子供歌舞伎と重機工業の街

 入社して3~4年も頃、広島での営業時代の取引先の社長さんが、大変厳しくてイヤな人だったが、写真が趣味で滋賀県に異動になった時、長浜の子供歌舞伎はすごく被写体としていいと話をされていました。
 その時に、長浜のものと、石川県小松の「子供歌舞伎」の写真を自慢気に見せてくれた。その眼はいつもと違い優しく微笑ましいので、美しい子供の化粧をした姿が撮られていました。

 40年前の話で、正確ではないかもしれませんが、長浜の方が男の子ばかりで芸の舞台としては本格的で、小松市の方は女の子もいて妖艶で美しく、甲乙はつけがたいという話でした。
 先日、小松市に新幹線が開通した関係で、曳山の資料館を訪れて、子供歌舞伎の映像を見ました。
 日本3大歌舞伎という、煌びやかな美しさがあり、曳山や山車のスケールでは京都や博多などの大都市に比べて可愛いものですが、この伝統芸能の美しさと侘しさには何とも惹かれるものがあります。長浜も小松も10万ぐらいの人口の地方都市で、観光を支えるにも過疎、人口減少、高齢少子化に悩むところです。それでも子供時代に郷土の芸能、文化に関わったことが地域を支える力になりそうなのは素晴らしいことです。
 小松市は工業もあり、被災の北陸、石川県を何とか牽引して欲しいものです。新幹線はできてもJRの在来線はなく、駅前も開業2週間の休日でさえそれほど人気はありませんでした。イオンやドラッグストア、ファミレスチェーンは郊外にあっても、中心街の商店街はシャッターが閉まっているのは他の地方都市の御多分に漏れずです。
 観光資源のさらなる認知をはかり、首都圏からも今年の祭には多くの人が来て賑わい、日常的にも観光、文化、産業と街の再生につながることを期待して帰路に就く旅でした。

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