京都市長選総括と政治の構造

 京都市長選から少し時間が経ちいよいよ新市長が登庁されます。
 選挙を総括して書こうとしてから、いろんな政治の状況や京都市の行政への思いが巡りなかなか書けませんでした。
 京都市への長年の思い、役所関係に関わった時の思い、今回選挙応援に関わった友人たちへの思いなどが駈け廻りました。まとまりがなく書いたままです。ご容赦ください。

 京都では与野党が相乗りして「非共産」対「共産」の構図で長年争われてきました。今回、維新と地域政党京都党、国民民主党と前原新党が組み、自民公明と立憲民主党が相乗りした現市長後継としのぎを削る新しい構図でしたが、候補者の政治資金疑惑というまさかの急展開で、結局「非共産」対「共産」に戻りました。
 選挙結果では共産党福山氏が大善戦したとも言われますが。結局疑惑で失速した村山氏が前回の票も取れず、維新支持票は分散して、当選した松井氏から自民の支持層を自民除名の二之湯氏が獲っていった分で苦戦した程度でした。共産系は実は大きく増えてもおらず、あのまま村山氏が走っていた方が、3竦みで共産党がもっとトップに近づいていた可能性もありました。
 地域の事情ではありますが、「相乗りの形は京都に限らず全国にいっぱいある。党としてはその候補者と向き合い、いいかどうかを判断している。京都の特殊事情ではない」と自民党や立憲民主党は開き直るように述べていた。
 地方組織が弱い旧民主系議員は、選挙を取り仕切る組合、要は連合の意向に逆らえないのです。
 労働政策の実現を望む連合は首長選で現職寄りで、共産とは全く相いれない。連合と共産党系の近親憎悪のようでより敵対するのです。旧民主系は国政で自民と戦ったふりをしながら、足元の選挙区では手を握るという矛盾を続けてきました。
 今回は共産党が機関の新聞で村山の裏金リークをして、引きずり下ろしました。
 自民党内でさえ勝手に出馬した府議を除名までするコワイ制裁、片方で裏金でもユルユルの処罰なのにこの辺の近親憎悪のガチンコは一体何なのでしょう。結局は相乗り、現状維持に大きく舵が切られました。
 中央では敵対し、裏金問題で政権交代を目指すはずで、その足場を政令指定都市の首長選を取れば弾みもつく時勢でした。
 特に野党第一党、立憲民主党は情けなさ過ぎますし、推薦にたてた村山氏に疑惑が浮かぶと不戦敗を決めた維新も世論調査では村山氏優位で勝つ気満々だっただけに不戦敗は残念です。
 実際に市役所、区役所で働く人にも給料や待遇を下げては可哀そうなぐらいよく働く人もいます。
 松井新市長が述べていた京都の市職員は良く働く素晴らしいというあたりは間違いではありません。
 維新や京都党の改革を、大阪橋下流と毛嫌いした方、伝統産業や芸能、文化、地域などを守らず改革で切り崩すのではとも怖れた向きもあります。松井市長の当選で安堵した人もいるでしょうし、革新府政時代に立ち遅れたトラウマがある人も安心したかもしれません。
 しかし、革新知事市長時代以上に門川市政下で最悪の財政、福祉の体制であることも事実です。
 伝統文化などだけでは京都はもたないと私は思います。
 私は今は国の司法系の仕事なので京都市とは直接俸給を貰う関係ではありません。それでも少し関わった右京区のプロジェクト、地域でのITのボランティアなども体制によって機器の更新どころか存続そのものも年度替わり前で随分やきもちされていました。維新系の市長ならこれらも全ていったん見直しかもしれませんでした。
 個人的には再就職で地元での公務などの事務を探しているとき、文化庁や京都市の行政のデジタル推進課、、行財政局社会保険関係、交通局広報、町家の管理、二条城の管理事務なども回りました。採用されたおれば逆の立場だったでしょうか。それでも詳細に条件を見ました。総じて非正規採用の待遇はあまりよくなく、逆に職員はダラダラです。全体で人件費のかかる正職員で無駄な人材が多いのです。賞与や昇進などここらあたりに、手をつけられるのが維新だったのですが、その機会は失われました

 改革という面では、一番積極的なのが京都党、(維新)>自民・公明・立憲民主>共産党というのが京都の異様な構図です。
 それはそれで全てを俎上に見直すことは傷みはともなってもいいことかとも考えました。
 とはいえ結局門川市政をほぼ後継、継承の松井市長となりました。ドラスティックは無理でも繰り返しますが財政破綻の問題はつきまといます。松井市長は世話になった団体とのしがらみを抱えながらも、ある意味冷徹なほど冷静にこの問題に全方位に向いて取り組まないと待ったなしです。
 何せ、国とのパイプとか府市協調と門川市長も言いながら、全国ワーストの財政になったのですから、今さら国や与党は助けてくれません。国の支援は結局足枷になり、府市協調というのも前からいって二重行政の無駄は消えていません。似たような府市の組織があるのもそんなに急には変わらないし、変えられないでしょうが、やはりメスを入れていかないと遅れたまま、破綻寸前待ったなしは続きます。中央政治がどうしようもない時期、地方発で大きな変革があっても良いはずです。

 

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください