「見逃し」の無い時代

 私の子供が小さい頃、地方に住んでいたのでたまに関西でしかやってない映画や子供が喜びそうな番組を親が録画してくれていました。
 操作もままならない老夫婦が頓珍漢なこともしていました。まだVHSが往生する寸前ぐらいでその後DVDだと機器の互換性が下がりそんなことも難しくなりました。
 今はリアルで視聴できず録画もできずとも、見逃し配信サービスがあります。昔の映像、映画やドラマもBSやCSはじめその他の配信サービスを探せば、問題があって放送禁止以外はたいてい見れます。
 チャンネル争いで兄弟げんかしていたころに比べると、テレビが見れなくてもすぐスマホというのが今の子供たちです。
 昔の優れたものとも対抗していかないといけない今の制作者はそれなり大変です。その上、多チャンネル化、働き方改革、テレビ離れで予算も時間もないのでしょう。
 それだけテレビ地上波もスカスカになってきています。
 ちょっと前に引退した先輩が暇で鬼平犯科帳ばかり見てるというのを、バカにしていましたがそんなものなのかもしれません。

札幌はオリンピックの前にインフラだとは思う

 東京五輪、大阪万博。リニア新幹線とくれば次は札幌の冬季五輪かもしれないです。
 実際に高度成長期の夢をもう一度と招致の動きはあるようです。コロナ禍でいろいろ問題もあった北京冬季五輪も結果的には日本の過去最多のメダル獲得で盛り上がり、誘致のムードは高まっているようです。
 しかし一方でこの冬の寒波で道庁のある札幌でさえ、JRをはじめ交通機関がマヒ、主要道以外の道路は除雪も間に合わない日々が続いたのです。
 基本的なインフラも弱く、寒冷地仕様と対策にコストのかかるJR北海道はドル箱を持つ東海や東日本、西日本都違い経営破綻寸前です。
 オリンピックの開催が地域を活性させインフラ整備にも回せるとの向きもありますが実際に地元に回るお金はそれほどでもありません。東京でさえコロナ禍で無観客のせいもあり財政に貢献したわけではありません。
 アスリートのため、ロマンを取るか、地道なインフラ整備などに回すか。いずれにせよ北海道は少子高齢化のこの先、かなり厳しい選択を強いられます・
 冬季五輪の今回盛り上がったカーリングなどは典型的に4年に一度しか脚光を浴びません。寒波は毎年やってきて雪かきや雪下ろしは毎年必要です。JRに限らずですが、もう少し本州、日本全体で北海道をどうするかしっかり地盤が固まってからのオリンピック誘致でいいと思います。

人生とは孤独 ヘルマンヘッセ「霧の中」より

ヘルマン・ヘッセ「霧の中」から

暗さを知らないものは、

賢くはないのだ。

不思議だ、霧の中を歩くのは!

人生とは孤独であることだ。

だれも他の人を知らない。

みんなひとりぼっちだ。

 人間は弱いから、他人に頼ったり、自慢したり、認め合い、許し合わないと「孤独」を感じてしまうものです。
 孤独に対する耐性や強さは人により環境やDNAで違うかもしれません。
 孤独をさけるためマザコン、ファザコン、シスコン等に陥ったりします。ゲームやペットなど趣味、クスリなどに過度に依存する場合もあります。
 親も伴侶も友達もいつかいなくなります。ペットなどもちろんそうです。最初からロスが見えているものには覚悟が必要です。死別でなくとも、物理的精神的に距離があけば同じことです。物理的距離や死別を嘆いても、精神的にはとうに離れている場合もあります。
 所詮は生き物、人間は一人で生まれ。一人で死んでいくのものです。そこは納得して受け入れ、心を整えるしかありません。さみしい、さびしがりという人が他人に頼ると結局さらに寂しいロスを迎えるのです。

