日本のリーグと海外トップリーグとの年俸格差

 日本人アスリートが海外のトップリーグに高年俸で移籍するのは今や当たり前となりました。

 野球でいうメジャーリーグ、サッカーだと欧州のプレミアやセリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラがあり、バスケやアメフトなども懈怠違いの年俸と待遇です。

 海外渡るには一定の制約があるのは別にして、メジャーリーグでいうとイチローや松井の時代から大谷の登場、サッカーもプロができた三浦カズの時代から、中田、本田三苫の活躍する現在になりました。ここ20~30年で体格差も縮まり、技量も拮抗して代表レベルではかなり本場と言われる海外諸国に変わらなくなったのですが、実は年俸の格差は広がってしまい、日本のリーグでちょっと活躍した選手や、才能ある学生が、高年俸の海外に出て行くケースが圧倒的に増えています。

 Jリーグができた30年前、一時的プロ野球の危機も叫ばれた30年前から、日本のスポーツ界、スポーツビジネスは旧態以前としていたのか、経済全体の低迷が原因なのか、海外トップリーグとの差は広がるばかりだったのです。

 これは、アスリートの実力に関係なく、国の経済力の問題です。いわゆる「失われた30年」に重なります。
 何が悪かったから、どこを改革したらというのは一概には言えるほど甘くない複雑で対応もややこしい問題です。一つの対応を書くだけで厖大な長さになりますで別の機会にします。

 フジテレビの問題が出て、オールドメディアという言葉で、旧態依然としたマスコミや芸能界、政治の体制が非難されだしました。このフジテレビの一部の独裁的トップによる発展と凋落もまた「失われた30年」と重なります。

 テレビ局やプロ野球球団の買収問題が出た時、社会はこぞって既得権者、既存の体制を守り、参入障壁を高くして、結果として既存の勢力に独占的な権力を過ぎ、社会から活力を奪ってしまいました。

 テレビ局や野球などスポーツと、日本経済全体は違うと言われる方もいますが、繋がっています。特にテレビなどのマスコミがミスリードしてきたことが大きく、まずはそこから変えないと日本は良くなりません。
 少し論点を変えて、別の機会に続きます。

 
 

かつて相撲界には〇〇時代があった 入院後も休まず27歳で急死した最強の横綱がいた

 1月と2月の大相撲カレンダーに載っている横綱が2月を待たず引退してしまいました。洒落にもならないような話です。

 横綱の貫禄とか出場を決める興行の在り方も、昭和の時代とはエライ違いで、そもそも国技と言いながらも日本人のトップは久しくいません。横綱が在位していても全休の場所が半分近くあり、出場してもすぐ休むという詐欺まがいの興行と言えなくもありません。
 私が小学校時代に、家に初めて届いたカラーテレビで夕方に映ったのは相撲のお相撲さんの姿でした。当時は少し円熟期を迎えた、国民的英雄の大鵬という大横綱がいて、ライバルの闘志あふれる柏戸という横綱もいて、しのぎを削る柏鵬時代の末期でした。
 その大鵬が、若手の先代貴乃花(若貴の父)に敗れ引退したのが1971年、大阪万博の翌年半世紀以上前、まだ私が小学校の6年になった時のようです。貴乃花は小兵で、人気はありましたが大関止まりで横綱には遠かったです。息子二人がその座に就くとは当時思いもしませんでした。柏鵬の後を継いだ時代は、昨年11月82歳で亡くなった北の富士のっ北玉時代です。解説者としての期間の方がずっと長く有名になりましたが、男前で人気もある横綱でした。その名前の玉の方はライバルは玉乃島改め玉の海で小柄ながらも力強く、玄人受けする上手い相撲を取った横綱で人気を二分して、北玉時代が到来したといわれました。
 今よりも厳しい横綱昇進で二人は二度ほどチャンスを見送られます。一人横綱の大鵬の後を継ぐのが明確になる活躍してきた二人です。この時代の名称はその後横綱に同時昇進した不世出の二人のライバルにふさわしかったのですが、長く続きませんでした。
 横綱昇進後は14勝1敗を4場所続け、その後13勝2敗でその次に全勝優勝、それでもこの間に大鵬や北の富士も優勝していて、今では考えられないハイレベルな3人の横綱による優勝争いでした。
 その全勝優勝玉の海が本人の6度めにして最後の優勝になっていまいます。子供心に強い横綱がと信じられない突然の訃報が入ります。なんと技量では北の富士を上回ると言われた横綱玉の海が27歳で急逝してしまうのです。
 以下はWIKから引用です。(太字は私が)
 
