アフターコロナで浮き彫りにされた「失われた30年」

 コロナ禍で経済どころではなく、生命の危険とパニックになっていた時期も過ぎ、昨年あたりからだいぶ世界経済が回復して、今年は新型コロナがようやく5類にされ、外出や仕事、スポーツ観戦などもコロナ前に戻った感じです。
 旅行や運輸業界はじめいくつかの会社は過去最高の業績や、最大級の前年比というところもあります。
 それでも、コロナ、ウクライナ、ガザと世界で大きな問題が発生した対応、その後の回復を含め、気づけば日本は随分と国際的地位を落としいます。ジャパンアズナンバー1と言われたのは、ほぼ全ての面で遠い昔になりました。
 経済、政治、行政の一つ一つを取ってみても、課題が山積みです。
 バブル崩壊後「失われた30年」とも言われ、専門家は日本が凋落した要因を分析し、復活をするにはという議論も随所で見られてはいますが、完全にこれが原因で、対策はこれだとは出てきていません。小泉総理や竹中平蔵の行った新自由主義の経済政策が悪かったとかいったところで、それを完全に予見してノーと反対して、正しい選択を示していた人などいないですし、アナリストは後付けで結果論めいたものを言うだけで、それも分析としてもたいしたものではありません。ちゃんと、この時点でこう言っていた証拠でも示せば、少しはアナリストの評価は上がるのですが、皆無です。
 あるいは分かっていても、さまざまな事情で表に出なかったのかしれません。それでも同じことです。
 停滞し低迷し海外に水を開けられた日本、淀み切って新陳代謝の少ない企業群にしてしまった責任、それは各時代、各ポジションのリーダー、ジャーナリスト、アナリスト、学者そしてそれぞれの現場にもあります。
 コロナ禍の緊急事態でも、厚生労働省、医師会、医薬品メーカー、医療機関、自治体、そして給付などを行う行政機関、請負業者、テレビで煽る専門家も含め、必死に頑張った現場に比べ、何とも無能な姿、醜い体質をさらしました。その後も不正給付の摘発も含め、無駄な支出も多くあれば、支援や景気対策もその場限りで結局は役立つどころか、コロナで失われなかった命を、経済で失ってしまうこともありました。
 真面目なお医者さん、看護師さんが沢山おられ、少ない給料で休みもなく頑張っておられた反面、同じ医者でも、利権を貪ったワルがゴロゴロいました。
 ワクチンメーカーに喜々と支払ったお金の流れも、この時期に行われたオリンピック同様にあとから膿が出てくるのは確実と言われます。
 その時は、どんなにお金をはたいてもワクチンが必要とされていたというのは、やりかけたオリンピックをアスリートのためと、何とでもやり通そうとしたのと同じで、どこかで検証が必要でした。
 その時、その場、世論や権力者、マスコミの大きな流れに逆らうのは勇気も要りますし、かなり難易度の高い課題です。
 それでも、その一つ一つの選択を誤り続けたのが「失われた30年」です。
 私は、この日本の凋落の本当の原因を、外国の陰謀とか富裕層の搾取のような分かりやすい「悪」が存在するのではなく、複合的で難解ではありますが、結局はその選択の場面や、反撃したり、撤退やチャレンジの機会を逃す、リーダーの懈怠であり、参謀の分析と戦略の不足ではないかと思います。
 富裕層や既得権者が策略的に利権を守り、貧困層は権利を主張する。そんな中で中間層の多くの国民はだまされてきました。選択が難しくて絶対不可能なものばかりではなかったはずです。政治家、立法の懈怠であり、国民も勉強不足でごまかされ続けたのです。
 結局は経済が停滞し少子高齢化や格差などが、どうしようもなく大きな問題となってきました。それでも日本の上昇に期待はかかります。
 どこかにヒントがあり、解決の手段はあるはずです。頭の良い人も沢山いて、AIも考えてくれる。あきらめてはいけない。それでも日本は復活するはずです。
 
 

25年ぐらい先を見るリーダーがいないと – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください