北陸新幹線 楽しみばかりではない

 2024年3月ダイヤ改正で、大きなエポックと変化は北陸新幹線の敦賀延伸開業とその影響です。
1月1日の能登地震では、一瞬誰も開業が延期と危ぶんだものですが、被災地とはやや離れてもおり、3月以降は北陸支援の輸送、旅行などのアクセスとしても利用されそうです。
 こうやって見ると能登半島は大きく、かつて石川県は加賀と能登に分かれていたのも分かります。
 県南部の山代温泉など加賀温泉郷や県庁のある金沢から、能登半島の先までは新幹線で富山、新潟と回って長野なでいける距離感があります。

 しかし、この北陸新幹線は本当に大阪まで到達するのか、リニアとともに一体いつなのかルートの選定や実現可能性とともに難しいところです。
 ここでは敦賀までの、今回の延伸だけ考えてみましょう。
 金沢延伸は予想以上に好評で、新幹線効果での首都圏からの観光客はじめブームとも呼べるほどの成功と言われています。
 長野までは、五輪のタイミングもあり、早期に開業し、一時長野新幹線と言われていたものですが、新潟県南部、富山、石川と首都圏が直結したのでから、その効果は大きいものでした。
 
 今回の石川県南部から福井県までのルートは微妙です。
 確かに、東京からダイレクトに石川県の南部の加賀温泉郷や、福井県のあわら温泉、福井市、敦賀市へと結ばれることでこの地域への観光客は増えるでしょう。
 もともと関西の奥座敷的な役割の温泉街、経済圏としても関西との結びつきが強かった福井は、直通の特急がなくなり、10分程度のわずかな時間短縮で料金の高騰と乗り換えのわずらわしさで不便になります。
 東京一極集中の加速です。そのバランスの問題です。富山は、前回の金沢延伸で関西からは不便になり乗り継ぎでの関西方面の往復が1~2割減り、首都圏との往来でそれ以上カバーしました。関西依存の高い今度のこの地域はどうでしょう。
 今回は関西からの直通のなくなる金沢からがその影響を受けだします。金沢はターミナルではなく通過駅になり、県以南と福井が首都圏からの流動を奪い合うライバルになります。
 もうひとつ敦賀にとっては、もともと米原経由名古屋から東京というルートがあり料金は2580円高く、時間も30分ほどかかり、乗り換えがないだけで利便が上がったとはいいづらいところです。
 かつて、港町として栄え、鉄道ができてもシベリア鉄道へ連絡する交通の要衝だった敦賀で私はこの町は好きですが、再度注目される今回の再ターミナル化でどうなるか、なかなか微妙なところです。
 この図の北陸新幹線とリニア見れば見るほどよく作るものだと思う距離で、時間的に完成を自分では見れそうにないですが、東海道一本の代替ルートとしても必要ではあり、未来にちゃんと残るのか期待と不安があります。
 
 
 

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