 全勝優勝を飾った1971年7月場所前後に急性虫垂炎を発症、夏巡業の最中にその痛みに耐えきれずに途中休場するなど容態が芳しくなく、早急な手術が必要だった。しかし横綱としての責任感と、同年9月場所後に大鵬の引退相撲が控えており、手術して本場所を休場すれば大鵬の引退相撲にも出場できなくなるため、痛み止めの薬を刺し続けながら9月場所に強行出場した。この場所は肋骨を折ったにもかかわらず12勝を挙げたが、これが結果として玉の海の生命を縮めることとなってしまった。

 10月2日の大鵬引退相撲では、大鵬最後の横綱土俵入りで太刀持ちを務め、翌日に行われた淺瀬川健次の引退相撲にも出場した。玉の海は出場後直ちに虎の門病院へ入院して虫垂炎の緊急手術を受けたが、腹膜炎寸前の危険な状態だったという。その時点での手術後の経過は順調で、10月12日に退院する予定だった。なお、この時点で11月場所の出場に関しては未定だったこともあり、本人も「退院後すぐに相撲は取れないが、(巡業先では)土俵下から挨拶でもしよう」と親しい人たちには伝えていたという。

 ところが、退院前日の10月11日午前7時30分起床して洗顔を終えて戻ったところ、突然右胸部の激痛を訴えてその場に倒れた。その時、既にチアノーゼ反応が起きており、顔は真っ青だったという。意識不明の状態で医師団の懸命な治療が行われ、一時は快方しかけたものの、その甲斐もなく午前11時30分に死亡が確認された。27歳だった。
(引用おわり)

 今の横綱では考えられないほど無理をしていたのでしょう。医学、救命措置や生活習慣予防も今のようには進んでおらず、軍隊式の無理が通った時代で、それがいいとか悪いではないですが、命を削ったのは間違いないです。北の富士関や玉ノ海、この時期以降昭和の横綱になった力士もスパルタで鍛えられて、その後もパワハラ的シゴキをやって問題になったりしています。

 この悲劇以降、それでも相撲の世界にも力士の健康診断や、公傷制度も出来ました。

 その後は北の湖と輪島の輪湖時代と言われる時期がありました。無敵の強さでふてぶてしい北の湖に学生横綱から渋い相撲で上り詰めた人気のあった輪島が食い下がる時代でした。
 その後はライバル二人と言われるほどの時代ではなく、一強という感じで、千代の富士時代、貴ノ花が絡むものの曙時代、朝青龍、白鳳と外国人横綱の時代という感じでしょうか。日本人は本当にトップからは遠ざかりました。

 新時代は来るのでしょうか、相撲界に大谷翔平のような逸材が生まれる日はくるのかと思います。
 それにしても振り返ると悲しいような玉ノ海関、ギターを弾きフォークを歌う一面もあったナイスガイだったそうです。27歳で、ライバルの北の富士さんの3分の1にも満たない年数の生涯だったのです。平成から令和まで生き通せた人もいるのにと思うと切ないです。

 

時代を切り開き伝統を破り、目立って場を和ませる人

 今年の日本プロ野球(NPB)のタイトル、ベストナインやゴールデングラブの表彰式で、東北楽天ゴールデンイーグルスの辰巳涼介外野手が話題になりました。顔に金粉で全身金ピカを始め、ちょんまげの侍姿など計4種類のコスプレで関係者やファンの度肝を抜きました。

