観光都市京都市 交通へ提言

 先日の報道によりますと
 深刻な財政難に陥っていた京都市は2022年度の決算概況を発表し、22年ぶりに一般会計の収支が黒字に転じました。過去最高の77億円の黒字になったということで、負債の返済などに活用していくということです。8月2日、門川市長が会見で明らかにしました。 黒字に転じた理由として、歳入では固定資産税などの市税収入が増加したこと、歳出では職員の数を減らして人件費を削減し、市民サービスの見直しを行ったことが挙げられました。 一方で、京都市バスや市営地下鉄では赤字が続いていることから、市は引き続き対策を検討したいとしています。高齢者向けのパスなど引き締めた施策は継続して財政の改革に充てると市長は明言しています。
 京都市の財政問題は、まだ奥深く、【闇】と言われます。
 ここでは交通の問題だけを取り上げますが、まず市民目線で立て直すべきです。
 敬老パスが以前3億円の支出だったのが対象者が増え50億かかるようになったと市長は言ってますがとんでもない誤魔化しです。高齢者は増えてもそんなにコストは増えていません。電車やバスはガラガラで走っても、満員で走ってもコストはさほど変わりません。まして電子化もされていない敬老パスなど発行手数料はわずかです。
 鉄道関係が趣味なので、鉄道や交通の専門家の話やお聞きしたり論説に触れることも多いですが、京都市民は同情されるような深刻な状況になっています。
 観光地が多く、大学があり、文化的環境はそろっているかのようですが。肝心の生活をしていく上で、子育て環境、買い物や通院などの交通の便が悪い、土地も高く住みにくい町になっています。その状況に中で、さらに市バス地下鉄を値上げ、敬老パスの廃止など市民から遠ざけてしまい、赤字を根本から見直す、市民目線、お客様の立場になっていないのです。
 上場して完全民営になったJRや、昔から競い合った私鉄はもちろん、赤字で存続が危ぶまれたローカル鉄道や、第三セクターなどは、少しでも乗ってもらおうと運賃を抑えサービスを上げて、必死です。
 それなのに京都の市バス、地下鉄は高い運賃と、恵まれた待遇にあぐらをかいて、まるで改善されないままです。

 非常に、個人的でちっちゃいとこから書きますが、まず京都市営の地下鉄の料金が高いのです。
 しかも定期券を購入してもらい、固定客を増やそうという欲はなく、まるでやる気がないのです。販売場所も限られ、元々割引の比率もJRや他の私鉄に比べ低く、週休2日で有給も使うのが当たり前の昨今、回数券のが安かったりします。これでは他の交通機関やマイカー、自転車やらに流れるのも当たり前です。敬老パスなどは元々長年市内で働かれた人への感謝の意もあるもののはずで、家族も含めて利用が増えエキチカも利用されれば市は潤うはずです。
 利用せざるを得ない人だけから、高い料金を徴収していてはやがてジリ貧、コロナ禍がいい例で、観光客が去ればお客が増えるはずがありません。
 
 京都市内には市営地下鉄の他、JR東海道線(琵琶湖線、京都線)、JR山陰本線(嵯峨野線)京阪線、阪急線、叡山電車、京福電鉄がそれぞれ路線を運営しています。
 市民にはおなじみの交通でも、外国から来る観光客、ましてや団体ともなると乗り換えは簡単ではありません。残念ながらJRで京都駅に着いても、併設する地下鉄駅から1本で観光地へいけるところは少なく、バスの方がわかりやすく、運賃も加算されないため安いとあればバスに集中するのです。
 2路線しかない京都の地下鉄で、いまさらこれ以上の環状線への延伸などはさすがに難しいでしょう。市電をあっさり全廃し、地下鉄を莫大な予算をかけてハンパに作った当時の計画の未熟さも問題ですが、現市政で可能なことはやって欲しいものです。
 今ならライトレールLRTとして今出川線など残しておいて、嵐電と叡電を繋げれば市内北部での東西の移動が便利だったでしょう。単線でも定員の多い電車で走らせることは検討の余地がある地域です。
 バスが市民の生活路線なら何とか観光客は他の交通機関に移す仕組みが必要です。一部検討はされているそうですが、料金の差別化もそうです。外国人観光客向けの主要観光地行きライナーのようなバスを設定し、遠回りでも渋滞の比較的少ないルートを走らせ主要駅と観光地を結ぶのです。特に西側の嵐山、金閣寺と、銀閣寺、東山方面です。
 料金差別化設定も難易度は高いと見られますが、できないことはないはずです。
 市が観光税的に徴収して、LRTや別建てのライナーバスや他に向ける予算を捻出するのです。
 大がかりなインフラが難しいなら、何とかソフト面、乗り換え案内の改善含めて細かい点から施策を徹底して、市民の移動の動線を守ることを考えていただきたいのです。

 最終的には交通局の赤字完全解消は難しいでしょうが、その場合も観光という武器を市の税収増につなげて潤った分で、カバーして、市民の移動を今以上に快適にリーズナブルに、障害者や高齢者に優しく提供できるようにすべきです。

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