日本はアメリカの30分の1のままでいいのか

 今年も、日本のプロ野球から三冠王経験の村上選手や、巨人の主砲岡本選手、パ・リーグを代表する好投手今井選手らがメジャーリーグに行きます。

 毎度驚き不思議なのがその年俸の高さです。大谷選手の数十億も別格ですが、日本のトップクラスで1億や2億の年俸だった選手が20億や30億の契約です。

 日本のプロ野球ってWBCでアメリカに勝って世界一、今度も勝つと騒いでいるのでは?もちろんメジャーに行った選手も含めての代表でしょうが、この待遇格差は何で?これじゃ、誰も日本のプロ野球にずっといたいと思うスポーツ選手はよほどの飛行機嫌いしかいなくなりそうじゃないですか。

 なぜこんなにアメリカと日本の野球選手の年俸に格差があるのか。日本プロ野球界は格差を埋める努力をしているのか。

 格差の原因は調べるといろいろ書いてあり、訳知り顔で解説されてるのですが、どうもしっくりきません。

 アメリカは国土が広く人口も多く、経済もデカい?

 でも、人口ってせいぜい3倍、メジャーのチーム数30チーム、日本の2倍強。面積が広いといっても移動に飛行機使うだけで球団のコストがかかるだけです。

 アメリカは本場だから凄く野球人気があるかと言っても人気はアメフト、バスケ、アイスホッケーに分散されてるし、時折見かけるスタンドってドジャースホーム以外はガラガラもよく見かけます。

 調べてみると、一昨年の世界のプロスポーツ最多動員はドジャースですが、2位に阪神タイガースが入り、5位が読売ジャイアンツです。最近はパリーグ含み消化試合も動員が多くどこも盛況です。

 確かに外資系の業績反映の給与体系の企業は日本企業より従業員の所得は多くヘッドハンティングもされ、優秀な学生やキャリアも集まります。しかし、業界としてそれほど個別企業の業績に差がないのにこの年俸の差には呆れ、手をこまねいて放置する方にも情けなくなります。

 何でこんな差が生まれるか、最終的にもこれだけというのはないのですが、大きな一因として、テレビの放映権やグッズの売上のロイヤリティなどをメジャーが一括管理して分配しているからだと書かれてます。

 ケーブルテレビでサブスクの下地があったアメリカだからと言われますが、それが主因ならもうちょっと頑張ったら日本もだいぶ落ち着くんじゃないかと思うのですが、情けないけれどやる気がないようです。

 地元テレビ局との関係にこだわる球団が一括に反対しているのもあるようですが、そういう人たちはこのままの日米格差で良いのでしゃうか。

 参加選手や代表資格で何かと物議を醸すWBCですが、これも120億だとか放映権料をぼったくられます。全てメジャーリーグの収入でメジャーリーグの宣伝をして、日本プロ野球には分配はありません。日本企業は協賛してチケットを広告の景品にする程度、どちらにせよバカ高いチケットと放映権料は最終的に日本人の負担でなりたちます。

 通常シーズンのメジャーリーグの放映権もオオタニさまさまで、どんどん跳ね上がってます。150億とも200億とも言われます。NHKの受信料収入が5900億ですから、割引してもらっても、かなりの比率です。

 日本ではサブスクの意識が高齢者を中心に低く、NHKの受信料を納税義務のように支払い、ただで放送を見るのが当たり前と思っています。

 WBCもメジャーリーグや、サッカーワールドカップも配信会社が独占と言うと大騒ぎで反対し、NHKが放送してくれるとホっとする人がいますが、野球やサッカーが好きでない人もいます。スクランブルをかけ有料契約にしても良いはずです。

 野球の実質の世界選手権とはとても言い難い参加選手の編成で、世界一のタイトルさえ取ればいいと騒ぐエキジビション大会に大金などかけることは要らないです。

 ナショナリズムをかき立てられますが、アメリカが本気になったら勝てないのも内心わかっている心理がまた不思議です。メンバーが揃わないとか連係プレーの練習もままならないぐらいの選抜チームだから勝てるという考えは、本当のフェアな意味での強さとか世界一なのか、良く分かりません。