 元々、野球センスが良く俊足で守備は上手い選手で、ゴールデングラブは4年連続獲得でしたが、今年は最多安打や最多捕殺のタイトルも取り、プレミア12の代表の3番でも活躍しました。阪神の近本選手の高校の後輩あたる兵庫県社高校出身ドラフトでは近本上位ながら、関西での知名度は劣っていましたが、成績も上げながらこのパフォーマンスで一気に注目も浴びました。

 コスプレで目立つのは賛否もあり、当然伝統的な考えの関係者には顰蹙をかい、厳粛な式におふざけなスタイル批判的な発言もありました。しかし、試合ではない表彰式であり、黒っぽいスーツでないといけない規定もありません。
 試合前のパフォーマンスで、もっとふざけた企画もたくさんありました。とくにパリーグは実力もさることながら、やはり人気で劣っていたため、新聞の1面をとるのに、いろいろアイデアを出してパフォーマンスをしていた時期もあります。

 このド派手さに思い出すのは、Jリーグの第1回目のアウォーズのカズ、三浦知良選手の赤タキシードで、爆発からの登場です。こちらも、サッカーに対抗し、注目を得るため、得点後のカズダンスのパフォーマンスや、移動時のファッションなども、当時のプロ野球にないカッコよさをアピールしました。メジャー帰りの新庄監督も、現役時代含め、こういうド派手な登場やパフォーマンスで人気です。
 批判をする人は、何か今までからずっと、黒いスーツで表彰式が行われたか調べてもいないでしょう。新参者が派手にやると潰したいという保守主義のやっかみです。

 私も会社時代も、許される時代になると、ど派手な色のシャツで営業をし、営業部門の表彰式はピンクの麻のスーツで行きました。化粧品メーカーの表彰式に黒ばかりのスーツなどあり得ないと思いましたが、やはり反感もかいました。

 今も昔も、新しいことを進め、伝統を破ろうとすると、
【法律や規定があってできないときもある。しかし、法律や規定があっても、現実には守られていない場合がある】
【法律や規定はないのに、暗黙の伝統のようなオキテがあり、保守主義の人が邪魔する】
【根回しが足りないと、何らのペナルティを無理やり適用され、潰される】
 こんな工程があって、日本ではなかなか改革が進まず、GAFSのようなIT企業もうまれなければ、メジャーの野球や欧州のサッカーリーグよりも低い報酬で国内リーグが膠着し、労働者は今や低賃金のまま劣悪な仕事をしているのです。

 近年は結婚式でもずいぶんカジュアル、奇抜な衣装でも楽しまれています。告別式でも、決して黒という決まりは特になく、戦前はむしろ白い衣装も多かったようです。

 古典芸能のように、衣装や道具がしっかり決まっているものは、それを作り護る仕事も含めて伝統として保護されているので例外でしょう。個人が不利益になるとか不快にならないのならOKのものまで、規制してしまい勝ちなのが、日本の社会です。それ以外は逆に、決められていないことであり、暗黙のルールが負担になり、発展、伸長、拡散の妨げになっては社会が委縮してしまいます。

 もっと、伝統と自由をしっかり分けて、変えるべき改革を早く進めないと国は衰えます。

大谷効果か代表クラスの選手はどんどん強くなっている

 少子高齢化の中ですが、日本のアスリートの活躍、日本の代表チームや選手の国際的な活躍が相対的には目立ってきているように思います。
 かつては、アメリカの大リーグと日本の野球など、情報が届くのも正確に伝わるのも今とは雲泥の差でしたが、とんでもない差がありました。
 1949年にマイナーリーグ3Aのサンフランシスコシールズというチームが来日し、日本のプロ野球やアマの最強チームと試合しましたが、全くレベルの違う内容で大差がつき全勝して帰りました。多くのファンは初めてアメリカのプロ野球チームを見ましたが、まだテレビも普及しない時代で、それが大リーグ(メジャー)のチームだと信じていたそうです。実態はメジャーにまだ行けないマイナーリーグの選手たちが、体格でも圧倒し、日本人の精鋭をきりきり舞いにしていたのです。
 野茂が成功し、イチロー、松井と次々にスターが渡米して活躍を始めて、今や大谷翔平がMVPを取り、体格も技術も劣らなくなりました。メジャーの最強のチームなら、日本人だけではまだ対抗できないでしょうが、3Aクラスならば、もう日本のチームでも十分上を行けるぐらいに、強くなりました。何より、大谷などは、体格、体力でさえ、アメリカ人などに負けないのです。

