年金委員委嘱されました

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 年金委員は厚生労働大臣からの委嘱を受けて、政府が管掌する年金事業について、会社や地域において啓発、相談、助言などの活動を行います。

 先般、3年間の任期で地域型の年金委員に推薦され、委嘱されました。
 報酬はありません。
 ボランティア的な活動として、地域や知人とのコミュニケーション的なところで少しでもお役に立てればというところです。微力ですが、ご相談のある方はご連絡下さればと思います。

イオンのこと 働く女性と結婚

 イオン(ジャスコ)は創業以来、創業者の実姉小嶋千鶴子さん経営に携わり、女性採用も幹部登用も一定多い企業でしたが、業界のハードさ故にやはり女性が長く続けていくには難しい悩みが多いことを退職された女性から聞きました。 
 大きなイオンモールが全国各所にできており、県によっては数か所も展開され、中規模から大規模腿の殻、さらに地域最大級のメガクラスのものだであります。もはやスーパーが核というよりも、飲食、レジャーや、専門店の林立する街です。
 メーカーに勤めている時代から、主な流通を歴任したので、大手のイオンはジャスコの時代から吸収されたダイエー、マイカル(ニチイ)含めて、北日本と関西はほとんどの店舗を担当して、多くの社員さんを知っています。
 高度経済成長期から、伸び出した組織小売業への対応をメーカーとしても、試行錯誤でやり出した時期で、多くを学びつつ、丁々発止でやり合い、助け合ってビジネスを進めました。
 多くの男性、女性が、ブラックともいえる環境で頑張っておられる姿には頭が下がります。
 先日から2日に渡って自伝風創作コイバナ↓ に登場したAモールの女性は、何人かの人物の実際のエピソードを組み合わせたキャラクターです。当然AはAEON(イオン)で間違いはないのですが、時代が北日本の担当で、子供が小学校の時になっていますがそこだけは少しずらしていて、その頃は男性の商談相手が主で、厳しい仕事のやりとりと、マンションが隣で同い年くらいの嫁と子供の交流はありました。
 土日が休めないのは、子供のイベントや遊びにつき合えないので、それだけでもなかなか辛い職場の上、時間は本当に長くハードだと感じました。いつ身体を壊されても仕方ないなあと思って見てました。
 女性のモデルとしては、西日本に戻ってからお会いした2人ぐらいのイメージを複合させています。ともに現在は退社されています。
 メーカー側で働いていても、女性管理職目標30%ととか政府主導の数値が来ますが、それこそ男女差別というか、数値目標ありきの弊害が出てきます。
 能力のある人が、それなら「辞める」という現象が後を絶たないのです。場合によっては、煙たい社員のリストラというケースもあるかもしれません。
 女性の複雑な出産育児をはじめキャリア形成を阻むライフイベント、転勤や職種転換を考えると、良い方向の決断に行かないのです。
 男性がやっかみ「女性だから登用された」というケースが多いのも否定はできません。事実、私らの時代が管理職枠登用が、実績と実力勝負だったのが、男性はどんなにスキルを磨いても女性枠を除いたイスの奪い合いと今では言われています。登用したい人間は拒み、金銭や出世の欲は強いは管理に向かない女性は手を挙げます。
 イオンの場合、組織も全国規模でどんどん女性の感性を生かしたい反面、やはり優秀でもその条件にはついて行けないというジレンマで辞められたのが、お二人に聞いた共通の中身です。
 確かに、長年いて現場だけで終わらすのはもったいない配慮か、現場ではもう煙たがられるのかは分かりません。
 Kさんの場合は、旧マイカル系の採用なので、どこまでいっても一部は冷遇され続ける条件が付きまとうのに嫌気が去ったようです。モールの大型イベントでは最後は調整に尽力いただきましたが、とにかく女性としてはごついマツコ・デラックスのような雰囲気のそれは怖い方でした。
 もう一人Yさんのは、やはり職階が上がってお祝いを述べた後、「実は、」でほどなく、実家の自転車を継ぐということで退職されました。この方はエピソードの通りの、販売担当がおそれおののき、前任がなかなか会ってもくれない厳しい方と聞いていました。初めて売り場で見た時は、モデルみたいな華奢な若い方で、佐々木希や浜辺美波みたいな方で、「私がYです」と言われたときは 心底驚き、応接間で正面で向き合うとドキドキが止まらないぐらい緊張して「マジかよ、ウソだろ」この人が本当に商談相手なのかってなりました。
 めちゃくちゃ、かっこいいキャリアウーマンに成りそうなそんな方が、シャッター商店街の自転車屋さんをやることに、また驚いたものです。まもなくめでたく結婚されたそうです。振られたわけではないです念のため。
 多くの商店街の自営業が、イオンやコンビニ、ドラックストアなど量販店やモールにおされ厳しい上、サラリーマンで大きいところに長くいる方が将来まで経済的には安心という見方もある中、決断をされるところはやはり何かあるのでしょうか。
 イオン創始小嶋千鶴子さんの思いはなかなか伝えらえてはいないものです。 

