XやMETAなど海外大手含め、SNSを運営する大手企業に対し、不適切な投稿の削除の申請があった場合に迅速な対応や削除基準の公表などを義務付けられるように今月26日にも召集される通常国会に改正案を提出される予定です。
誹謗中傷や、詐欺広告、暴言など日本は自由放任というか野放し状態に近い感じで、苦労して訴訟を起こしても、時間もかかり海外大手企業は舐めて「屁の河童」のような状態が続いています。
それでも厳しく規制をすると、発言の自由を奪い、逆に名誉の回復が遅れる場合も遅れます。
そんな中、先日3日仙台高裁の岡口基一裁判官に対して裁判官弾劾裁判所が罷免判決を宣告しました。裁判官弾劾裁判所は「SNSによる中傷で自殺者も出ている中、悪質性が重い」と、8年ぶりの罷免、SNS起因では初めて同裁判官が法曹資格を失いました。
女子高校生殺害事件に関してSNSで不適切な投稿を繰り返したということで、これだけを読むと酷い裁判官のようですが、当然犯人への被害者側からの感情やら裁判の判決の量刑だけでは晴らせない義憤のような感情のいら立ちとも想像されます。
本当のところは分からないのですが、SNSでどこまでというものは難しい問題です。
少し前では、人気の国際経済学者成田悠輔が、高齢者の老害に対し、「集団自決」「集団切腹」発言が切り取られ、ビールのCMから降板させられました。彼はこんなことは気にもしてなそうですが、その内容は「武士道」葉隠の精神から「やっぱり人間は引き際が重要」「別に物理的な切腹ではなくて、社会的な切腹でもいい。過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤー(階層)で多すぎるのがこの国の明らかな問題」「消えるべき人に消えてほしいと言い続けられるような状況をもっとつくらないといけないんじゃないか」と決して差別や排除が目的の提案ではなく、こんな発言を切り取ってプレッシャーをかけるようでは、地上波はダメです。
静岡の川勝知事の県庁での職業差別発言も問題とは言われますが、リニアがらみで風当りも強い中で、かなり長い挨拶の中の切り取りなので、タイミングの速さには違和感を覚えます。『毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり物を作ったりとかと違って、基本的に皆さんは頭脳・知性の高い方たちです』
その前にも「御殿場コシヒカリ」も問題にされた前科はありますが、今回はリニア開業が静岡の反対で延期が確実になったと発表されたばかりです。
個人的には、私はどうせやることが決まっているリニアなら早く大阪まで開業させて、生きてるうちに乗りたいので川勝知事の態度は好きではなかったですが、この幕切れはスッキリしません。
野菜を作るじゃなくて、売るというのも変ですが、牛の世話から、モノ作り全般というのも何だか妙な感じです。工場などの簡単な組み立て作業のようなイメージでしょうか。いずれにせよ、官僚はそれらの一般的な職業よりも知力が求められ、選ばれた優秀な人だから責任を持って頑張れと言いたかったのであり、決して「野菜を売る人」をバカにしているわけではないと思います。そう感じて批判した人の方にむしろ違和感を覚えます。少しわかりにくいかもしれませんが、批判した人こそが、「野菜を売る人」は頭使わない職業で馬鹿にされやすいから、差別的な「同情」をしているのです。
役人より頭脳・知性が低いなどと言われたら差別だと突き上げるべきだという主張をする人も差別意識は変わりません。こんな発言が誰かのせいで大きく採り上げられて、むしろ傷つく人が増えたのです。
ネットがない時代、切り取りもない時代には、官庁や企業、学校の式典でこの程度の発言が出ても広がることはなく、傷つく人も多くははずです。実際に「モノ作り」の人、「野菜売る人」「牛の世話人」の本人や家族もこの話を、聞いたところで役人や大学に入る人に比べ「差別」と感じる人はそんなに多くないでしょう。多少口惜しくとも、地頭はいいんだなとか容量よく勉強して公務員になったんだな、今に見てろと思ってもそれほど「職業差別」ではなく、笑い者にされたのでもありません。
何か、つまらないことに躍起になり、肝心大きな犯罪や搾取には目をつむっているような体制を法律も含めてもっと変えないといけないでしょう。ネットの規制など、国会で法改正してもいたちごっごで変容します。
「有名人を使った悪質な詐欺」、「ちょっとした発言で炎上してトラウマを産む」、「災害時にフェイク映像で煽ってデマを流してバズって大儲けする」被害に遭う人がいても、大手いわゆる旧GAFAは莫大な儲けと売上をしながらも何の弁償もまともな規制すらしない。立法をもっと、迅速に柔軟に適応しないと、警察など取り締まり裁く行政や司法は法律が無ければ動けないのです。立法、国会がまともでないからこの国はやりたい放題です。裏金の問題も早く終止符を打って、そもそもあんな件があろうとなかろうと、国会の立法機能が粛々と動くようでないとマトモではないのです。