 戦後、まだ食糧も乏しく、カロリーの高い栄養のある食事もできなかった時代の体格から、大谷などは、もうあの体格になることを狙った食事、節制と練習をして育ってきました。

 サッカーや他の競技、陸上や水泳、フィギュアスケートなどでも、人気があり、お金も集まるスポーツもそうですし、これからのウインタースポーツや、新機軸の競技も日本人のレベルは上がっています。

 サッカーや陸上なども、昔から日本人が取り組んでも世界レベルには遠く、長い低迷期と小康状態の時期がありましたが、最近はナショナルレベルではアジアの域を超え先進の欧米や他の国に追いつき追い越す勢いです。体幹の向上と日本人らしい技術や戦略性の高さを併せ持って活かしているようです。
 長年、情報の伝わりが遅い日本では、海外の情報もデタラメが多く、日本一が世界に大きく劣ることがあまり報道されず、日本の発展を阻害していた時代がありました。
 テレビが、戦後まもなくのシールズ来日時代ばなかったものが、その後からはやっと普及しましたが、ネットがない時代はまだまだ海外に通用するような日本人は少なかったのです。
 今は、海外の情報が早く、正確に伝わり、国内のハッタリが通じないのです。
 今の情報化時代、リアルで欧米での選手の活躍が見られるのも含めて隔世の感はあります。
 もちろん、背景にはスポーツビジネスの大きなお金も動いているのでしょう。いろいろキレイではない面もあるのでしょう。
 しかし、それでもスポーツは1億ぐらいいる日本人の得意な分野であり、今後もそうあって欲しいです。

メジャーと日本シリーズで見えたテレビ局のおきて破り

 日本シリーズが昨日決着して、日米とも野球シーズンが終了しました。DeNAが3位からの日本一というのはまた物議を醸しそうですがこれは前にも少し書きました。
 このシリーズ中、フジテレビが朝のワールドシリーズの録画を夜の他局の日本シリーズにぶつけるといおきて破りをして、NPBから日本シリーズの取材出禁にされるという話題がありました。同局は大谷のプライベートがらみで大谷にも取材拒否にあっています。
 メジャーと大谷は視聴率がとれるから、何をしてもいいという考えもあるでしょうが、テレビ局には原則かぶりをしない、リスペクトをするという暗黙のルールがあります。

 オリンピックやサッカーのワールドカップの代表戦でさえ、日本シリーズとはかぶせない配慮をすることも多く、まして同じ野球で調整のつく録画の再放送をあえて同時間帯にするのはやはり、良くないとはいます。ましてフジサンケイグループは同じNPBセ・リーグ、ヤクルトスワローズのスポンサーです。逆の立場で同じことをされたらイヤでしょうし、読売だって自分とこが敗退したとしても長年野球を支えてきているだけにこんなことはしないし、抗議するでしょう。

 野球界にとって日本シリーズは最高峰のリスペクトすべき存在であり、あのカリスマ的人気者の新庄監督も日ハムに監督に就任して自分の発言に話題が集中する時期でさえ、日本シリーズ開催中はあえて取材をことわり、発言を抑えていたと言います。それだけ、リスペクトすべき球界の最高峰の試合だし、そこをないがしろにすると球界の土台が崩れるからです。

 野球界は確かに古い体質のある業界ですが、こういう慣習は大切にすべきです。人気が出れば良いということではないのです。今のマスコミにしろ、他の業界にしろ、人気だけでその場が売れれば良いという考えが罷り通る風潮です、しかし最高峰の権威を無くしてしまうと歪なものになり、やがて業界全体が衰退し、ダメになってしまうのです。