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マイナンバーカード トラブルVS未申請のデメリット

 報道によりますと、マイナンバーカードのトラブルがいくつか発生しています。
 コンビニの証明書取得サービスで他人の住民票の写しなどが交付されたり、「マイナ保険証」に他人の情報がひもづけられていたり。16日にはコンビニ交付で登録を抹消したはずの古い印鑑登録証明書が誤交付されるトラブルが、全国で11件発生したこということです。
 一連のトラブルは、富士通の子会社「富士通Japan」(東京)がシステムを提供する自治体で3月以降に発生している。
 また、給付金口座の紐付けを他人のモノと誤ったケースも自治体の委託業者で発生しています。これらを合わせて、いかにも不安を煽る報道が散見されます。
 こういう事象報道の後に、市民がインタビューを受け、「やはり国の管理が悪い」「政策が悪い」「個人情報が悪用されかねない、恐ろしいことだ」「迷っていたが私はマイナカードは作らない」という声が流れ、その後有識者とか評論家が出てきて、マイナポイント施策や、保険証代替推進などを、拙速に行った国に問題ありと息巻きます。
 正直、国の政策批判までの意見を採り上げるのは、不安を煽りすぎです。
 健康保険証の読み取り機械がこれからどれほど浸透するのかもありますが、マイナンバーカード発行が遅れると、一番に損するのは医療費が高くなるカード非保持者です。
 マイナポイントで宣伝しての推進も、違和感は感じましたが、今後も推進、奨励にお金をかけるのも無駄なお金です。きっちり全国民が必要な保険証替わりになるし、医療はマイナカードなしだと高くなると説明を強調すればよいのです。
 中途半端に、身分証を何種も持ち歩くのは危険です。私もこの間、一度マイナンバーカードで申請すると、次も本人確認をマイナンバーカードですると言われ、免許証だとだめというお堅い役人がいて辟易しましたが、何枚も場所に合わせて持ち歩くのも不便この上ないです。一本化したら失くしたり、こういうトラブルがあると大変と言いますが、失くす時は財布やカバンごとで同じようなものです。
 今回のトラブルでも、結局誰も損をしてません。個人情報が、流れても別の人のが出てきて誰か悪用して得するとか、見られて損したとかではないです。給付金の口座ミスなんていうものは、都度申請都度入力だった頃どれだけ役所の人が手間どり、間違いも多かったです。私は区役所で後期高齢者の高額療養費の戻しをやっていましたが、75歳上で自分の口座の、銀行名や支店名、番号をキッチリ書ける人の方は少なくて大変であり、その都度電話で確認するなど、個人情報上危ういものでした。 
 昔も今も、住民票にしろ、口座名にしろ、その気になれば役所でアルバイトをしている人間が紙を出し丸めて服に入れれば持ち帰りできます。しかし、そんなことできてもお金がからむ悪用までは簡単にできはしません。まして、庶民に一体盗まれて困る情報などありません。給付が万一間違って他人に入れば、戻して貰うだけの話です。それよりも、税金を使わせ、写真なしの健康保険証で儲けている人を野放しにすることを止め、早く取り締まる方が国民のためです。

 反対している人、とくにマスコミを巻き込んで執拗に反対している勢力は怪しいです。健康保険証を早期にマイナンバーカード化するのは、明確に健康保険証の不正利用の防止のためです。
 健康保険が不正に使用され、例えば出産一時金や高額な手術代が本来権利のない外国人などに掠められることも防がなければいけません。
 また、顔写真のない健康保険証は、通名も表記されないため、脱税、金融やら取引の身分証明として悪用されているケースはあります。
 これらは、防がないと国家や自治体、健康保険組合など莫大な損害を受け、結局国民の負担が増えるのです。
 それを野放しにして、マイナンバーカードの普及を遅らせて、また普及にもお金をかけているのでは、税金がいくらあっても足りません。
 また不正やトラブルを危惧するなら、マイナンバーカードがないことの損や被害の方が大きいことを啓蒙しないといけません。

流星への願いと涙 悲劇の姫 子連れ中年が禁断の星空デートへ2 #コイバナ#星空デート#能恵姫#ラノベ#星に願い

 前回↓のつづきです。化粧品メーカーに勤めていた私は、大型モールのイベント準備が進行する中、家族の重篤な病状も進み、人生の激流の時期に突入します。その時、北日本の美しい女性と出会いました。

子連れ中年が禁断の星空デートへ? #コイバナ#星空デート#能恵姫#ラノベ – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

 【暗転する家庭】
 妻の病状は嫡出手術後、抗がん治療のサイクルを繰り返し、やっと回復してきたと思えば、別のところに影が見つかり、「転移」ということで極めて生存率が下がったステージを迎えました。
 長男の病気もまた、そんな状況でも容赦なく、難しい治療をしないといけない難病、家族状況を許してくれない厳しいお医者さんの言葉でした。何度か妻の実家からヘルプに来てもらいましたが、限界もあり、正直私も仕事に行くのにも、看病と長女の子育てに毎日疲れた時期でした。
 そんな中、Aモールのイベントはさまざまな困難を克服しながら回り出していました。モール内の派手な広告、デジタルサイネージの投入も、現場担当責任者主任の上芝氏能恵(かみしばうじ・のうえ)さんの協力で順調に進みました。彼女の信頼をもう一度メーカーとして失えば取り返しがつかないということで、何とか夜遅くとも、その時間だけは、長女や義母に無理を強いても仕事に費やしました。
 上芝氏能恵、呼ぶときはノエさんで、一度迷子になった私の娘を助けてくれています。
「ハルちゃん、お母さんいなくて、お父さんがこんなに遅くまで無理して大丈夫?」
「ノエさんこそ、毎日もっと遅いんでしょう。ウチのイベント無くても、ルーティンで深夜残業ばかりで、いくら若くても不規則だと身体に悪いですよ」
「私はね、もうこんな仕事だから慣れてる。気分転換に山登り、ハイキングに行くのよ。ハルちゃんも仕事ついでのドライブだけじゃなくどっかに連れて行ってあげなさい」
「これ、私作ったおかず、うちの総菜コーナーじゃないから、持って帰って、ハルちゃんと井上さん野菜不足やろから、食べて」
 それから時々、タッパーに入った煮物やらのオカズを持ち帰らせてくれました。

