですが、大手はそこまでなりません。
昨日まで上司、課長だった人が、部下だった人に逆転して仕える、逆転された方はイヤですが、能力や適性がそうならそうするのは会社として当たり前です。本来、給料も一気に逆転すべきですが、そうもいかないところに感謝すべきです。
もし、自分に能力があり、適正もあると思うなら、自分でもっと努力し、勉強し、交渉をして再逆転を狙えば良いのです。自分と同程度の人間がまだ幸運に残って役職についている不公平へのヤッカミだけなら、浮かび上がる可能性はありません。その人は才能は同じでも努力して、幸運をつかみとったかもしれないし、大して変わらないなら器以上の仕事に振り回され、やがて会社に迷惑をかけて落されます。そんなこと羨んでも仕方ないことです。
自分が会社のために努力して研鑽するか、ぬるま湯のままなら今を幸運と受け容れていけばよいことです。
努力して勉強しても、こんな状況じゃ認められないかもしれないじゃないかと思われます。もちろん、絶対ではありませんが、例えば語学を秀でてマスターすれば、何もしないより可能性は格段に上がりますし、会社を離れた別の機会にも役立ちます。資格の取得もそうです。あるいは投資やノマドでもいいと思います。
大学を出て、自分は優秀だと思って、高卒と同じ仕事がイヤなら、現場を楽にこなし、人一倍勉強して見返すことです。それこそ倍返しです。