朝ワールドシリーズ、夜は日本シリーズ,その野球格差 – 天使の星座

朝ワールドシリーズ、夜は日本シリーズ,その野球格差

 時間のある方、野球に興味のある方は。朝ワールドシリーズを見て、夜に日本シリーズを見るというのがこの1週間ほどではないでしょうか。

 大谷という不世出のスターがいて、やはりパワフルでスピードもあるメジャーを見ると、日本のチームは応援したいものの、日本シリーズはチマチマと見劣りする印象もぬぐえません。メジャーの録画は見ても日本のは見ないと言う人も多いです。

 かつては、巨人中心のプロ野球が毎晩地上波で高視聴率で中継されていたのに、いまは日本一を決める試合こそ中継はされますが、スポーツの人気も分散、娯楽も多様化しており。注目度は低いのです。

 前にも書きましたが、コンテンツとして時間が長いのと、ルールやレギュレーションが難解で、シリーズでも字幕で選手はもちろんルールの解説が入ります。ルールが分からないマイナースポーツのような扱いです。

 しかしメジャー渡航比べられると。日本の野球時間がかかり、スピード感そのものもないのは致命的です。

 投手の投げるまでの時間を決めたピッチクロック制、延長決着を早めるタイブレイク制など、細かいルールの違いは置くとして、今回はこれもわかりにくい、リーグ優勝の決め方とシリーズの出場の決め方を書きます。

 今戦っている横浜DeNAベイスターズはセリーグ優勝チームじゃなく3位なのです。セリーグ優勝は読売ジャイアンツなのですが。3位のチームがクライマックスシリーズの勝ち、セリーグ代表はベイスターズなのです。

 メジャーは地区優勝シリーズ、リーグ優勝シリーズを経て、ア・リーグとナ・リーグ優勝チーム同士がワールドシリーズを戦います。

 日本シリーズは盛り上がらないのは、それだけではないですが、日米のプレイオフにはそれだけでも差があります。

 3位のチームが進出して日本一になれば、そのリーグには日本一とリーグ優勝チームがいることになります。ごまかしの「下克上」なる言葉で矛盾を誤魔化し盛り上げようとしていますが、結局興行の看板優先でおかしなことになったままです。わかりにくいの一言に尽きます。その原因は古臭い伝統のため変わらない体質です。

 結局、日本の野球、とくに一番伝統と人気のあるプロ野球が大きな改革が遅れ、小手先で遅れて、アマ野球や女子など全て導入しているタイブレイクも今だ導入できないでいます。だらだらと延長をやった末に引き分けという不透明であいまいな上、リーグ戦順位を勝率で決めるのに困った試合結果を繰り返しています。最低でも、勝ち点制にしないと、電卓がないとシンプルに追いかけられない順位などありません。引き分けがなく、相手を上回らないと勝てないと戦術もアグレッシブになり盛り上がります。

 投手交代や牽制の制限、ピッチクロック制と同じくメジャーはシンプルにスピーディに楽しめる結果を出しています。メジャーの人気は日本人がきっかけでもそれだけではない面白さ、派手さがあるのです。

 日本シリーズに出場を決める、クライマックスシリーズで言えば単純に「優勝決定シリーズ」にすればいいのです。なくせばいいという意見もあるでしょうが、興行として成り立ち、消化試合も減り注目度が上がる現状で言えば、優勝チームといくらゲーム差が離れていようと、プレイオフはあれば良いともいます。143試合ほど戦ったペナントレースで1位でも優勝じゃないというのはおかしい!というファンもいますが、1位は1位で、あとにトーナメントがあればそこへ優位に進出できる権利があり、そこを通り抜けたら「優勝」そして、優勝チーム同士で日本シリーズ、こんなシンプルで当たり前のことができないほど、日本のプロ野球の体質は古いのです。
 何度か指摘もされ、議論もありましたが、プロ野球のトップリーグは他のスポーツよりもまだまだ人気があるのに、チーム数が少なすぎるのです。参入障壁があり、四国や北陸など全くチームのないところもあります。チーム数が増えれば、リーグ優勝を地区での予備決勝を起きない、決定シリーズが組めます。
 人気球団に頼り、制度が変わらなかった問題がここにありました。チーム数が増えれば、いろいろ片八百長や忖度試合も減り。レギュレーションに問題があっても最後の短期決戦で強いチームが勝ったと納得度は上がるはずです。

