今度は運転手不足                    闇が深い京都市交通局

 ローカルではありますが、公共交通は全国的に苦戦していますのでその例としてもです。財政破綻寸前だった京都市、その中でも大きな赤字問題で騒がれる京都市交通局。
 コロナ禍が終わり、観光客が戻ってくると今度は増発して巻き返そうとしても京都市バス運転手の不足が、京都市交通局にとって課題となってると報道されています。
 大型2種免許を持っていなくとも、公費で免許所得を助成して、女性の働きやすい環境をアピールして募集をかけていますが、不足状態はすぐ解消するとは思えません。

 平成11年度には926万円だった京都市バス運転手の平均年収は、令和3年度には542万円に。民間バス会社の運転士の平均年収である529万円と、ほぼ同水準まで下がったわけです。健全財政を訴えるのには、このわかりやすいキャラクターやアニメによる説明はそれでもいいのですが、逆に言うと世間並みに運転手の待遇は営業や他の技術職に比べそうはよくないわけです。
 市バスと民間の運転手の間で給与差が無くなったことで、民間に運航を委託することによる経費削減のメリットも小さくなるといった状況もあり、提携する京阪バスなどの会社も運転手が集まらず撤退路線があるなど、公共交通としての維持が難しくなるところもあります。
 そもそも市バス運転手で1000万円の年収があったというのは、どういう賃金テーブルがあってそうなったのか、不思議でなりません。公務員なので多くの方がいきなり減給や解雇はあり得ないので、徐々に世代により雇用条件を変えたのでしょうか。どう改善して今はそれが無くなったのか、そこに深い闇のような問題がありそうです。
 景気がよくなり、しっかり頑張って何年も働けば他の職種と同じく1000万ぐらい貰える方が人が集まると思います。
 昔は、接客態度も運転も乱暴な運転手がザラにいて、勤務態度も悪いけれども在籍をしているだけで高給だった時代があったのでしょうが、そこを抜本的に変えていることを詳らかにすれば、良い人材は集まるでしょう。
 民間と役所の違いは是々非々や、能力や業績よりも、年功が優先され、いるだけで勤勉手当が貰え、経年で号給が上がり、解雇されることも減給されることもないところです。細かくバス停に止まり、乗客の乗り降りをワンオペでするバス運転手が、ある意味長距離よりも難しい仕事です。成果評価ができるようにして、待遇改善ができればかりがいのある良い仕事になりWINWINの体制になる気がします。

任命責任まで言うと

 会社で、誰かが不祥事を起こしたら、決済や監査などに絡んでいた場合、監督責任というのはあります。
 しかし、大人の人間なので任命した人事や上司がその責任を問われることはありません。大臣だからといって、首相が全ての行動を掴み、私生活や人格まで把握することなど無理です。
 何か問題が起きると、任命責任と騒ぐ野党やマスコミも、無責任な誹謗です。その人間が辞職なり責任をとればいいことです。
 プロ野球の監督や球団社長が選手の不祥事でいちいち責任をとる訳ではありません。映画監督やプロデューサーも、役者が何かしでかしても責任を問われません。
 もう少し具体的な政策に関して、追及し、論争すべきが国会であり、大新聞たる政治面ではないかと思います。
 もう一つは今のように、政権支持率が下がると、それまでは忖度というか温存していたようなネタを、一気に放出して、あれもこれも悪いと、池に落ちた犬を棒で叩くような卑怯なやり方も何だかと思います。
 どうでもいいこと、たとえば調子に乗ってエッフェル塔の前でポーズをとっても、そんなものスルーしてもいいネタであり、政権がびしっとしていればゴミのような話です。もうちょっと、何か経済、社会保障にしろ、外交にしろ、議論するところ、ツッコむところはあるはずなのに、素人ウケだけ狙うのがプロのマスコミのやることかと嘆きますし、そんなものはゴミと無視するリテラシーが必要です。。