中国が後ろ盾のロシアは侮れない

 決して親ロ、親中という立場に組するわけではないです。政治的には中庸でむしろ愛国保守に寄る部分もあり是々非々に立場です。
 今回のロシアのウクライナ侵攻、こぞって非難のオンパレードでアメリカ、EUは制裁を実施し、日本も賛同し一部発動しました。
 当然ロシアは反発し、ロシアよりの中国は歴史的な事情もあると擁護も発信をしています。
 ということは中国、ロシア対米国、EUの構図で当然日本は米国側に付くしかない立場です。
 しかし制裁やむなしとロシアを非難しても関係は悪くなるばかりで、戦争が止められるかというとむしろ溝は深まるばかりです。
 ロシアは元々、資源大国で生産力もあり自給自足、自国消費は十分賄える国で経済制裁の効果は低い上、中国が後ろ盾となれば盤石です。
 世界の人口、面積の割合でこの2国は米国、EUの連合をはるかにしのぎます。GDPや軍事力(兵の数では中国側が上)で辛うじて上回るもののそのうち中国の伸びで追いつかれるくらいのプレゼンスの大きさです。
 日本はいたずらにロシアとの関係を悪化させると、もう北方領土問題など二度と相手にはされないでしょう。私は愛国者としてこれは大いに不満です。2島返還など少し光明が見えると米国とそのシンパに潰されて来たこの問題は、日本の対米隷属の象徴です。
 アメリカは対立しているとはいえ中国とはもちろん、ロシアとも実質国境を接してはいません。アメリカと、ロシアや中国が険悪になればなるほど国境を接する日本はハラハラするのです。
 日米安保があるからアメリカのいうことを聞いといたら安寧で間違いないと考える人はいますが、いざ有事にアメリカが日本人や日本の国土のため命懸けですぐに戦うのかは何の保証もありません。
 反米感情一辺倒になった第二次世界大戦開戦前の日本のごとく、バランスがとれない外交も世論も国際社会では危険です。当時の日本も日の出の勢いのナチスドイツと同盟を組んで浮かれていました。
 とくにもうアメリカは多くの点で中国に差をつけられています。日本のパートナーとしてはドイツの降伏を聞いたと同じような、失望や裏切られた瞬間を味わう可能性はゼロではないのです。
 親中、親ロはこの時期嫌われ勝ちですが、最低限でも情報の収集や外交ルートは必要です。日本独自の外交スタンスがないと結局、固有の領土を守れないことになります。

戦争 かつて覇権を目指しロシアと戦った日本

 ロシアがウクライナに侵攻ということで、センセーショナルに戦争の報道がトップとなっています。
 コロナ禍の話題もどこかに吹っ飛びそうですが、遠い欧州とはいえそこに住む町の人はもちろん平穏ではありません。
 欧州の緊張も第二次世界大戦後では最大級と騒がれています。戦後生まれの日本人の私たちにはいいにつけ悪いにつけ、戦争の実感はわきません。
  明治維新後、欧米の一等国に追いつけと日本は富国強兵にシフトし、アジアに勢力を広げました。そこには複雑な歴史、政治情勢があり、戦争に対するルールや世論、人権問題、秩序も今とは全く違うものだったでしょう。
 第二次世界大戦、太平洋戦争に敗れ日本人は戦争に対し大きなトラウマを負いました。その傷は深く、戦争を冷静に見て深く判断することができなくなるぐらいでした。
 専門家という人にもどうも予想ができていないことが多いのはこれが原因のようです。
 戦争は悪かどうかというシンプルな問題ではなく、国と国が独立して国境を設けている以上は利害の対立はあり紛争の種は生まれます。外交、内政ともにそこから問題意識を持ち国益を考えながら交渉をしていくギリギリの戦いが始まります。当然最悪の武力紛争になることも想定しないといけません。それは目をつむることはできない問題です。
 安全な国に観光やレジャーで海外に行ってもこの感覚は身に付かないのでしょう。実際に空襲を受けたり戦争に行った人はもう日本人にはごく少なくなっています。想像力と理解力、今の言葉でいうと戦争リテラシーが必要なのでしょう。