 その当たり前のために、チーム数を増やすとか、ペナントレースや交流戦の在り方も変えれば良いのです。試合全体とポストシーズンの数が変わらなければ、スポンサーも人気さえ出れば文句ないはずです。

プロ野球 お金をかけて優勝すれば何でもいいのか

 今年は日本のプロ野球、セパ両リーグとも人気球団ではあるものの、金満球団としてアンチも多い、巨人とソフトバンクが優勝しました。日本シリーズ出場を決めるクライマックスシリーズはDeNAが巨人に勝ち、短期決戦のシリーズはどうなるかはわかりませんが、7いずれにせよ巨大戦力の球団が優勝し、上位なのは間違いないです。

 とくにソフトバンクは豊富な戦力を有しながらここ3年優勝を逃し、さらにこれでもかと補強を重ねて、ダントツの優勝を決めました。主力が少々ケガや不調でも、替わりがいくらでもるメンバーはさすがに最強クラスです。

 しかし、その戦力の集め方はどうも納得がいかないです。お金をかけすぎなのと、問題のあった選手を謹慎させることもなく起用してMVPというのもちょっとしらける問題でした。

 戦力を大金で集めることには経営として成り立つなら良いという意見もあり、賛否は分かれるところですが、少なくとも犯罪で名前が上がり処分されたFA選手を獲得して、勝つためといえそのままレギュラーで使うのは違うのではと思います。

 勝てばいいというのが、プロだという意見もあるでしょうが、人気のあるプロスポーツで子供たちも世間も関心の高いアスリートだからこそ、しっかりと禊ぎがない選手を優秀だから、勝つためだからと使ってはいけないのです。

 

 最近はアスリートを狙ったマスコミ、パパラッチまがいの素人も増え、私生活でも気が抜けない難しさはあるにせよ、顔の売れた有名選手が、子供や若者に与える影響は大きいです。
 不同意性交という、告訴は取り下げられても、本来刑事事件で永久追放でもおかしくない犯罪です。この経緯を知った若者が、少々犯罪を犯しても、スポーツで頑張ればいい、金儲けして示談で納めればいいとなれば、社会の秩序は成り立ちません。

 厳しいようですが、球界や該当球団の処分が甘すぎます。選手の更生、被害者を慮り世間体のためにも、出場は2試合に1試合にして、ボランティア活動をするなどを何年か続けるぐらいでいいのではとさえ思います。

 昔の話で恐縮ですが昭和の時代、誰もが知る、国民的ヒーローが「プロスポーツは迫力がお客さんを引き付ける。普通の人が真似できないことをする。良い試合をして、良い勝負をすれば人気は出る。しかしそれだけでは十分と言えないんだ。私生活に汚いところがあったら人はどう見る?いやだなと思って逃げていく。だから、どんな場でも正しく生きていかないといけないんだ」

 もちろん、今も昔も、ギャンブルや借金、女遊びや酒乱、八百長など、さまざまな問題を起こした人はいます。日米とも野球賭博や八百長は表に出れば永久追放の処分が下された例もあります。
 豪快な遊びをする者もいても、競技で挽回するというのは禊ぎではありません。所属するチームや協会が管理すべき選手に甘々ではいけないのです。これは世論が許すとかではなく、社会のためにも厳しいものでないといけないのです。そうでないと、かつて永久追放された方の無念が不公平、無念のままに終わります。

 

野球タイブレイクでの決着

 夏の甲子園大会で、京都代表として京都国際高校が初優勝しました。決勝は旅先でたまたま延長の得点場面だけ、チラ見観戦しました。

 面白い大会で、決勝も拮抗したいい試合と概ね評価されています。かつては炎天下で延長十何回とか投げ合うのが当たり前だったのが、5年前からタイブレイク制が実施され、昨年からは延長即タイブレイクということで、今年は初めて決勝戦がタイブレイクでの決着となりました。
 中には「高校野球文化が破壊されている!」などと言う人もいますが、世界的風潮も今はタイブレイク主流で、当たり前の時代です。
 今回の決勝を見ていると、決勝だからなおさら緊迫度が高く、興味深い制度であり、ドキドキハラハラです。

