公僕(公務員)の所得は安いのか

 サンデル教授の白熱教室という、学生との討論のテーマに「アメリカの大統領の給料と、MLBのイチローの年収を比べて妥当か」みたいな内容がありました。少しうろ覚えで設定やらが違うかもしれませんが、大まかな趣旨としてはそういうところです。
 日本でいうと、内閣総理大臣や最高裁判所長官は俸給だけでは公務員の最高クラスですが1億には届かないはずです。メジャーリーガーはもちろん、日本のプロ野球選手で一流になると1億超えはざらにいて、トップクラスは5億を超えています。
 現役が短いアスリート、契約が短いとはいえ、管理職の監督なども1億は超えています。
民間企業だと、サラリーマン社長で数千万が多いとはいえ、中小も含め、2億以上のところも結構あります。組織のトップで会社経営の責任とはいえ、総理大臣や最高裁判事ほどの重さはないという気もしますが、約定でそうなっています。

 非常勤のNHKの理事は1600万円などと国会で追及がありました。放送局は、NHKはじめ幹部から若手まで高給です。受信料やスポンサーからのお金が元なのですがそこまでの仕事なのかとは思います。
 公務員は公僕と言われ、身分は保証されお堅い仕事ですが、薄給と言われました。不況が続き、バブル崩壊後は、公務員の給与は下がらないため、大卒高卒とも民間の年収を総じて上回りだしました。賞与が安定して4カ月ぐらいというのは、大手企業でもそこそこ安定している業種でないと出ていませんし、民間は何だかかんだとたいていの大手も一度はリストラなどの動きを経験して、年功序列の賃金体系も変わっていますし、昇進や賞与、業績評価で差がつくようになっています。
 公務員はいまだに長く居続けると、犯罪などでクビにならない限り、ほぼ賞与も満額でますし、年功で号給はある程度上がります。責任のある幹部、管理職にならずともヒラの年功でも、最後は民間の課長ぐらいの給料にはなります。
 その問題と、幹部や官僚クラスの天下りの問題などで、公務員の給与は高いように思われます。それでも、国家公務員試験は難しいですし、官僚キャリアを目指す人材はどんどん減っています。優秀な人材が儲けるだけのためなら、民間で国内でも好待遇があり、まして海外に目を向けると、もっと高収入です。
 勉強ばかりして、国家公務員試験を目指しても、受かったところで、そう面白い仕事というわけではありません。

 ここからは、守秘義務すれすれですが、まあ世間にも知れているないようで、司法の世界のことです。司法試験に受かるのも大変な勉強で、何年も浪人し、大学院や予備校からと言う人もいます。その中で司法修習生になり、さらにその95%が弁護士残りの5%の半分が裁判官と検察に分かれます。裁判官も最初5年は判事補、10年でやっと判事で、ここでも年功での序列は絶対の世界です。民間で稼ぐ弁護士がたくさんいる中で、10年経っても独立弁護士で儲ける人ほどの俸給にはなりません。
 使命感とか、宿命と信じて進まないと、公僕にはなれない典型のようなものです。

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