日本の賃金アップ 頑張れ

 日本人、特に中年より上で日本が経済大国だという自負のある人に限って日本の賃金が欧米諸国先進国の下位ということに愕然としてがっかりしています。
 日本が経済大国という幻想はもう本当に終わりです。
 モーレツに働いて世界各国をリードした時代はとうに過ぎ去っています。労働条件が改善され、発展途上と見下げていた国にどんどん仕事を奪われてしまい,最先端の産業をリードできないのですから、しかたのないところです。
 もちろんトヨタ自動車はじめ、日本のトップクラスの企業は未来に向け多くの希望を抱かせます。コロナ禍でも私の地元京都でも多くの製造業大手が業績も上げてきて、期待がかかっています。
 政府もいくつかの分野に重点を置いていろいろもがいてはいます。決して先は楽観できるほど明るくありませんが暗くもありません。
 コロナ禍でまずまずの業績の企業から、物価上昇などへっちゃらなぐらい賃金をあげ、優秀な人材をごっそり集められるようにならないかと思います。
 労働組合も経営寄りとか言われますが。それを是としてもどんどん待遇を良くして日本を引き上げて欲しいです。

野党は反対ばかりでなくてもよいが

 昨日2月22日、ニュースで
『2022年度予算案は、衆議院本会議で、与党に加え、野党の国民民主党も賛成する異例の形で可決された。
 採決では、与党に加え、野党の国民民主党も賛成票を投じた。国民民主党・玉木代表「われわれもある意味、覚悟を決めて、賛成しましたし、前に政策を進めていただきたいと思います」』
 と報じられました。
 長年の国会ウォッチャーでも確かに予算案に野党が賛成は珍しいことのようですが、一般の法案の場合はほぼ何でも反対の共産党を除けば野党が賛成することはよくあります。内容によっては共産党も含め全会一致もあります。
 そもそも今のような与党が絶対多数を占める中で、反対しても大した意味はありません。それは首班指名でも同じです。蟷螂の斧のように少数野党の反対など空しいものです。共通した政策、コロナ対策や経済対策、復興等山積みの課題を一つ一つより良い形で行政をリードして実現するのが国会議員の使命です。
 政党政治なので政党の党是、拘束はあるでしょうが、一つ一つの部会で政策を論じるときは一人一人の国会議員で与野党やることは同じだと思うのです。「コロナを何とかしよう」「年金問題をこうしよう」「経済の立て直しをこうやっていこう」というのは喧々諤々、熟議が必要です。それぞれ経験や思い入れのある分野の議員が対策を論じるのがベストです。よくブーメランと言われ、「民主党政権でできなかった」「いや長い自民党政権時代のツケ」と責任をなすりつけ悪口を言い合うのは不毛のやりとりです。
 むしろ与野党が大臣経験や政策に関わり、官僚とやりとりしていたことは良いことです。論功や年功、当選回数で経験のない分野の大臣があてがわれてもそれをカバーして余りあ議員がたくさんいれば良いのです。
 国会の議論がもっと現実的で是々非々に進めば少し期待できます。

ロシア 厳しい政局

 ウクライナをめぐりロシアとEU、アメリカがきな臭い政局を迎えています。
 私たちに与えられる情報ではどちらが正しいとかいうことは判らないことが多いです。
 どうしてもアメリカ寄りの報道になるのが日本です。
 日本人は第二次世界大戦でアメリカ、イギリスと戦いましたが最後に中立条約を破棄して参戦したソ連(ロシア)にはなぜか恨みと嫌悪が強いようです。
 原爆を落とされた日本がアメリカと戦争をすると思っている人は皆無でしょうが、隣国のロシア、中国、北朝鮮、韓国とは戦争の可能性がゼロとは言えません。
 北方領土問題も遅々として進まないのは日本とロシアだけの問題ではなく、常に日ロの蜜月を喜ばないアメリカの思惑というのも一般的です。
 旧ソビエト連邦の崩壊。社会主義の終焉は様々な不安定な独立国家を産み、自由主義による歪んだ格差、貧困、差別を助長した反面もあります。戦争が根絶されると困る武器商人のような勢力が常にいることもその温床です。
 何もかもが、陰謀説でも説明できますし、そんなことはないのかもしれません。
 当面、LNGの問題で世界経済が受ける影響を日本も蒙ります。
 何とか世界の強風の中で踏みとどまって欲しい日本という名の船です。
 