ゼロ飲料に高いお金を払う不思議

 発泡酒の税率が変わったこの秋、ビールやチューハイ風の飲料でカロリーゼロとか、糖質ゼロ、アルコールゼロなどもさまざまな新商品が追加投入されています。
 個人的には、稼ぎの少ない若い頃は発泡酒を呑む機会も多かったのですが、この微妙な味のつけようはやはり添加物とかも多いかなと、やめにしました。
 日本人は、税金の対策とか原料の入手難など条件の制限で、起用に新商品を産みだします。しかし、マーガリンのトランス脂肪酸が身体に悪い(今の商品は低減化しています)とかやはり本来の原料からの製法からいうとまがい物文化ではあります。
 ビール系では、発泡酒ではない本格ビールで糖質ゼロという商品がかなり宣伝されて、店頭を占めています。ある意味贅沢な糖尿病など、肥満対策のものです。
 ヘルシー嗜好とはいえ、そもそも飲まない、食べないなら問題はない気がするのです。
 為替相場もありますが、世界には200円ぐらいのビールワンパックを食事に充てれば一週間ぐらいのカロリーを取れて救われる命もあります。
 明日をも知れぬ飢餓の人々がいる国がある中、飲んでも食べても栄養にならないものにお金をかけることや、むしろ脂肪や糖の吸収を抑える食品が出回とは、本当に贅沢な国です。それで経済が回り、貧しい国に支援ができれば国際社会としてはいいのかもしれませんが、何かわりきれないものがあります。
 高度経済成長期にあるSF作家が予言していた通り、人間の営みというものが、生命の維持と子孫を残すものから、ただその世代の快楽のために、本来の本能的な必要とは関係なく、食事をとり性交をするようになってきているのです。
 

新型コロナ・インフルのワクチン同時接種


 コロナの頃は「はやく5類へ移行せよとか」、「ワクチン薬害」とかも陰謀論か否かで相当ネット上で話題となりました。ワクチン接種や患者の数も毎日報道されるのが3年ほど続きましたが、いい悪いは別に意識の中で下火なのでしょう。
 そんな中、インフルエンザが流行しています。
 もう熱が出たらインフルエンザでも新型インフルエンザいわゆるコロナでも患者も医療機関もいっしょくたです。
 政府やマスコミははそれでもいわゆるコロナに続き、インフルエンザもワクチンを推奨しています。テレビ番組でも、特集的にインフルエンザの流行の情報から、一度罹っても別の型で罹る時があるから流行期間が長い今年はワクチン接種の意味が大きいと推奨を報道しています。
 そして問題の新型コロナ・インフルのワクチン同時接種です。

(以下 報道の編集です)

 米疾病対策センター(CDC)とFDAの1月の発表によると、ファイザーの新型コロナ2価ワクチンと、高容量またはワクチン効果を高めるアジュバント添加のインフルワクチンを同じ日に接種した高齢者について、わずかで不確実な脳卒中リスクが安全モニタリング調査で指摘されました。これを受けてFDAは、高齢者のワクチン接種後の脳卒中に関するより広範な調査に乗り出したそうです。 FDAの調査で確認された脳卒中や一過性の脳虚血発作は、10万件の接種につき約3件の割合でした。これは主に、高容量またはアジュバントを添加したインフルエンザワクチンが原因だった可能性があることも分かりました。
 CDCの専門家は25日、「新型コロナの2価mRNAワクチンを単独あるいはインフルエンザワクチンと同時接種した場合の虚血性脳卒中について、入手可能なデータでは安全問題を裏付ける明白かつ一貫性のある証拠にはならない」と説明しました。
(以上、ほぼ報道のまま)

 FDAは日本では厚生省にあたり、CDCは国立の医薬研究機関です。アメリカの医療の大本営発表のようなものです。
 そもそもいままでのインフルエンザ予防接種で、流行の型を予想して外れて、あまり効果なく罹患が多かった年でも、「重症化しない効果はある」と言われ続けていました。それなのに、別の型のインフルエンザに罹っても免疫の効果はないから、予防接種を受けるべきとは理論的に破綻しています。
 同時流行は最初は恐ろし気に映りましたが、ウイルスは拮抗しますし、初期のコロナのように騒ぐほどのものでもありません。大部分の医療機関で発熱した外来患者を隔離し、一般の救急もたらいまわしで診てもらえないような状況はありません。あのパニックが感染そのものより、インフォデミックとでもいうべき医療機関の人為的な制約のによるものだったのがわかります。
  
 可能性は小さくとも、ワクチン接種というのは脳卒中にしろ、アナフィラキシーショックや呼吸器、循環器系の病気などいろいろリスクは高まります。免疫を人為的につけるためには失うものもあるのでしょう。たかがインフルエンザで罹患しても死ぬかどうかのリスクのバランス、損得を見ないといけません。
 日本でしっかりリスクを説明しないで、国の推奨のまま、同時接種して脳卒中をおこしたら、国を相手取って裁判しても結構戦えるかもしれません。
 