 入退院を繰り返す妻は私の実家に、自分が醜い身体になり家事もままならず足を引っ張るので離婚してくれて構わないと電話があったと聞いた。母は妻を諫めたと聞いたが、私もその話を聞き、絶対離婚しない、何があっても支えると妻を抱きしめました。妻は精神的にも落ち着かない時がありましたが、病めるときこそ支えるのが夫婦の誓いです。

 【星空デート?
 イベントが成功裏に終わったある日、ノエさんから、次の土日はオフなのでハイキングとキャンプに行くがメンバーの欠員ができたので、私とハルに是非来て欲しい、食材が余ると困るし、流星群が見れるからと強引に誘われました。
「井上さんと、ハルちゃんの気分転換になるしね。キャンプ用品はすべて用意してある。夜少し寒くなるから着替えと重ね着ぐらいだけでいい。クルマで迎えに行く」
 こういうところは言いだすと譲らない性格の人で押し切られました。
 噂によると、彼女は主任から一気に課長に昇進する内示を受けているとの話で、企業内でもやり手として女性幹部候補に挙がっているらしく、取引先としてもますます断れないパートナーになる存在でした。
 私と娘は朝、妻と長男の病院に見舞いに行き、取引先の付き合いで二人でキャンプに参加しに行く話をしておき、明日お土産を持て帰ると告げた。娘は自然大好き派で喜んでいたので、妻も快諾してはいました。
 仕事場と違い、派手めのメイクとワイルドで露出の多い衣装で現れたノエさんに驚かされました。特徴的な目蓋に見事に赤いアイシャドウを入れ、赤いタンクトップにシースルーのカーディガンをかけ、お腹と背中が丸見えの短いローライズのデニムには目を奪われそうでした。キャンプに行くアウトドアのアクティブさよりも明らかにセクシーな美を狙った感じがしました。
 そして、最初から確認はしていないことで、あえてツッコミもしなかったのですが、メンバーの欠員という表現はもう少し大勢のキャンプのイメージでした。参加のハードルを下げて実は最初から二人だけを誘ったのだとは思います。
「どう、ハルちゃん、今日の私キレイ?」
 娘もちょっと、リアクションに詰まりそうな感じです。子どもが見ても今日のノエさんはお姫様のような輝きだったようです。
 山道を飛ばしたせいか、娘が少しクルマ酔いをしました。
 ノエさんは、気功に詳しいらしくツボを推したり、いくつかストレッチをさせ、すぐに娘の気分を回復させてくれました。
「ごめんねハルちゃん、つい乱暴な運転しちゃった」
「ありがとう、ノエさん。すっきりした。もう、元気。今日のノエさんはとてもキレイ。ウチのお母さんよりキレイで、お父さんが変な気にならないか心配になってたよ。私もノエさんみたいなカッコいい大人になりたい」
 テントも今のモノは簡単にでき、娘も大喜びで手伝いました。確かに準備も万端でてきぱきと進み、楽しいキャンプにはなりましたが、ノエさんの後ろ姿はローライズは動けば動くほど、デニムのパンツがずり下がり、いわゆる半ケツ状態ヒップの谷間まで下がっていきます。目のやり場に困るというか、さすがに見るしかないというかくぎ付けになりました。
 BBQも盛り上がり、多少焦げた肉も美味しく食べました。
 高級そうなワインを傾け、ノエさんは耳元で囁くように語りました。
「いつもは一人か、同性のツレだしね。こんな派手なかっこ普段はさすがにしない」
「女一人で山歩きって危なくないですか?」
「大丈夫、あたし護身術、合気道やってるから、襲われた方が危ない。気を付けてね」
「そんな」
「あたし胸に全然自信なくて、下半身デブでお尻大きいしね。ちょっと、今日は勝負服に気合入れ過ぎた。山に慣れてるようで失敗、虫よけスプレー忘れて足刺されちゃうし、慣れないカッコはだめね」

願い星と能恵姫
 娘とノエさんは友達のようにいろんな話をしています。ノエさんは時々、神妙に聞き入り考え事をしているようです。
 しっかり、食べて片付けをして、空を見上げると、街中では味わえない満天の星で、8時を過ぎると流星群が見えだし、世紀の天体ショーが始まり出しました。
 これには3人とも大興奮でした。美しさにしばし見とれ、その後すぐに娘は必死に願い事を呟いています。
「あ、また流れた。自分のお願いが終わったら、ノエさん!ハルのお母さんと弟に病気が治るように願って!3人で何回も祈ったら、きっとかなうよ」
 何度も願いながら、娘は涙を流していました。
「ノエさん、今度ウチのお母さんにもツボ押しとマッサージしてあげてノエさん上手いからきっとお母さん元気にできるはずだ。お医者さんよりうまい」
「わかった。約束するよ。ハルちゃんもう遅いからね、子供はそろそろ寝よう」
 あまりにもよく流れる、輝く光のシャワーのような流星をさんざん見て、ようやく子供が眠たくなる時間になりました。いっしょにしばらく願っていたノエさんの目にも涙があふれていました。彼女がこんなに感情的になるとは意外なほどでした。
 娘が寝付く頃には、ノエさんのすすり泣きは激しくなり号泣のようになり、そっと背中を押して落ち着かせるしかなかったです。
「私、課長にはならない、もう会社は辞めるんです。お金もそんな偉い職階もなくてもいい。どうせ人間死ぬんだから、あんなに無理して働きたくない。もうどうでもいいの、私の人生なんて、どっかで野垂れ死ねばいい。
 私の名前、能恵姫って、この土地の伝説のお姫様からとってるらしいけど、親恨むたくなるほどとんでもない話なのよ。子どもの戯れで白蛇と結婚する約束をしたお姫様が、玉の輿に乗ろうとしたら、約束を破ったと龍に邪魔され、さらわれてしまい、水乞いの守護になるという伝説。
 男運なんて、ある訳ないってあきらめてた。20歳くらいで、カッコいい恋人と結婚する約束していたけど、交通事故で死んじゃった。それだけなら悲しいのは悲しいんだけど、その彼が死んでから分かった。とんでもない嘘つきで、あちこちに借金やらして、女にだらしなく結婚の約束も他でしてたり、子供も産ませてた。私はもうそれから、男なんて信じて愛するのイヤになって、今までずーっと仕事ばかりしてきた。
 私もでもね、ハルちゃんみたいな子供がいたらなあと思ったら泣けてきた。
 もうわかってるでしょう。私は勝手に勘違いしただけ、恨んではいない、私が馬鹿なだけだから、最初に会った時から、思い込んでいた。お母さんと弟がいなくなってお金がいるとかハルちゃんが言ってたことを誤解してね。ハルちゃんにはもうお母さんがいなくって、井上さんは奥さんに逃げられたバツイチだと思ってたの。
 奥さんがいて、闘病中だと知ってたら、誘いはしなかった。そんな不謹慎な誘いをするつもりは毛頭なかった。本当にごめん、申し訳ない」
 そっと、ノエさんの肩に手をかけた。
「こんな素晴らしい星空を見られて、誘っていただいた私も娘も感謝しかないです。私こそ謝らないといけない。イベントと家のこと以外に深く考えが及ばず、鈍感だったのです。好意に気付かなかった。でも仕事に利用するつもりじゃなかったです。まさか私みたいな中年の冴えない男とその子に、あなたのような人がそこまで好意を持ってくれているなんて想像できなかったんです」
「もう、最低よ、そう本当の最低、なんでよりによって、こんな平凡な草食系の男にコテンパンにフラれるなんてさあ、どうしてくれる。カッコ悪いし、きまり悪い笑うしかないよ」
「次の流れ星にノエさんが幸せになるよう祈ります」
「はいはい、そういうの一番うざい」
 ノエさんは、ワインをたっぷり二つのグラスに一つを私に勧め、いっぱい注ぎ、自分ががぶ飲みした。
「流れ星に乾杯、流れ星聞いてるか、ちゃんと願いかなえろ!」
 叫ぶとノエさんは、もう一度グラスにワインを手酌します。
 組み立ても比較的簡単だった4人ぐらい寝れるテントで間に子供を挟んで、3人は川の字にで寝ていた。いびきがうるさいし、何といっても大人の男女だから最初は遠慮していましたが娘という緩衝地帯があるし、広いのでテントに寝ることにしました。何と言っても寝ながら、透明な天井から星空まで見える今夜のもう一つのハイライトです。
「キレイでしょ、この天井、いくらお金だしてもこんな寝室買えない」
「本当に素晴らしいです」
「ずっと、この時間が続いたらと思うわ。でも時間は残酷、朝が来なければいいのに」
「酔ってなかったら、このまま朝まで星を見てたいですね)
「うん、でも飲みすぎたし、泣きすぎた。起きてるのはいいけど、寝顔をあんまり見ないでね、襲ってきたら投げ飛ばすしね」
「はい、もう寝ます」
 背中だけが少し痛く、大蛇か龍のような怪物に親子で襲われ、ローライズのノエさんが剣を持って戦い助けてくれる夢をみた。朝方、夢の中でか唇に柔らかいものが重なってくる感覚があった。
 少しすると、夜が明けノエさんがテントを出て、朝食の準備をしているのが分かった。さっきは娘が寝ぼけて乗っかってきたのだと思った。
 朝食も珈琲も、空気が美味しく絶品のように美味しかった。帰りの車ではノエさんは、これからいろいろ好きなことをやりながら横沢という雪の多い地元で、家業を手伝う話をしていた。
「Aモールより、ずっと小さいA系列のスーパーあるけど、それのおかげで商店街もすっかりシャッター通りになったのにね、そのスーパーももうすぐ撤退でね、レジ打ちのパートもできない、まあもうあの会社はいいけどね」
 別れ際やはり涙ぐんでいた。送ってもらい、家でシャワーを浴び終わると、娘が反省していた。
「私、昨日の夜ノエさん泣かしちゃったのかな。ノエさん好きだから、ずっと友達でいたいのにもう会えないのかな」
 それ以降、上芝氏能恵さんをAモールで見ることはありませんでした。