 

オリンピックとナショナリズム

 北京での冬季オリンピックが終わりました。
 コロナ禍ですが、やはり日本人選手の活躍を中心にニュースのトップを飾りました。北京での開催ということで、ウイグルでの人権問題で「政治的ボイコット」に始まり、ドーピング問題や不可解な失格判定も問題となり、政治色や国威掲揚の問題とは切り離せないものとは痛感します。
 冬季の場合メダルを獲得する国も、参加国も夏季には及ばないスケールで先進国お金持ちの国中心の大会です。
 それでもテレビを見れば普段愛国心のかけらもない人でも、なんとなく自国民やそのチームを応援したくなり、自国のメダルの数が気になるようになっています。
 日本のアスリートたちが、4年に一度の晴れ舞台のため物凄い努力を積み重ねたことには敬意を払い労いを禁じえないです。
 しかし、オリンピック精神以上に商業主義が拡大し、メダル至上主義、放映権は暴騰し、種目数も増えており、日本のメダルが過去最高と言われても少し違和感はあります。
 もちろん本当の戦争が一触即発とも言われる情勢で、スポーツが世界平和の鎹(かすがい)になればそれは素晴らしいことです。
 閉会式やフィギアのエキジビションのほっとするような選手の表情がいいです。

値上げ インフレ プライスリーダーの難しさ

 

 花王の製品は洗剤の「アタック」「バスマジックリン」漂白剤「ハイター」入浴剤「バブ」や洗顔や手洗い、ボディソープの「ビオレ」紙おむつの「メリーズ」元祖化粧石けんの「花王石けんホワイト」など、消費者にとって著名です。またほぼトップシェアを誇るプライスリーダーであり国が消費物価指数を決める重要な品目の多くを1企業が担っているのです。
 その花王が原材料に高騰を主な理由に2月初め値上げを宣言しました。これは物価と生活に与える影響は大きいことです。
 東京や神奈川に約130店を展開する食品スーパー「オーケー」は「花王(株)、花王グループカスタマーマーケティング(株)より大きな仕入れ価格値上げ」の申し入れがありこれに伴い、1月31日(月)より「販売中止(145品目)の対応をとらせていただきます」とその少し前にニュースで報じられていました。
 花王には以前勤めていましたので、ここに至るまでの経緯の難しさ、方針決定から流通業への交渉まで極めて難渋なハードワークだったと思います。表立ってはオーケーだけということは他の大手スーパーやドラッグ、コンビニなどへの話は抑えているのでしょう。もちろんそれらの企業の売り場も値上げしたままのメーカーの商品を今までと同じ面をとって並べて売ってもらえるとは限りません。
 その他の条件踏まえて、なかなか予断を許さない情勢でしょう。
 食品に比べて、値上げがしにくいという業界筋の言葉もあります。
 花王の場合は洗剤の主原料にバーム油、バーム格油を使っています。その調達に森林破壊ゼロ、調達先追及可能100%としてSDGs(持続可能な開発目標)推進を図っていました。
 配送コストやその他商品の原材料の原油高も含め、かつてない原材料費の高騰で、これ以上卸価格を維持するには製品の質を低下させる以外にない状況に至ったとは思われます。
 もちろんライバル企業がどうでるかは分かりません。
 どの企業も製品に品質を保証しながら利益率を維持していくのはステイクホルダー全て、社員の給料から原材料調達の国、工場周辺、株主、消費者に至るまでに対して使命であり義務です。
 かつて物価の優等生といわれた鶏卵、たまごは今でも安いです。しかし栄養滋養に優れた完全栄養食品だった戦後すぐに比べて、工業生産禍され劣悪な環境下で価格維持が行われ続け、見掛けは変らなくとも栄養はスカスカの似て違うものにすり替わっています。
 一購買者や、一つの流通の経営者は、花王は高いと思われるのも仕方ない面はあります。しかし社会を維持し、地球環境を考えながら、インフレは必然でもあり、物価は上がっていくものだと受け入れざるを得ないとは思います。