プラスティック消しゴム

フリクションボールペンも出回る中、そもそも筆記用具のいらない、スマホをメモ帳の替わりも増えている時代で、鉛筆書きというのもそう多くはないです。シャープペンシルの頭についいている消しゴムで十分と言う人もおられます。
 そんなマイナーなアナログ文具の一つ、鉛筆書きを消すのが消しゴムです。
 最近はツルッと消せて、消しカスがまとまりやすいプラスティックの消しゴムがシェア70%以上で主流と聞きます。
 このプラスティック消しゴムは戦後の日本の発明です。天然のゴムがとれない、日本らしい代替発明でした。

慣れるとくせになるほど使いやすいのですが、なぜか今の職場は、あまり消しカスのまとまらない古いタイプの消しゴムなのです。何だか東京の方で集中差配するようで、在庫はプラスティック消しゴムではないようです。とくに公文書のためとか、そういうものはないようで困ったものです。

マンション修繕費の積立金不足問題

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 先日マンションの管理組合の総会で理事役員として値上げ決議を決めたところでした。
こんなニュースをNHKでやっていました。一戸建てや、賃貸の人はあまり関係ないですし、言葉の解説から入ります。

管理費とはマンションの共用部における日常的な運用のために主に使用する費用

修繕積立金約10~15年に一度の大規模修繕工事で主に使用する費用

     以下ほぼ報道のまま、若干抄訳、編集。
     マンションの修繕費などを賄うための積立金が不足するケースが増えています。修繕費の見積もりや徴収額の設定が不十分なことや、資材の高騰で修繕費が上昇していることなどが背景にあり、国土交通省は専門家による検討を始めました。
    国の2018年度の調査では、修繕計画に対して積立金が不足しているマンションの割合は34.8%と5年間で2倍以上に増えているということです。
     マンションの修繕積立金など管理計画のガイドラインの見直しに向けて、国土交通省は30日、専門家による検討会で議論を始めました。国土交通省によりますと、積立金の徴収額は築年数などに応じて段階的に引き上げていく方式が最近多く、新築マンションの修繕計画に関する調査では、最終的に見込まれる徴収額は初期の徴収額に比べ平均で3.6倍となり、中には10倍を超えるケースもあるということです。

     背景に修繕計画の甘さ、徴収額が不十分、ここへきて資材や人件費の高騰と上げられていますがそれだけでしょうか。
     2018年の調査というデータの古さがナントモです。
     いったい、どういう流れでこのムーブとこの報道となったのでしょう。裏はありそうです。NHKへ映像で築15年のマンションがいきなり大規模修繕工事の積み立て不足で、値上げをした理事が登場していました。NHKの映像は基本信頼できません、そもそも、修繕計画の甘さというのは誰の責任なのか、これでは住民が悪いというリードに近く販売側の問題は一切取り上げずです。
     普通の人は一生に何度もマンションを買うわけではありません。修繕積立金の相場はもちろん、修繕の必要性も言葉さえ知らないのです。夢のマイホームに人生最大の奮発をし、浮かれてしまい、銀行とタッグを組んだ販売会社の言いなりに、低くなったとはいえ預ければゼロなのに金利を払ってローンを組んでいる人がほとんどでしょう。
     想像する一つのニュースの背景ですが、現実にコロナ禍あたりから、元々厳しかった修繕積立金会計の問題で、急な値上げで、ローンの焦げ付きが増えだしたからとも思えます。修繕費が払えない人が増えると管理会社や管理組合の住民も大変ではあります。
     マンションの修繕がままならないと、資産価値はガタ落ちで、再販売や賃貸に回すのもままなりません。ゼネコン、販売会社や管理会社、銀行も、ある程度景気の良かった時代は、審査も計画も甘くギリギリまで儲けられるようにぼったくりに近いような金利を払わせながら、もう払えない状態の景気になると、手のひら返しです。
     まさに値上げラッシュの中で、積立金も値上げしておきましょうとは、溺れた犬を棒で叩く、聞きようによれば雨の日に傘を取り上げるのがまさに背後にいそうな銀行です。国交省も修繕積立金の適正や、計画を指導するのもですが、ゼネコンの工事基準、建材や機器メーカーの保証期間などをよく精査しいらない修繕工事まで負担させないことです。公共の建物でも耐震工事こそしても、いいか悪いかは別として外壁にせよ通路や階段などもそれほど手入れはしていません。このあたりに、マンションは選択の余地すらなく、15年経ったら全面修繕です。住民には資産価値が高いのか負担が多いのかわかりません。
     住む権利というのは基本的人権です。住居関連がどんどん上がることは避けるべきですし、購入の時点で将来までの安心の負担割合が明確でないといけません。
     新しく購入する人は、管理費、修繕積立金の相場を知り、安ければ良いではなく、一定の修繕費は必要と値上げを覚悟すべきです。