 メンバーさえ本気で揃えれば、勝てるなんて囁かれる大会が面白いのかと言うと疑問です。

 メジャーリーグは商売上手で、放送権料や看板広告も日本からぼったくって儲けてる訳で、それが国益も国力も削いでいるのです。

 別に毎日メジャーリーグ見たい人は個別に契約してもらってけっこうです。ニュースや災害情報だけは無料、ドラマだけ、歌合戦だけならそれぞれ契約でいいと思うのです。

 少なくとも、この30倍という年俸の差を日本人は屈辱だと思い、思考停止から脱却して、差を縮める努力はしないと、軍事でも経済でもアメリカになめられっぱなしです。

 

 

 

下剋上ありの優勝戦だから面白い

  年末というと昭和の昔はレコード大賞、歌謡大賞とかの1年の歌謡曲のトップを決める番組が人気でした。

 音楽の多様化が原因なのか、そもそも楽曲に優劣をつけるのがおかしいのか、ヤラセなのが飽きられたのか、人気は無くなりました。年末の歌番組としては総括した歌謡祭的なものや、紅白歌合戦が何とか残っています。

 お笑い、漫才の頂点を決めるというM-1グランプリも波はありましたが、今年の年末も盛り上がっていて、なかなか面白かったです。若手人気漫才師たちが賞金1000万円と名誉を目指し、本気で勝負しているのが伝わります。

 たかがお笑い、漫才であり、それこそある程度の忖度や筋書きはあるとは思われます。しかし、スポーツでもなく、競技でもない芸能の1ジャンルが、なぜか人を引きつけます。ガチンコの真剣勝負が展開され、実際になかなか計算され練習したお笑いとしての面白さとともに、勝負としての面白さもあります。

 一度決勝までに破れた漫才師が敗者復活で勝ち残った下剋上の年もありますし、今回もファーストステージで断トツで最終3組に残ったのに、最終決戦では一票も取れずに優勝を逃す予測できない面白い展開でした。

 このレギュレーションが絶妙なのかもしれません。今人気者のサンドイッチマンも敗者復活で勝ち上がったパターンで吉本でもないどちらかというと弱小事務所所属ですから、出来レースではないガチンコな勝負でした。

 レコード大賞は衰退しましたが、プロスポーツ、他の芸術の映画だとか、文学、音楽、絵画などでも優勝や年度の賞が決められます。

 それぞれに評価のしかたや、決勝、優勝や1位の決め方、審査や発表も違います。スポーツ番組のようなイベントになるものとそうでないものがあります。やはり、ヤラセや忖度で決まったドラマ的なものよりも、実力者が真剣にぶつかりあい雌雄を決する真剣味に人気が集まり、その賞やチャンピオンシップに権威が保たれいると思います。

 プロレスや総合格闘技も大相撲も栄枯盛衰があり、一時は国民的人気があったり、大晦日に特番もやる人気コンテンツでしたが、やはり筋書きやレギュレーションにヤラセが見えてしまい人気が落ちました。

 そういう面では、野球なんかも今のオオタニ人気にあぐらをかいてるとダメです、クライマックスシリーズなんかの解かりにくいレギュレーションでは衰退の恐れがあります。

 クライマックスシリーズも日本シリーズも下剋上ありのその時点での最強がガチンコでやるところを見せないと、やがてスターがいなくなりレコード大賞のように凋落すると思われます。

 昭和の歌謡曲もプロレスも好きだったのですがね。

 

 

マラソン大迫がハンパない

 マラソンの大迫傑(34)選手が、この12月7日バレンシアマラソン日本記録を2時間4分55秒でまた更新したニュースには驚かされました。34歳でキャリアハイたけでも脱帽ですが、2時間5分をしれっと切るタイムには恐れ入ります。

 1964年の東京五輪や次のメキシコ五輪など、国民的注目のスポーツだったマラソンで、円谷幸吉や君原健二は誰もが応援していました。

 その後も瀬古利彦や宗兄弟が期待された時期もありますが、多様なスポーツが発展する中、マラソンは少しマイナーな地位に甘んじていました。私が勤めていた会社も駅伝やマラソンの活躍する選手がいる陸上部がありましたが、日本記録を出しても地味な扱いでした。

