「星野君の二塁打」はもう古い?自主性の時代か

 プロ野球日本シリーズの関西対決で盛り上がるところですが、今年道徳の教科書で長年採用されてきた「星野君の二塁打」という少年野球の話が消えたそうです。
 その内容はおおざっぱに要約すると
「監督のバントの指示を守らずにバッティングをした結果、幸運にも二塁打を打ち放ちチームを勝利に導いた星野君。しかし翌日、監督は指示に従わなかった叱責し星野君に大会への出場を禁じる」というお話です。
 原文は旧仮名遣いで吉田甲子太郎という童話作家が1947年に書いた短編小説で、長年道徳の教科書に定番とされていました。自分勝手な判断をせず監督の指示に従うことがチームとして大切だという道徳的教えなのでしょうが、軍国主義的とか、子供の自主性を奪うとかいうことで時代と合わなくなってきたのので教科書から消えた言われています。

 そんな中、先日のパリーグのクライマックスシリーズで、ロッテの吉井監督はバント失敗のあと、タイムリー二塁打を打った選手に、申し訳ないサインを出したと謝るようなしぐさをしていました。
 サインを無視したわけではありませんが、結果オーライにして監督が笑ってすますと、打ちたい選手はどんどん作戦を無視していく傾向になるかもしれません。
 無能な上司の指示を状況判断で現場社員は臨機応変の対応ができた方がいいとか、上司の指示だけで考えることをしない無能社員を産むからと、批判は多いです。それでもあまり、リーダーの指示に従わない組織も良くないのではとも思います。
 それこそ、状況によるというところでしょうか。
 パワハラ的な監督、コーチが指示をして悪質なタックルをさせたアメフト部もありましたが、まだまだその指示に従わないという雰囲気のある昔の体育会系がはびこってもいます。そんな中ではメジャー経験のある吉井監督の優しさは清涼剤でした。日本のスポーツも軍隊式から、楽しむ時代へとようやく来ているのかと思いました。

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