 世界的風潮と書きましたが、もう世界でもタイブレイク制にしていないのは日本のプロ野球NPBだけになりつつあります。時間切れ引き分けによってWヘッダーで優勝を逃がした近鉄の1988年、10.18の悲劇などもありました。
 日本のプロ野球は無制限時代から、Wヘッダーの1試合目は9回とか、それ以外は長く終電対策で時間制を敷き、やがて時間制と併用で延長12回、今も延長12回引き分けです。私は今回の甲子園決勝も見て、プロもだらだら引き分け試合をせず、タイブレイクで引き分けなしの制度に切り替えればと思います。
 日本のプロ野球はとにかく長いので、コンテンツとしても飽きられます。途中で飲み食いして、売店や売り子が儲かる説もありますが。ナイターの多くは帰宅困難のため最後まで見れません。3時間半超えがザラだと、もう球場でもテレビの前でも限界は来ます。
 ピッチクロック制の導入とともに、タイブレイクルールも導入し、投手交代や牽制の球数あども制限でいいいでしょう、

 今まで延長12回の表の攻撃が終わると、後攻のホームは負けがなくなり、先攻は勝ちがなくなり、ダラダラした印象でした。タイブレイクだといきなり緊迫の場面で、ホームではサヨナラ勝ちの確率が上がり、10回の攻防から白熱します。

違和感が増殖したオリンピック

 東京五輪はコロナの影響で、実施そのものがいろいろ言われ、1年遅れで開催Sれ、それなりの盛り上がりと、その後、誘致に裏金や汚職が表に出て、お金も余分にかかり物議をかもしました。
 商業主義の五輪というのは最近始まったことでも無く、囁かれてからもう30年近く経過しています。それでも東京の2回目、今回のパリと何とも違和感のする大会になってきています、
 バレーボールや柔道など、ルールやレギュレーションが変わり、スポーツのかなりの部分がショーアップされ過ぎたからでしょうか。
 地味だった、卓球やフェンシング、馬術、柔道などもかなり派手な盛り上がりです。そのこと自体は悪いとはいえないはずです。新しい世代のスポーツが採用、普及されてきています。
 競技数も増えて、メダルの価値もありがたみも相対的に下がっています。1990年代など、柔道で3つぐらい取るのがやっとの時代が長くありました。陸上などで金メダルをとったらすわ国民栄誉賞かとなった時代です。
 いろいろなスポーツへの若者の選択が増え、各スポーツの誘いも上手く取り組み、かつて運動といえば野球、陸上、サッカーぐらいまでだったのが、昔は聞いたことのない競技まで裾野が広がっています。
 ただ、そこらに金儲けというのか、ビジネス的な匂いがするのが、私の違和感なのかとも思います。

 大規模なコンベンションホールでの見本市のような感じなのです。日頃の練習で鍛えたアスリートの感動の物語とは言え、そこには用具やユニフォームを支援する企業や、直接スポンサーになっている企業、そこからお金が流れる競技団体、その元締め団体、政治家まで切り離すことはできません。
 完全にプロではないにしろ、メダルには高額の賞金と、その後のテレビ出演などが約束されます。その発言や行動はやはりお金の流れ、すなわち大人の論理にコントロールされがちです。

 アスリートのセカンドキャリアというのも、悪いことではないのです。
 かつて金メダルをとってもアマレス選手はメダルを持ち歩いて営業していた時代もあります。テレビ出演で、芸人MCにいじられても、高額ギャラが貰えるならいいでしょう。女性アスリートで美形な方はファッション雑誌などにもモデルとして出ていますし、今回キャスターには元卓球の美人選手が見事に勤め上げて、人気だったようです。
 だからこその小さな違和感なのです。