 令和になろうかという時、日本の男子マラソン復活に1億の賞金を協会が用意して、その条件の日本記録を更新し、2度もゲットしたハンターのような選手が大迫傑です。

 その大迫も東京五輪ではメダルを取れず2021年に引退し、解説者になっていました。

 ところが、翌年には現役復帰を表明し、所属などの環境を変えて、なんと3度目の記録を更新したのです。

 2時間10分を切れば好記録だった時代からは、ウエアやシューズももちろん、育ち方、鍛え方やトレーニング方法も変わってきているのでしょう。

 しかし、トップアスリートが引退する30代半ばで、復帰してのこの記録、人間はまだまだ早く走れるものかと感心しました。

アスリートを応援するファンなども、トップアスリートが少し衰え、期待に応えられなくなると、応援をやめてしまいがちです。チームスポーツなどでは、特に年俸の高いベテランが足を引っ張ると戦犯でリストラ候補です。

 期待と推しの反動で挑戦をあきらめる「もうトシ」という空気ができてしまいがちです。

 推しでもないので、大迫傑選手の詳しいことは知らないのですが、人間の筋肉や脳は強化され、経験を積むと進化し続けることを証明してくれたとは思います。

 

 

Jリーグも観客動員最高更新して終了

 1993年華々しくスタートしたJリーグ、バブルが弾け低迷期、コロナからも回復してJ1過去最高の800万人の観客動員で2025年シーズンが終わりました。

 NPB.日本のプロ野球も一足先に、ポストシーズンの日本シリーズも含めて終了し、こちらもセパとも過去最高の観客動員だったようです。

 チケット代金や飲食も値上がりしている中、グッズもよく売れてビジネスとしても成功しています。Jリーグの理念、地域の活性としても成功しています。パ・リーグなども昭和の時代はガラガラでやっていました。セ・リーグでさえ、巨人以外の球団は巨人戦と優勝でもかからないと、満員になることもなく、余裕で当日チケットを買えました。

 パ・リーグの最下位のチームや優勝の可能性の無くなったサッカーの、いわゆる消化試合のチケットが取りにくく、何万人ものファンが集まりユニフォームに身を包んで応援するなど、昭和、バブル期でも考えられないことでした。

 景気が悪い、物価が高いと言いながら、スポーツ観戦、推しの趣味にはお金を使う心理なのです。

 一つにはマーケティング手法、消費者心理まで研究した経営戦略が身を結んでいるのでしょう。

 景気が悪く、ストレスが多く、自分の身の回りがままならないほど、スポーツや娯楽で発散する行動なのでしょう。

 ロサンゼルスまで行っての大谷さんの応援ツアーが売れるのも、何ともうらやましいようなビジネスです。

 なけなしの大金はたいて生活の困窮してたら、合法的ですが、お金の減り方は悪質な詐欺商法と変わらないくらいです。

 オリンピック含めて、スポーツに熱くなりすぎない人は、その分は少なくともお金と時間が貯まる気がします。

記録なのか記憶なのか

 日本プロ野球界に長嶋賞創設と報道されました。長嶋茂雄さんの名前が打者版の沢村栄治(戦前の名投手)賞のような強打者に与えられる賞に設定されるようです。

 記録だけで言うと、三冠王を取り、タイトルを何度も取ってホームランの世界記録を塗り替えた王貞治の方が実績があります。

 しかし、ONと言われ王と長嶋が並んで戦後のプロ野球人気を引っ張った中で、人気は長嶋が上だったのでしょう。

 背番号3は私らの少し上の世代には神様、圧倒的な人気でした。

 ひたむきでかつ華麗なプレイの長嶋は人々の記憶に記録以上に残ったと言われています。

 記録も記憶も実は似たような言葉です。

 野球は個人記録が多く作られるスポーツです。盗塁や犠打など比較的地味なものや、連続の安打や奪三振、出場などもカウントされています。打率や出塁率、防御率、勝利やセーブの権利など計算したり、公式記録を待たないと分かりにくいものも多くあります。

 最近はメジャー流のサイバーメトリックとか、表彰はなくてもさらに実績や貢献度が細かく評価される数値が出ています。

 私たちが仕事をする上での個人の人事評価、企業の業績の評価も、時代とともにだんだん複雑、多面的になってきています。

 昔は売上目標だけだったのが、利益、キャッシュフローなど財務指標も複雑になり、目の前の〆切りや決算だけでなく長期的に見る貢献、サステナビリティの評価も入ってきました。

 プロ野球で記録のための小手先の争い、忖度や率を守るため試合に出ないなどというのは、決算のための粉飾を想起させます。

 プロスポーツや芸術、芸能は特に魅せることでお金を取っているのです。確かにホームラン王などのタイトルを取ると箔がつき、見に行きたいと思います。文学賞を取ったとか、音楽の賞も、それならいいものかと思います。

 しかし、少しその分野を眺めると、必ずしも賞を取ったから優れているとは限らないのです。

 プロ野球などのMVPや新人王もそうですし、多くの世間のタイトルや賞も、大人の世界、お金が動く政治的な裏のあるような決まり方があるのは、よく知られているでしょう。

 単に年度だけ取っても、豊作というか競合が多い年度と、そんな厳しい年なら獲得が難しいレベルの人が楽に受賞できる場合もあります。ホームラン王はや新人王は逃したけど、別の年なら楽に取れる記録だったという場合です。

 記録より記憶というのはそういう面でのフォロー的な言葉かもしれません。

 昔は権威があったけれど、今はそうでもないものに、歌謡界のレコード大賞や紅白歌合戦出場というものがあります。昔は年末大晦日の国民的行事でしたが、特にレコード大賞の権威失墜は顕著です。

 社会や音楽の変化もありますが、元々歌謡曲に一等賞を決めるとか、勝敗を決めるのがおかしいということにも、気付かれ始めたのでしょう。過去の大賞曲には名曲もありますが、時代を代表し、今もよく聞かれ、歌い継がれる曲が受賞していない場合も多いです。

 それを思うと、いろんな部門で今だに騒がれる◯◯賞なんて大した権威でもないのです。映画や音楽、絵画、文学など全てに今だにありがたがられる賞があり、それを目指す人々や支える層は厳然とあります。

 ノーベル文学賞なども、毎年日本の誰々が候補と騒がれますが、何が基準でどう選ばれるか、さっぱりわかりません。選ばれたら、日本人として嬉しいという気持ちは理解できても、文学としてそれが多額の賞金を貰って権威となるのは、貰えない人にとっては不思議を超えた理不尽なものです。

 賞や記録が全てではないのは、その世界でやっている人が実は一番よく知ってるはずです。記録でも記憶でもない何かが大切なのです。

プロ野球、CSは要らない?

 昨日パ・リーグのクライマックスシリーズ最終戦でソフトバンクが日本ハムを下し、阪神と日本シリーズで対戦が決まりました。一足先に阪神はクライマックスシリーズでDeNAに全勝して進出を決めています。

 リーグ優勝チームがともに日本一を決めるシリーズ出場でホッとしている方も多い半面、昨年のような下剋上がなく物足りなく、寂しいという人もいるでしょう。

 関西の阪神ファンは、あれだけのゲーム差をつけて優勝しているので、クライマックスシリーズは要らないとか、もっとアドバンテージをつけたらと思っていたでしょう。そんな阪神ファンにも昨年は、独走優勝した巨人をDeNAが倒しザマミロと感じ、日本シリーズも優勝した時は快哉した人もいるでしょう。

 昨年はリーグ優勝が巨人で日本一がDeNAという、じゃあどっちが強かったのというツッコミが入り、やはりクライマックスシリーズは要らないとか、おかしいという話が出ました。

 興行的には、消化試合が減りリーグ戦の終盤も優勝争いと、クライマックスシリーズ進出争いで2回盛り上がりがあり、今さらなくすことは難しそうです。

 メジャーは、リーグ優勝決定シリーズと銘打って、地区優勝決定シリーズとともにポストシーズンと言われています。

 アドバンテージや開催場所や試合数等のレギュレーションは別にして、私はクライマックスシリーズという名前ではなく、メジャー同様リーグ優勝決定シリーズでいいと思います。

 長い公式戦リーグの1位の価値が失われると反対の意見が多いようですが、日本シリーズはセ・リーグとパ・リーグの優勝チームが争うべきだと思っています。

 いずれにせよ、シーズン終盤の短期決戦に勝ちきれるチームが優勝となるのですから、公式戦1位はそれなりに賞金などで讃え評価はすべきですが、リーグ優勝は決定戦で勝ったチームとすべきです。

 それより、もう一つの日本プロ野球の大きな問題、こちらの方が将来的にもずっと大きいのですが、チーム数が少な過ぎるのです。

 6チームで半分が優勝決定シリーズに出れる数では、課題が多すぎます。長いリーグで優劣、相性も明らかで、試合としての新鮮味は全くありませんし、片八百長や忖度が生まれて当然の馴れ合い世帯と見られてしまいます。

 これだけ、野球がまだまだ盛んな日本ですから、もっと新規参入を簡単にして、フランチャイズで各地にチームがあるようにして、ファン層の底辺の拡大につなげればよいのにと思います。

記録達成と引退試合、プロ野球の秋

 プロ野球は優勝もCS進出もすべて決まった9月の最終日のいわゆる消化試合でしたが少し注目がありました。

 東北にいた時に産声を上げたので気になる楽天イーグルスの元選手2名。一人は昨年まで在籍の田中将大が、ようやく中日相手に今期3勝目を上げ、日米通算200勝を達成しました。

 先発完投の時代には300とか400とかの記録もありますが、現代野球では、かなり難しい記録になっており、しばらく現れないのではとも言われてもいます。

 東北のファンにとっては、震災の翌々年に無敗の24勝でイーグルスの初優勝、日本一にも貢献したマー君は、やはり忘れられない英雄です。

 優勝決定の最後の場面が印象に残りますが、そのイーグルス日本一のシリーズMVPは、2019年にはFAでロッテに移籍した美馬学投手で、奇しくも昨日のロッテ対楽天戦が引退試合でした。

 美馬投手は、輝かしいとまではいかない成績で二桁勝利が3回だけ、現役14年通算で80勝88敗、渋いけれどここ一番に頼れる印象的な投手でした。

 引退試合も、そのマー君はじめ両チームの元同僚、関係者からビデオメッセージがオーロラビジョンに映され、感動的なものでした。

 レギュラーシーズンなので試合は1回の表に打者一人を相手にするだけのお約束、その先頭バッターに楽天は戦友のベテラン今期2000本安打で名球会入りした浅村栄斗を起用し、完全なボール球をフルスイングで空振り三振でした。

 プロ野球って、やはりこういう演出ができるのです。消化試合といえども、同じチケット代金の公式戦です。美馬投手もオオタニさん好きな方には無名かもしれませんが、ファンには感謝、感動の試合でした。

 実はアマチュアとプロの境目、真剣勝負とショーの境目は極めて曖昧です。ファンにとってワクワクするような対戦を見せ、素晴らしいプレーを見せるのがプロスポーツです。

 衰えたといえども、ベテランのスター選手が登場して、勝つためだけなら、実力派で伸び盛りの若手がいる選択もあります。

 勝つためには、ホームランよりも、バントで手堅くという試合でも、ファンが◯◯選手のホームランとその後のパフォーマンスが見たいのなら、そうすべきなのがプロ野球です。

 勝敗とともに、魅せることも両立させるのが、プロのアスリートなのです。

 しかし、かつてヤンチャな無双を誇ったマー君も、もう36歳で現役崖っぷちという居場所で、その最盛期を知る人の割合も減っているとは、時代の流れです。

スポーツは教育でも軍隊でも、金儲けでもない

私は、商売屋で母も店に出る時間が長かったので、明治生まれの祖母やらお手伝いの人、近所の人に、面倒を見てもらったおばあちゃんっ子で、その影響は大きかったと思います。
当時ですから、娯楽といえばテレビでは時代劇でしたし、祖母につられ大相撲や高校野球も好きで良く一緒に見ていました。
男前の力士や、力強い力士を応援しつつ、小柄な力士も応援したくなる、ごく一般的なミーハーなファンです。
甲子園の高校野球だと、地元を応援して、名門と言われる強豪校の名前はわかり、公立などの無名校が出ると判官びいきで典型的な日本人の応援をしていました。当時もう、父や私の友達らも、プロ野球が最大の人気スポーツになっていましたが、祖母や母は「プロ」「職業野球」「商売野球」として、1段下に見て、興味がなかったようです。娯楽が少なく分散していない時代で、高校野球の決勝、三沢対松山商の延長18回再試合などみんな見ていました。
甲子園大会も、長く続く、聖地と言われる高校スポーツの頂点で平成以降、「熱闘」とか「青春」をあおりさらに人気を高めました。プロも長嶋、王の巨人軍を中心に野球人気は極まりました。
しかし、いつの時代も純朴なファンに支えながら、結局利権や興行、不適切な行為も含んで、人気スポーツが生まれるのです。その裏には、仕掛けがあり、多くのファンは祖母が相撲を真剣勝負と信じていたのと同じように、純粋に騙されているのです。

甲子園は、全国の地名を覚えるのに、子供としては大変役に立ったと思いますし、東北だとか、九州から、地名と商業高校、工業高校というと強豪に見えました。でもとうに実態は地元ではない野球留学の子らです。
で、高校野球というと、どうしても広陵の不祥事の件です。
スポーツは教育でも軍隊でも、ましてや金儲け優先ではいけないもので、残念至極としか言えません。
高校野球だとか、箱根駅伝のように、未だに日本人はアマチュアの学生が努力する姿に琴線が触れ、地元や母校愛にプラスして、人気が集まり、そこが聖地となり聖域となっていくようです。結局、そこには先輩後輩の序列、利権でお金と権力が集まり、澱んだ老害組織となるわけです。

広島商と広陵の伝統校の2強のような構図が40年くらい前、広島に赴任した時から見聞きしています。政治や経済でも保守地盤で、何かと権力構造の問題になる土地柄、分かりやすく言えば被爆の県庁であってもヤクザ映画の舞台でもあります。

プロ野球の球団があっても、なくても、昔からプロに準ずる高校野球の人気は別格であり、優秀な中学生を集め、引き抜くことは当たり前で、かつさまざまな策謀も全国には数えきれないくらいあったことでしょう。純粋な高校生そっちのけでしょうが、広陵のような先輩生徒の体罰やいじめもそうですし、監督など指導者のお金や暴力などの行為もざらにあるでしょう。

それでも、聖地は必要で、若者の目標になるという考えもわかります。しかし、こんな悲劇が後を絶たないならば、地域の私立などの高校の部活動にアスリートの成長を託す構造は、そろそろ見直すべき時に来ているのではと思います。

甲子園がなくとも、イチローも大谷も生まれていたと思いますし、甲子園があったが故に、もっと数多くの選手が活躍する機会が奪われたのではと考えられます。
たとえば今のプロ野球の下部リーグが、地域の若い選手を集め指導したりして、一発勝負のトーナメントに勝つだけではない、かつ楽しめるコンテンツのスポーツをもっと普及できると思います。

DH制、タイブレイク、不祥事、野球の進化と退廃

 日本の高校野球、東京六大学野球、プロ野球セ・リーグが再来年2027年までにDH制を採用するそうです。セ・リーグはパ・リーグに大きく遅れ最近は実力的にも差をつけどんどん離されている焦りで、古い組織もようやく腰を上げたようです。
 他の国際大会、国内のアマも含め流れはDH製であり、タイブレイクやピッチクロックもそのうち導入されるでしょう。
 野球は戦前から日本にファンが多く、独自の伝統を生んだため、利権を持つ組織が淀み改革や新規参入がより難しい体質です。
 日本プロ野球独自の引き分け(今なら延長12回以降次の回にはいらない)というルールも、勝率で順位を競っている以上あまりに合理性を欠きます。しかも表の攻撃のチームは12回表で同点だと、引き分けか負けしかなく、記録やモチベーションが失われつまらない終盤になります。
 昨日、雨天中断の影響もあり、プロ野球と高校野球が深夜同時刻に延長戦をテレビでやっていました。感想からいうと、球速や技術で圧倒的に上のプロ野球ですが、タイブレイクの展開の方が圧倒的に面白かったです。
 毎日勝っても負けても試合は続くプロとアマの差もあります。しょせん技術が上でもメジャーの迫力にはかないません。球児のひた向きさもですし、延長での完全決着は、消化不良の引き分けを見せられるよりスカッとします。ひいきチームが負けるのがイヤというむきもあり、引き分けでもいいというのが日本人的中庸の好みでしょうか。
 その高校野球ですが、広島の私立名門高校の体罰というか不祥事が問題にもなっています。
 高校野球の組織も古いし、その体質も旧態依然です。こんな件は氷山の一角でしょう。
 ジャンルは全然違いますが、私の家族は音楽をやっており、そこの世界、先生、師匠のような存在は、どこにでもいる王様、傍目には老害もいいところの君主が支配しています。
 企業などがコンプライアンスを守り、ホワイト社会になりつつある中、体育会系とか、こういう芸能界、テレビ局、政治、まだまだ古いです。ジャニー喜多川だけが極悪の変態ではないのです。
 そういう面では、高校野球もNPBもそんなに面白くは見れないです。
 ゲームの上手い人のプレイを後でヒマつぶしに見るぐらいの感覚で、金儲けしている連中の技能を冷めて見る感じです。
 プロなど、話に聞くともっと汚い、汚れた中身です。

