書評:「塞王の楯」今村翔吾

 直木賞、昨年上期かな、図書館本なかなか回ってこないでそろそろ文庫が出そうな頃にやっと読みました。
 面白いですね、やはりこういう歴史から、うまく話を広げ、登場人物のキャラを育て話を膨らませていくところは上手いです。
 ちょうど、大津や坂本にもいく機会があり、長浜には以前良く行きました。滋賀県在住の作家が戦国のキーパーソンとして、二組の職人集団を選び対決をエンターテインメント
 近江の国・大津城を舞台に、「絶対に破られない」石垣職人“穴太(あのう)衆”と「どんな城も崩す」鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説とされます。。究極の守り「盾」の石垣と、至高の攻撃「矛」の鉄砲の、武士を通り越した職人同志のライバル対決を描いていきます。関ケ原の戦い直前の大津城の攻防に重要な意味を与えます。
 そこには職人の気概とともに、最近の大河とかでもよく描かれる、戦争を止めるための戦さ、平和のための葛藤がテーマにもなります。
ネタバレは避けますので内容はこれくらいにしておきま。時代ものはよく歴史考証やリアリティで「実際には、、」と学者やマニアに突っ込まれます。しかし、これは約束事みたいなものがあるのでしょう。古文書で確認されたとか最近の歴史学説などをチエックしつつ、言葉にしろ昔の言葉や方言をそのままでは、誰も読めませんので翻訳もののようで、かつ昔のその地方風で読み進むのに支障なく、歴史を感じるティストであれば良いのでしょう。微妙なラインがあって、映像化でもそうでしょう。オール字幕でないと当時の薩摩弁や宮中言葉は分からないとか、衣装や容姿もあまりにも役者のイメージまでないがしろにはできないと、どこかで妥協するのでしょう。
 少し前の本屋大賞の和田竜さんの『村上海賊の娘』もなかなか映像化されないようです。娯楽性に重きをおき、史実面に問題があると大河ドラマにはならないそうですが、こういった少ない主要登場人物の生きざま、葛藤を描くドラマは映像化は意外と制約が多いのでしょうか。大河にしろ、あまりにもキャスティングが多く、無駄な視点に飛び過ぎてスピンオフ的になり過ぎてあれは、リアル以前だと辟易してしまいます。
 この作品でいうと、映画化か大河に今風のキャスティングなら匡介が吉沢亮?、玲次に山田裕貴、彦九郎に小栗旬? 京極高次は大泉洋、お初に北川景子、源斎に三浦友和、立花宗茂に佐藤浩一、夏帆に杉咲花、などと想定します。
 

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