 サッカーにW杯でも、この頃のオリンピックでもそうですが、毎回放映権の高騰が騒がれ、その交渉も毎回話題になります。電通などの代理店、NHKや民放連が交渉し、なぜか日本だけが高い放映権料を押し付けられています。その是非はまあ置いといても、IOCにとって、(W杯サッカーだとFIFAにとって)日本がオイシイ商売相手、ぼったくれる相手になっていてそれがエスカレートしているのも毎回の金額の高騰で分かります。負担は結局、電通経由、スポンサー企業の商品価格から国民なのですから、テレビ局はスポンサーともどもオリンピック盛り上げに必死です。コロナ禍の東京五輪を何が何でもやりぬいたスタンスもここからです。
 そう、やはり一番の違和感は日本が多く出場し、メダルを多く取っていることですね。別に不正だとか八百長とかではなく、レギュレーションの問題とか、試合開始時間、会場、小さな忖度です。
 これは日本だけが有利というのではなく、審判も含めてもちろん地元が一番有利ですし、高いお金で放映権を買う欧米、あるいは人口も増えたインドやブラジルなども優遇されてきているそうです。
 地元や日本にしろ相手がありそれぞれ真剣で必死ですから、人気競技でも負けることも多いのでエビデンスは難しい個人の感想、違和感です。スキーや球技は欧米の都合で日本の不利に改正されていると反証もあるでしょうが、日本に都合の良い忖度はあまり日本では問題になりません。
 柔道の団体競技、男女混合団体などは伝統も何もないショー的なもので、本来の武道とかけ離れてきています。
 同じくショーアップされたフェンシングと対比され、日本の中で孤塁ともいうべき伝統を守っている剣道、あるいは合気道とかの方が、立派だとつぶやかれています。
 これまで書いた小さな違和感、忖度が、スポーツを薄っぺらいものにしている気はします。

法律や取り決めで縛りたがる人びと

 個人的にはあんまりオリンピックに興味は深くなく、とくに普段見ないスポーツをにわかに「NIPPON」と叫んで応援しだすのだけは恥ずかしいと思ってる非国民です。
 今回、女子体操の日本代表でチームの主将でもあった選手が19歳での飲酒喫煙の発覚で、出場辞退となりました。
 体操チームや他競技含め日本チーム全体にも衝撃を与えたニュースでした。
 4年に一度のひのき舞台を前に過酷な練習を積んできたであろう本人の無念さ、同僚や応援してきた人に迷惑をかけたと思う責任からの苦渋を想像するだけで、本人が心配で可哀そうにも思います。
 ネット投稿などでは多少の擁護はあっても、概ね批判の投稿が多いようです。いかにも正義のように、潔癖に、国の代表が違反はいけないと宣う人もいます。
 通報した人がいるから、事実が明るみに出たわけで、酔って騒いだとか他人に迷惑をかけたわけでもありません。
 いかにもチクられて足を引っ張られたようにも見えます。
 女子の体操というイメージからも、今後の彼女の復帰も難しいかもしれませんし、19歳とは言え4年後はこの種の競技年齢としては厳しい年代にも差し掛かります。一人の人間が青春をかけたものがエセ正義漢に奪われた、少なくとも失われたわけです。
 正直。たかが飲酒や喫煙、それも常習ではないとしたら、そこまで社会的制裁が必要かと思います。
 お酒は20歳からと言われますが。私も高校生ぐらいから、父にビールぐらいは勧められ口にしていました。
 喫煙割合は減っているとしても、20歳未満で、お酒もたばこも口にしていない人がどのくらいの割合なのでしょうか。
 法律違反でいうと。高速道路や広い国道で制限速度を10キロオーバーぐらいを経験していないドライバーの割合の方が少ないでしょう。
「そういうと広い道の制限速度が低すぎる!』と運転がうまいから大丈夫だと反論する人がいますが、それは法治国家への反逆です。それなら「飲酒の20歳も高すぎる」から守らなくても迷惑かけなきゃ大丈夫になります。だから、その程度です何年か経って、メダリストとしてバラエティ番組で、20歳前に酒飲んでましたカミングアップしても笑いを取る程度、そのぐらいのものです。
 こんなことが大きく報道され、個人の努力が全否定される偏った世の中がなんともです。