父親休暇 思い出される日米の差

A father with a baby daughter at home. A cute girl drinking water from the bottle. Paternity leave.

 大谷翔平選手の第一子誕生に伴う父親休暇が話題になっていました。
 アメリカということもありますが、時代は変ったものです。ロッテの主力、石川柊太投手も奥さんの出産で休暇だそうです。
 日本のファンももちろん、楽しみにしていた大谷さんが何試合か欠場して見られなくとも、高年俸の選手が休むことに非難の声などはありません。暖かく、祝福し復帰を見守っていました。
 今でもブラックな企業はあるのでしょうが、労働法も変わり、公務員や企業でも産休や育休、男性の育休も取りやすくなっています。
 20年以上前、私の長女が産まれた時など、私は営業マンで、病院には駆け付けましたが、少し仕事の時間をはずしたものの、有給休暇すらとれませんでした。それでも2ー3時間休んだだけで、社内や取引先からは「子供ができて休む営業なんて初めて聞いた」などとさんざんに皮肉られました。未だに軍人か何かと勘違いしてやがるのかと思いましたが、それが当たり前だった時代です。
 野球の世界でも、アメリカ人は家族を大切するのが当たり前の感覚なのに、日本人は仕事優先で職階が上がった人などは家族を省みないことが美徳のようにされました。

 野球の世界でも、アメリカ人の助っ人が来ていましたから、そんな日米の温度差が昔はありました。もう40年ほど前になりますが、伝説の甲子園球場バックスクリーン3連発を阪神タイガースが岡田、掛布とともに巨人に見舞ったランディ・バースも、良い記録の方だけがフラッシュバックされますが、悲劇もあります。
 家族の病気の件で帰国した際には日米の家族と仕事への考え方の違いも顕著にでた事件でした。
 バックスクリーン3連発や優勝にも貢献し、三冠王も取った史上最高の助っ人、阪神のランディ・バースですが長男ザクリー君の1988年の開幕後の5月、水頭症手術のため、アメリカへ緊急帰国しました。開幕4連敗後、5月上旬には何とか2位まで盛り返した矢先で、本人は前年は不振の年で、この年も3割は打っていたもののホームランは2本とファンにはやや物足りない状況でのことだったそうです。手術が終わってもしばらくは子どもに付き添いたいということからバースは戻らない。このあと、球団とバースは再来日の期限や治療費をめぐり、泥沼の対立を生みました。阪神は6月27日、なんと最強助っ人の解雇を発表しました。任意保険に入っていなかった阪神の事務方のミスもあったとも伝わります。

 これを不当とするバースとの話し合いは長期化。7月上旬、古谷真吾阪神球団代表はロサンゼルスで交渉に臨んだが再び決裂しました。心労もあってか、古谷代表の投身自殺という悲劇の結末でした。

 家族、子供の難病手術に、父親が立ち会う、有給休暇付与、健康保険高額療養家族適用ぐらい当たり前の令和では考えられない時代での悲劇でした。
 その点では、日本も変わりました。逆に仕事に打ち込む気概が足りない父親が増えたような気もしますが。