阪神優勝に学ぶ 再生 適材適所 褒めて育てる

 阪神の優勝で関西ではあらゆるところで、その話題がマクラになります。予想以上の独走の要因に、充実した先発投手陣があげられます。ベテラン生え抜きに加え今年台頭した、村上、才木とともにソフトバンクから現役ドラフトで移籍してきた大竹耕一郎投手が11勝(9月15日現在)あげてるのも大きな要因でしょう。
 今年度から始まった現役ドラフトは、各チーム1軍出場が少なく埋もれた戦力を指名し合い、潜在力を発揮させるものです。前半では楽天から巨人へ行ったオコエが注目され、シーズンを通しては、DeNAから中日へ行ってレギュラーを獲った細川外野手など、一定の顕在化、戦力発見、再生につながっています。
 大竹投手を出したソフトバンクは、FAの人的保障でプロテクトしなかった田中正義も日本ハムに移籍してクローザーとなってブレイクされてしまいました。肝心の自軍投手陣は一人も10勝を挙げる投手が出ず、優勝の本命といわれるほど大金をかけ補強してオリックスに大差をつけられてAクラスも危うい戦いぶりにファンから非難ごうごうです。 

 阪神も逆にかつては、今メジャーの藤波や、日ハムで活躍する江越など、1軍半や2軍でくすぶる、埋もれかける人材の宝庫でした。
 大竹や、田中正義のように、チーム事情で活躍の場が与えられずに新天地で活躍するというのは一般社会でもよくあります。
 編成など組織風土、上司など環境の問題もあります。高年俸のスター選手や外国人選手が顔を揃え、先発のローテやスタメンが固定していると、なかなかチャンスがないのと同じです。本当に適材適所を見極める人事や経営陣がいないと、人の配置や育成はうまくいかないものです。転勤して、新天地で再生する場合もありますし、逆に配置転換もないと、がんじがらめで鬱屈したストレスがたまり、実力発揮どころではありません。
 限られた総年俸、採用された人材を有効に使うことが使命なら、マネジメントする人間は、その人を見極めて、長所を伸ばし、能力を最大限に活かすことを考えるしかありません。言葉にすれば、ごく当たり前のことですが、これがしがらみや、過去の経験、拘り、慣習などさまざまなバイアスにかかって、的確な指導や組織運営はできていないことが多いのが世の中です。
 現役ドラフトの成功などをみて、何でそれができなかったと思い、自らの組織運営に活かすなら、自分のバイアスをよく分析して、指導や運営を見直してみることです。

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