スポーツ界不祥事の処分と、感情煽る報道への疑問

 度重なる不祥事があり、大麻のも問題で伝統ある日大のアメフト部が廃部と決定したようです。
 大学スポーツということで、処分の是非、軽重にさまざま意見もあり、テレビなどで関係者や街の声も報道されていました。
 私の大学でも不祥事があり片方で、大学特権的なアスリート優遇を廃止して伝統があろうと廃部せよという声と、スポーツに一途に賭けた若者からはく奪するのは酷だし大学の名前を売るのにずっと貢献してきたのにという意見も出ます。
 高校野球はもっと厳しく、部員はもちろんよく選手でない生徒が起こした問題でさえ連帯責任で大会辞退という場合もあります。
 大麻の温床で何人もの選手となると指導者や寮の環境にも相当の問題があり、部の処分は仕方ない面もあります。
 廃部は、嘆願により復活の可能性はありますが、当面卒業するまでの現役生徒は居場所を失い厳しい処分ではあります。
 同じアスリートでもプロは、不倫や暴力、イジメの基準が厳しくなった昨今とは言え、球団自体が自粛することはなく、大物選手はなんだかんだ救う球団が出て、シャーシャーと高給で復帰しています。開き直って黙殺してほとぼりが冷めるのを待つ球団もあります。
 大学だから、プロだから、高校だからと、どうも一貫性がないのが気になります。都度、その大学や球団の関係者が利害がらみで相談していては、そこでも時と場所により運不運の結果が生まれます。大物だから再契約できて、中堅以下だと路頭に迷うというのは何か違う気がします。
 大学の処分で言うと、今回の日大の廃部は潔いと思います。もちろん、学生への同情という感情論は抜きにです。教育としても、学生全体でこの問題を考える機会でいいのではと思います。
 プロスポーツも個人への処分もですが、ファンの暴言なども含めて、チーム、団体として協会で決め無観客などもっと厳しい処分があってもいいと思います。コロナでかなりの期間無観客で成り立っていたのですから少々の期間自粛しても潰れはしないのです。その代わり、暴力や麻薬、イジメや飲酒運転などがいけないことを徹底して社会へ訴える機会になれば良いことです。
 個人への処分を楽しんだり同情したりするのが一般ファンの楽しみになってはいけないのです。ファンに個人を罰する権限などないのです。特に大学生、高校生に至ってはマスコミにも処分の権限はないので、報道で煽ること自体が問題です。
 人気のある高校や大学のスポーツが異常なまでに集客がありお金に繋がり、トラブルがあれば守る力のない親や教員しかいない彼らに、正義感ぶって同情を煽る感情論で語るのは間違いです。
 日本のプロスポーツは、野球だと巨人中心とかで儲かるとこだけが多く設けて分配や還元の考えがなく、チーム数が少ない寡占体制で新規参入が難しいので、経営やコミッショナー、機構や協会は飾り物で管理はなれ合いの体質です。
 一部の既得権者が利権をあさるため、結局組織が大きくならないのではと思います。
 罪には毅然と罰を課して、利益は分配して苦しいところを助けて組織全体が大きくならないと、グローバル化は無理です。
 日本のスポーツ界は、MLBやプレミアなど欧米のメジャースポーツにいつの間にか、大きく水を開けられました。この差が開いたのも、既得権の集団、何かこういう大学や高校からのスポーツの在り方を含めて、澱んだものが一因ではとさえ思います。

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