神の降りてくるプレゼン極意

感化を受けた山中教授の著作

連作にするつもりもなかったのですが、昨日↓書き忘れがあったので基本編から僭越な名前ながら今日は「極意」編。
私は何冊か基本のテキストや本でスキル学び、会社時代は本部の教育や企業提案経験のある先輩に指導いただきました。しかし通り一辺の字体、テーマ、字の大きさや起承転結、とかいうのは、基本であり、他のライバルに勝とうとするには当たり前すぎるのです。発表を無難にしたいのならそれでもいいレベルでしょう。成果を得るためにはそれでは足りません。
私がもっとも感銘したのはiPS細胞でノーベル賞を受賞された京大教授の山中伸弥さんの著作です。貧乏な時代に研究費を回してもらうため、手書きのイラストなど手作りで、分かり易いインパクトのある資料を使ったくだりです。山中さんの本の私にとっての肝は、頭の良さでも研究の良しあしだけでもなく、うまいプレゼンがないとiPSもノーベル賞もなかったということです。
多くの場合は、限られた時間で、沢山の競合相手、比較される資料と拮抗し、強い印象を残し勝たないといけないのが発表資料の宿命です。
無難なレベルで小奇麗に仕上がっても、ライバルに数字や言葉ひとつで負けたらそんな資料は1時間かけようが1週間徹夜でも、即ゴミ箱に行きます。
多くの部門が発表する社内の全体会議でも、睡眠を誘うような時間にしても自部門にとってよろしくありません。

「魅力的な謎」の「つかみ」と、印象に残り聴衆が話題にする「オチ」

私は京都出身の典型的なシャイな関西人なので、風貌はあか抜けても、伝統的緊張の中に皮肉なひねりを入れました。終わった後もキーワードが聴衆の話題になり記憶として残る。語り継がれる「オチ」を用意しました。
ミステリマニアなので冒頭部分には、「つかみ」として出オチではなく、「気になる」気持ちを発動させる「魅力的な謎」を盛り込みます。これによって内容にぐいぐいと引き寄せるのです。
そして絶対に主張したい部分へのインパクトには、色から動き、字体、ありとあらゆる拘りに時間をかけました。
自分が聴衆やバイヤー側に立って、面白いと思えなければ勝てる資料、良い資料とは言えません。
私にとって幸いだったのは、そこがウケる環境があり、評価する上司や同僚がいたことと、私がこの面白いものを作ることをすごく面白く楽しい仕事と感じられる人間だったからかもしれません。
だからこそ、ほんの一時期ですが、日本最大手の日用品会社で私はプレゼンの達人、名人、神、伝説と言われました。
芸術家や作家等には夢見てもおいそれとはなれません。でもビジネスマンでプレゼンする立場くらいにはちょっと頑張ればすぐなれます。その中であの発表はいいと思われ信頼され向上するか、毎回資料つくるのに辟易し、イヤイヤやるかは大きな分かれ目です。
そして昨日↓書きましたが、私も面白さは追求しましたが、面白くウケるということは、その情報が広がり影響を与えます。だからこそ嘘はダメです。数字の虚飾や誤魔化し、誤解をリードするようなものはしてはいけないのです。
ここを守らないと「神」は降りてきません。
多くの仕事を、正しく真面目にすることは感じようでつまらなくもあり、面白くもあります。少し頑張って峠を越えると辛かったものが面白い仕事に変わります。

“神の降りてくるプレゼン極意” への1件の返信

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください