国民年金納付率80%に迫るとは?

 国民年金の記事が出ていましたので、前提の知識がないと少し分かりにくい記事ですから補足説明的解説します。
 私が3年ほど年金事務所の国民年金課で主に働いていましたの、この目標達成の前線にいました。国民年金は自営業者、フリーターなどの方の第1号被保険者と、厚生年金、共済年金で養われる第3号被保険者が対象です。サラリーマン以外の全ての20歳以上60歳未満の日本国の居住者が対象です。
 以下 報道 抜粋

 厚生労働省は26日、2022年度の国民年金保険料の納付状況を発表した。納付率は前年度から2・2ポイント増の76・1%となり、11年連続で上昇した。「最終納付率」が80・7%と、02年度の調査開始以来、初めて80%を超えたと発表した。低い納付率は年金財政の悪化につながることから、政府は引き続き、納付率の改善に取り組む考えだ。未納者が多い年金事務所の体制を強化したほか、コンビニ店での納付やスマートフォンのアプリ決済などを促進してきた。最終納付率の上昇は、こうした取り組みが一定程度奏功した結果とみられる。(NHK 日本経済新聞 など)

 80%の数字には、3号は含まれていません。厚生年金からなので、徴収するわけではないです。
 2割の人は未納、ガン無視しているといことです。いわゆる免除や猶予を申請して承認されている人はこの2割には入りません。ここでいう納付率は正統な理由があって納付できず手続きをして認められた人は除外しての数字です。
 コロナ関連で免除が一時期増えたようですが、令和4年度は回復しているようです。80%で財政が保たれる根拠は良く分かりませんが、財政は良くなる傾向にはあるようです。
 未納と言うケースはさまざまで、その後年度をまたぎ「うっかり忘れ」や「督促され」納付される方もいて、また新規の未納が景気悪化などで発生するという、まさに私のジョブだったこの攻防の最終値が2割ということでしょう。
 少し、煩雑な仕組みが免除の種類です。全額免除、納付猶予、部分免除(4分の3、半額、4分の1)に段階的に分かれます。
 全額免除は将来の年金に半分反映します(国庫負担により)
 納付猶予は、納付義務はなくなり、受給権の期間にはカウントされますが、年金額には反映せず、10年以内に後から納付(追納制度)か、60歳以上で65歳までの間に任意加入して年金をリカバーできます。
 部分免除は、本人や配偶者、世帯主の所得により、免除申請された審査された結果で、この通り支払わないと、全額が未納扱いです。半額免除の結果でも半額払ったとは認められないということです。
 国庫負担分で納付した割合よりも、老齢年金への反映は増えます。しかし、計算は煩雑になります。それと統計でも出ていますが、元から支払いが苦しいから免除を申請しているので、結局は未納に終わっていますケースが多いです。制度としては、もう少しシンプルがわかりやすいのですが、公平を期すと細かく刻むことになります。

 実際、結婚はしているけれど、本人が失業、妻は「別居、別会計、仲が悪い、お金は回してくれない」と「何とかしてくれ」と言うケースは多かったです。
 それと、免除の基準が厳しい、子供の大学の学費がとか、クルマや住宅のローンを引いたら、毎月こんだけしか、食費がない「借金しろというのか。殺気か」と脅す人もいました。じゃあ、大学も行かせず、クルマも買わずガマンしている人はどうするのか、計画性がないとしかいいようがないです。

 自営の方、失業された方、その配偶者、学生で、厚生年金のところで働いていない人は全て国民年金の対象です。決して潤沢に年金はもらえませんが、未納だとそれすらもらえないので手続きは必要です。所得のある方配偶者、世帯主含め、税金と同じく納付義務があります。

 

k_r04.pdf (mhlw.go.jp)

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