 【奇跡は起こるか
 妻の自宅療養というのも完治ではなく、むしろ最期が近づいての緩和期間の手前、当初の余命期間ではあと一か月を切っているときでした。
 妻は、万一の時の友人やらへの連絡、葬儀時の写真の選択まで話だし、娘に父と祖父母以外に頼れる親戚や何かと教えてくれる友人の話をしだす。これからの子供の中学、高校、大学の入学卒業、就職、結婚、孫、全てのライフイベントに立ち会えないことを謝り、悔しさをにじませてさめざめと泣いていた。妻との出会いからの思い出が走馬灯のように浮かびそうになった。娘が泣きながら駆け出し、外へ出た。
 雨の中、携帯電話をかけながら、どこかへ走っていった。
 なかなか帰ってこない娘は、何時間か後、雨に濡れた格好で上芝氏能恵さんを連れて戻ってきました。ノエさんは、メイクもせず薄い絹の作務衣か胴着のような上下を着て、Aモールの責任者時代とは全く違った慎ましい淑やかな印象でした。
「ハル?どなたなの。ああお父さんの知り合いの方」
「ノエさん、お父さんのお仕事の知り合いで、私のお友達」
「貴女ね、おかずのタッパーとかキャンプで何かと面倒見てくれた、そうこれから娘と夫のこと、お願いしたいと思ってお会いしたかったの」
「違うよ、お母さん、そんな意味じゃない、お父さんとノエさんはそんなのじゃないの。本当はノエさんすごく気まずくて、来るの辛かったはずだけど、私がお母さんを元気にしてもらうためにお願いしたのよ。私が車酔いした時、ノエさんがすぐ治してくれたの、あれならお母さんも良くなると思った。3人でお母さんの病気が治るように何度も流れ星にお願いしたから、お母さんは死ぬことなんて考えないでいいのよ」
 娘がこれだけはっきり言うことに大人3人も驚いた。ノエさんが凛とした感じで語り出した。
「上芝氏能恵と申します。ご主人には仕事で大変お世話になりました。実は私の父方は、合気道と気功の道場のようなものを田舎でやっていてます。上芝氏流整体術というものを心得ています。男の子には恵まれず、私が二十歳までに一通りは受け継いでいました。病はすべて、人間の『』から来るとも言われる通りです。少しだけ、お時間を頂き、私がハルちゃんに約束した通り、奥様の『弱気』を退散させ、『元気』を取り戻させます」
 ノエさんは、気功中は二人だけにして、見ないで欲しいと言い、私と娘は別室リビングで待った。何度か呻きや叫び、気合の声が聞こえた。何時間もかかったが、深夜になってノエさんは汗だくで疲れ切った表情で扉を開け出てきた。
「ハルちゃん、今の私にできることはみんなやった。お母さんの弱気を取り除き、瘴気(しょうき)をかなり吸い取ったわ。あとはお母さんの頑張り次第よ。お父さんと一緒に励ましてあげて」
 妻は顔色良く休んでいた。逆にただでさえ細いノエさんが青白く頬がこけたようになり、足元もおぼつかないほど、顔から生気が抜けていた。「元気」を全て移してしまったのではと思われた。
「ノエさん、ありがとう」
「井上さん、うまく言えないけど、たぶん瘴気がたまるのは、風水とか土地の気の流れに合っていない何かがあるの。もう井上さんは北日本で十分頑張ったから、できたら地元に帰してもらった方がいい。これは井上さんの因縁かもしれないし、北日本の持つ何かかもしれない。それも早くしないと、何かもっと大きな悪いことがおこるかもしれない。私を信じて、最後のお願いです」
 彼女は、それだけ言うのにもかなり息が上がり、たどたどしくなっていた。
 能恵姫が伝説の通り、龍の湖に帰ってしまうのか、そんな伝説を思い出すほど、上芝氏能恵の後ろ姿は儚く思えた。
「お父さん、ノエさん大丈夫かな」
 私は妻を娘に任せ、能恵さんを追いかけた。豪雨と落雷がかき消すように、行く手を阻んだ。稲妻が龍に見えた。

【奇跡 現代】
 2023年5月、私は娘の新居に荷物を運びこむ手伝いをしている。
 私は2010年転勤で関西に戻りました。その翌年2011年の3月には日本を揺るがす大災害が起こりましたが、個人的には次第に険しい運命は落ち着き、当時に比べれば平凡な日々で、双方の実家の親にも面倒をかけ子供もどんどん大きくなりました。
 子どもの頃、自分の家族が激流のような時期を過ごした娘も、今良縁を得て巣立とうとしています。
 めっきり会話の少なくなった父と娘だが、さすがに結婚となると感慨は深いです。
 ふと、小学生の時、よく父娘で北日本の大自然の中を遊んだことを思い出す。もう都会では見ることもない、満天の星空、あの時、娘は自分の幸せも流れ星に祈ったのだろうか、
「早く、片づけないと、食事の用意できてるって、お母さんからLINE来てるよ」

 そうあの夜から思えば、見違えるほど今はすっかり元気になった妻に尻に敷かれ疎んじられ、夫婦は幸せな倦怠期に入っています。
                        完

モテ期を逃す人、逃さない人 #コイバナリンク集

 昨日、自伝風のコイバナを「つづく」としたのですが、後編があまりに長くなり、現在編集、校正に手間取っています。もうしばらくお待ちください。エピソードに登場中のわが娘がもうじき結婚するので、メッセージも込めて全力で仕上げ中ですので、乞うご期待です。
 実際に多少美化して、切り取りや盛りはあるものの、ほぼあんな恋愛未満みたいなことが多かったのです。
 化粧品会社で女性が多く、モテたとか女性と悪く遊んでばかり思われるでしょうが、そんなことはありません。たしかにスゴイ遊びまくる伝説的逸話のような人、不倫しまくりの噂のような人もいましたがそんなことはなかったです。
 モテる人、すぐ恋人が見つかる人とそうでない人に分類されるなら、圧倒的にモテない方じゃないかと思います。独身の彼女いない歴長かったです。若い後輩に抜かれ何でこんな年上のおっさんがモテて不倫の噂まであるとぐらい、30代で未婚の頃は焦りと選り好みとかでもう典型的なモテない男でした。
 妻帯者がモテるのは、ある種独自の安定感や父性へのあこがれと、母性本能かとも思います。その頃に、一時的にモテ期はくるのかもしれません。顔がイケメンとかお金を持ってるとかも、要素ではありますが、お笑い芸人などでもそうですが、ユーモアとか機転のきいた優しさ、相手を思う敏感さなどがモテる要素、要はモテ期を見逃さないことのような気がします。
 その点でも私は鈍感でした。ただ、また敏感な人はモテすぎて、コントロールできないと誘惑に負け墓穴を掘るのです。
「月に行ける自転車、運命の再会」↓でも、ものすごい偶然に助けられましたが、次回「星空デート」の結末はもっとリアルに切なく感動的になる、なおかつ最後に叙述トリックを仕掛けて、エッ?となる予定です(笑)
 通算の閲覧がそこそこに伸びだしております。今後ともよろしくお願いします。
 コイバナリンク集↓

子連れ中年が禁断の星空デートへ? #コイバナ#星空デート#能恵姫#ラノベ – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

すずらん 「ふたたび幸せはめぐる?」 #コイバナ特別編 – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

月まで行ける自転車 (生涯最大の危機と運命の再会)  #コイバナ#運命の再会#ラノベ#剣道少女 – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

剣道少女は負けない #コイバナ#ラノベ – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

子連れ中年が禁断の星空デートへ? #コイバナ#星空デート#能恵姫#ラノベ

 これは私が化粧品の北日本販売の支社の時のお話。
 引かれるかもしれない前後編になりそうな長さですが、コイバナ?というより人生でも最大の激流に呑み込まれそうなエピソートでした。お時間のある時にお読みください。


 北国には美人が多いと言われています。赴任した時はもう結婚して子供もいましたので、結婚相手として出会えなかったのが残念なぐらい美しい人も沢山いました。雪の多い冬は厳しいですが、自然は美しく、少しクルマで走れば、野鳥のいる森や清流もあり、夜は都会では考えられないほどの数の星は見えました。ところが、この時期、最悪なことに妻と下の男の子が同時に病気になり入院してしまいました。妻が癌の切除と抗がん治療を決めた時、長男も小児としては難しい疾患で緊急入院となり、実家が遠方のため、取り残された私と小学校低学年の娘にも試練の時期でした。
 
 大手スーパーのAモールがもはや全国を席捲しだしていた時期です。勤めていたメーカーもA(当時の小売商号名はまだJ)での売上依存は大きく、大きなイベントを基幹店で企画して成功させるミッションが本社からもありました。ところがその地域の私の前任者やその上司が、出来の悪い人間ぞろいで、A企業に対して、まともな商談もできず、約束不履行やミスばかりで、関係のとても悪いまま引き継ぎもなく転勤してしまいました。
 Aのエリア内最大のモール内の部門責任者が、とんでもなく怖い方で、怒り心頭でもう我が社にもあってくれないというのです。元々厳しい方で、「女とは思えない鵺(ぬえ)」と周りから怖れられる人で、それでもしっかり現場を強く握った存在で、つむじを曲げられるとアポすらとれない情勢です。これでは大型モールのイベント商談のきっかけすらつかめない困った案件となりました。最悪、本社からのトップダウンで店長から下ろすとかの手段もあるのですが、モールは組織も複雑で現場がノーとなれば、最後はこじれて結果はさらに悪くなる可能性が高いので、手詰まりのまま丁寧なあいさつメールを送って反応を待ちました。休日にも時間があればそのモールを訪れ、客層など人の購買の流れを知り、商談の引き出しを増やして準備になればと思っていました。
 家の看病を抱えながらも、小学生の娘ハルを連れて商圏調査や小型イベントの巡回をしました。ハルが良くできた子で、母と弟のいない寂しさをこらえて我慢して気丈に明るく商用ドライブにつき合ってくれました。
 仲睦まじい父子の姿は、化粧品の現場には微笑ましく映り、また母性を擽っていたとは思います。子ども連れだと、こちらも時間を切りやすく、一人で留守番させているよりも気楽でした。
 ただ好奇心旺盛な子なので、マグロの解体とか呼び込み販売など。物珍しいものを見ると目を離した一瞬にフラフラとどこかへ消えてしまい、モールの中で迷子になるのが玉に瑕でした。ある時も、別のイベント会場に魅入られて、随分長く探し、迷子案内まで行きました。モールの職員であろう若い女性に連れられて、戻ってきました。やっと見つかった時は、嬉しいやら、周りに恥かしいやらでした。
 恐縮しながら、保護してくれた従業員にお礼をしていても、横でハルは「ウチはお母さんと弟がいなくなって、お金があまりないもんで、ノエさんお父さんを許したげて」と父を庇う発言までしてくれました。これにはノエと呼ばれたその若い女性も大笑いでした。すでに娘は名前を知り、友達になっているのかようでした。よく見るとキレイな女性で、こちらが恥ずかしくなりました。
 そんな情けない土日の休日の繰り返しでしたが、翌月曜日になって、ようやく、問題のAモールの現場責任者からアポの返信メールが来ました。
 会って話す前に前任の問題を謝罪し、かなり詳しい提案資料と、実際に詳細を面と向かって話すメリットを書き込んで、魂を込めたメールを送っていたため、さすがに無視はないとは思っていました。前任者が無能で出来が悪いほど、一時期は後始末は大変でも、しっかりカバーすれば実は後任にとってはオイシイことの多いのが、営業の常です。

 店の担当者や巡回の女性教育担当すら、脅すのか、本当に怖れを成しているのかの緊張感で、どんなコワイ人かと身構えて商談の応接室に向かいました。お茶を持ってきた女性がそのまま向かいに座りました。先日ムスメの迷子を案内してくれた女性でした。
「Aモール 〇〇店〇〇部主任 上芝氏(かみしばうじ)能恵(のうえ)です。井上さんハルちゃんのお父さんですね」
 真正面から見ると、能恵さんは色白で華奢で、目元が特に印象的な目蓋をされている北国美人の典型のような別嬪さんであり、この方がそんななかなか会えない厳しい商談相手だったとは驚いてしばらく見つめるだけでした。
「かみしばうじ、、さん。その節はお世話になりました」
「ははあ、変な長い名前でしょ、うじまでが苗字なんて変で私もこの苗字嫌いなんです。ハルちゃんと同じノエと呼んでください」
「まさかご担当の上芝氏様、、ノエさん、、だとは気づかず、ご挨拶も遅れてすみません」
「いろいろ悪口ばかり言われてて、どんな女だと思われてたでしょう。実際よく、コワイとか近寄り辛いと言われてるんです。でも前の方、名前も忘れたけどさすがにひどかったあれはビジネスマンじゃない。あんな人がいる会社はダメだと思ってました。井上さんのメールはよくわかりやすく書いてました。ハルちゃんにも先に話を聞いて、仕事に熱心で真面目な人と出会えたと思ってます。イベントのことですね、一緒に考えていきましょう。こちらこそよろしくお願いします」
 その後、驚くほど彼女はイベントを協力的に推進していただき、他メーカーが羨むほど優先的かつ精力的に動いてもらえたのです。確かに厳しい面もある人ではありますが、全て正論であり、仕事への情熱、現場への意欲から来るもので、順調に課題をクリアしていけました。
 私は家族二人の看病を抱えながら、大型モールのイベントが大成功に向かっていた時です。
妻の癌のステージは、最も難しい段階と医者から告げられました。
 人の運命とは、、人生の激流を感じた時期でした。
                                 (つづく)
 

                       次回、星空デートと能恵姫伝説

好きでなくても仕事をする

 好きなことを仕事にしたいとか、仕事や職場を好きになりたいと普通は考えます。
 ただ、自由に好きなようにできる仕事、好きな人や、当りの良い人間・自分を評価、尊敬してくれる人だけ集まる職場というものは、ほぼあり得ないのです。
 俸給、賃金と言われるお金をもらって、その自由の制限をこらえることが仕事ともいえます。今の仕事が好きで、しっくり合っているという人も、おそらくどこかの過程でトラブルやジレンマを抱え、乗り越えてきたのです。
 理想の仕事、向いている仕事と思って、入った教育機関での勉強、頑張って就いた仕事でも「好きだから向いている」と思ったことを、後悔する時は訪れます。これが「仕事だ」「勉強だから」と割り切り、「嫌いだからやらない」という選択を排除していかないと、社会で仕事をする人はいなくなるのです。
 好きと嫌いという天秤での判断ではなく、人生においても「損得」を考え判断するのです。今感じているものも一つの判断ですが、それが耐え切れないほどのものでなければ、将来まで見据えた「損得」で判断しないと、正しい選択はできないのです。

人生の目的、意外と親が示すのも大事か

 親の決めた人生なんてと反発し、自由に人生を歩いたドラマみたいな人もいます。しかし、多くの人は、親の影響を受けて人生の選択をしていています。

 国会議員などが親の地盤を譲ってもらう世襲議員が当たり前になっていますが、他の商売、自営業や個人経営の事業でも当たり前に親から譲られて二代目、三代目と引き継がれています。小さい頃から、親の生きざまを見てきて、親も継がせたいと思っていれば当然そうなりがちです。また、こんな仕事もうやって欲しくないと思っていても、子供の中の一人ぐらいは、親の関連の仕事に就く場合が多いようです。これは公務員やサラリーマンなど、コネ入社以外でも業界をよく分かっているからという感じで、親の後を追う場合があるようです。

 女性は、まだ世代的には仕事に長く就いていなかった親が多いため、ぴったりとはいかないですが、やはり母親の生きざまや、父の職業に影響されることはあります。

 逆にまったく、両親と関係なく、自由な選択で、別の職種、業種で大成功をおさめた人もいます。

 人生の目的とは何なのかと、ふと哲学的な命題になります。多くの本に書かれた説があります。
 少し考えると職業は目的ではなく、目的への過程の手段にすぎないとわかります。〇〇〇になりたいというのは夢や目的に見えて、その手前の手段であり、就いてからまだまだ目的の到達点が先にあることに気がつくでしょう。

 お金を稼ぐのが目的という人もいます。いくらいくら貯めるとか、毎月〇〇万円ほど自由に使いたいというのが目的というのは比較的具体的であり、そこを目指しハングリーから頑張る人もいます。しかし、コインや紙幣の収集家ならお金そのものに満足できても、通帳の残高が増えるだけで幸せで、人生の目的はかなうかというとそうでもないようです。
 そうなると資産家や富裕層に生まれたともすれば、最初から人生の目的が達成したことになります。
 お金がある方が、教育を受けやすいとか、幸せになる確率は一見高いようですが、上昇の度合い、努力が報われたことの評価や達成感を、満足度とすると、最初はゼロからの方が評価されやすいです。年収ゼロが200万円になり、400万円になった方が歓びは大きいです。逆に1億稼いでいた人が、年収2千万になると、都落ちの気分になるでしょう。

 人生の目的は、お金ではなく、その先にあるものに気付くことです。社会や組織への貢献、子供や家族との幸せな時間、自分自身の充実した時間を得ることなど、抽象的ではあってもはっきりと分かればいいのです。そのために仕事があり、ある程度のお金はあったり、人との交流の場があったり、いろいろ手段の選択、過程の努力が出てくるのです。

 社会は見渡せば、一人で多くの富を稼ぐ人だけでは成り立たず、基幹の仕事、低賃金やボランティアで貢献する尊い人がいないといけないのが分かります。社会でその役割を一つ一つ果たすことが目的であり、幸せなのです。

情報リテラシー 報道自由度が低い国と自覚すること

 日本の報道自由度はG7国で最下位、世界でも自由主義国では下位の71位ということで、年々下がっているということです。
グローバル基準ということで、そんなものとの声もありそうですが、
1.政治的コンテキスト
2.法的枠組み
3.経済的コンテキスト
4.社会文化的コンテキスト
5.安全性
 を客観的に評価され、封建独裁国家は低くなります。
 

 かつては新聞を読んでいることが、社会人としての常識であり、話題を共有することが社交の肝でもありました。
 情報の主役が、テレビに移り、ネットなどに分散する中、国や大企業などによる巧な情報統制、報道側の忖度などで、だんだん日本の報道は劣化していったと思われます。

 ガバナンスのためには、反権力、反社会的な情報の流布を防ぎたいという範疇、あるいはパニックや自殺、差別につながるなどの社会不安を煽るものを防ぐ目的自体が、どんどん解釈が広がり、時の権力や権威の維持のために、本来伝えられるべき「真実」が隠され、捻じ曲げられ、違うものになっていることが多いということです。報道の自由度が低いというのは、あらかじめフィルターがかかり、消化されたものだけが国民の前に出るのです。この過程で、故意や悪意でバイアスがかかることは当然よくあると考られます。

 情報リテラシーが必要ということは、報道自由度の低い国では、そのバイアスのかかった歪んだ報道の中で、その背後にある真実は何かと見極める力です。自分や身の回りの家族を守り、賢く生きていくためには、振り回されないリテラシーが必要です。
 報道は、巧みで第一報は衝撃的なことも多く、騙されやすいです。常に逆張りを考えても、只のアマノジャク、ひねくれものですが、すべての一般大衆と同じようについていってもやはり騙されたということになります。株や投資などと一緒で、儲かるような一つの真実は誰もにわかりやすく転がっているわけではないのです。

 コロナ禍しかり、原発事故、ウクライナ問題、スポーツをとっても、日本の報道と世界の報道では、表現も扱いも違います。日本の報道がピックアップした外国の報道ではなく、直接海外メディアを見聴きすると日本の立ち位置が分かります。

 北欧など自由度が高い国でも、リテラシーは必要です。多くの何も考えない国民にとっては、勉強しなくてもいい不自由は楽なのです。権力者も国民の大多数はおろかな方が良いのです。

平均年収、退職金は横ばいで最低賃金だけが右肩上がり

 1959年、昭和34年生まれの私は高度成長期に子供時代で、勤めだす頃には安定成長から、バブルとその崩壊の低成長時代を迎えました。
 親の世代が戦争を跨ぎ、敗戦から戦後復興の激動を経験しているのに対し、私たち以降は、平和なとくに大きな変化が何もない時代を過ごしました。
 冷戦やその終結、局地戦や、災害、事件事故は多々ありますが、大きな社会の仕組みが出来上がっていたものを踏襲して、なぞりながら微妙な変化があったに過ぎないのです。
 格差が広がった、昔は良かったという不満もよく聞かれます。この間、企業の盛衰もあり、賃金にせよ年金や、公的保障など時代とともに変化はありました。
 大きな変化というものに、女性の社会進出、雇用機会の均等などがあげられ、休日や残業の規定など労働環境全体に良くなりました。
 先日も、人件費高騰で、価格改定の承認を求める資料に最低賃金が右肩上がりに上昇しているグラフが示されました。確かに、その承認に関わる人件費の多くは最低賃金に近い高齢者に依存しているので、大きな間違いではありません。しかし、承認する側の所得は増えているかというと、明らかに横ばいであり、物価高騰で実質マイナスなのです。
 最低賃金は上がって、末端の社員は少し上がっても、一般の職員や管理職までは上がらず退職金は減っているのが実情でしょう。バブル崩壊以降、非正規比率も上がり、企業は業績不振をこのあたりの人件費抑制で逃れたところもあります。

 私たちが学生でアルバイトしていた頃、450円ぐらいの時給でしたので、今はほぼ倍になっています。ところが私の時代の大卒初任給が13万とか15万でした、その後2~3年で17万ぐらいになっていましたから、その後伸びず今が20万程度で、天引きの社会保険料が増えていますから、大卒社員の待遇は40年近く横ばいです。
 ちなみに、その少し前昭和30年ぐらいは、初任給7万ぐらいの時代で、まさに所得倍増だったのです。
 悲しいかな、平均所得はここ20年全く伸びず、波はあってもほぼ横ばいで、退職金は大幅に下がり、年金は実質目減りです。
 社会全体が苦しいのですから、そんなことは言ってられないので、中高年でも、子育ての終わった女性でもリスキリングして働く、ノマドなどスキマで稼ぐ、あるいは貯金ではなく、賢く投資を学んで増やしておくことが求められます。
 資格を取るとか、儲け方の勉強などは昔より安価に学べます。今さら、リスキリングとか勉強は嫌いだと言う人は、贅沢をとことん我慢するしかありません。