    袴田さん再審初公判

     袴田巖さんのいわゆるやり直し裁判、再審初公判が一昨日静岡地裁で行われました。
     刑事訴訟法は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」がある時に再審公判を開くとしています。袴田さんは拘禁症状があるとして出廷は免除され、お姉さんのひで子さんが「弟の代わりに無実を主張します。巖に真の自由をお与えください」と訴えておられました。
     拘禁症状っていったい何かと、WIKIで調べると
     拘禁反応(こうきんはんのう)とは、強制収容所や捕虜収容所等の監禁施設、刑務所や拘置所等の刑事施設、精神科の閉鎖病棟等、強制的に自由を抑圧される環境に置かれた人が示す人格の変化を指す、精神医学や心理学における術語。より非公式な表記として、拘禁症、拘禁病と表記される場合もある。
     全くの無罪かもしれないのに一度ならず死刑判決を下されたなら、どんな人間でも病むでしょう。
     お姉さんのひで子さん90歳だけど、本当にかくしゃくとして、御立派でした。弟を信じ、支えたい一心で頑張って来られたと想像します。

     検察はなお有罪を訴えるそうです。
     事件の約1年2カ月後に、血痕が付いた衣類がみそタンクから見つかり、これが犯行着衣と認定され死刑判決に至ったが、静岡地裁、東京高裁は弁護側の実験結果により「赤みは残らない」と結論付け「捜査機関の捏造ねつぞうした可能性にも言及し」法と証拠に基づく判断をしました。検察は有罪立証をして行く考えは悪あがきではないかとの見方さえあります。
     立場上断定的なことは言えませんが、時系列を見ると組織的な冤罪なら恐ろしいほどの負担を個人に与え、時間を奪ったのです。そして、袴田さんが無罪だったとして、償えるものでもありませんが、償わせる人もいません。
     事件が起こったのは1966年、死刑が確定したのが1980年、当時を覚えている人も少ないような時間の長さ、袴田さん兄妹に平成という時代があったのでしょうか。1966年まさに高度成長まっさかりで、東京オリンピック、今騒がれる関西勢同士南海対阪神のプロ野球日本シリーズの2年後です。私や岡田監督は物心ついたころで生まれていますが、オリックスの中嶋監督は54歳なので生まれてもいません。そんな前の時代の事件です。
     真実が明らかになり、このようなことが令和の時代には起きないことを願います。
     

    日本はやはり平和〇〇?

     ロシアに続いて、エネルギー面で依存する中東の戦争は日本経済に大きな影響を与えるかもしれないです。とは言え、日本にとってはやはり遠い戦争という感じもします。
     批判的で好きな言葉ではないですが、日本人の感覚は、「平和ボケ」「お花畑」なのかもしれません。
     ウクライナとロシアの衝突であれだけの死者が出て、今回パレスチナ、ガザ地区でも市民の命は一瞬にして空爆で失われています。
     戦争に反対する人も、どちらかが悪いとか、一方が早く勝つとか支持するというのはさておき、それだけの命が失われていいるのです。
     かつて日本でも戦争がありましたが、今は平和です。
     戦禍で死んでいった人は、性的虐待を受けたわけではありません。LGBTの権利を叫んでいたわけでもありません。そんなことが全く微細に思えるほど理不尽に一瞬で死んでいるのです。
     平和に中で、マイナノリティだったり、イジメや差別、暴力にあったりするのはそれも辛いことかもしれませんが、やはりそれは「平和」だからなのです。
     ウクライナで戦争が続いていても、ガザに戦火が燃え上っても、日本では少年へに性的被害の賠償や、LGBTの手術が憲法違反とかが、大きく報道される「平和」な国なのです。
     

    ハンコホルダーというアナログ文具 買いました

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     役所などの公的機関に勤めてはじめって知ったステーショナリー。
    ハンコそのものが民間では絶滅というか、廃止に近づく中、比較的大きな文具売り場の隅にはあり、売っています。朱肉を内蔵してワンタッチで、いわゆる三文判でも楽に捺印できます。
     いわゆるシャチハタといわれるインク内蔵のスタンプ式のネーム印と同じメーカーが作っていて笑えます。
     今は宅配便は、サインやスマホにタッチで印鑑不要が多くなり、公的機関だけかと思います。
     一部は出勤簿が自動化しかけていますが、今だにハンコのところもあります。
     そのハンコが、基本ネーム印不可なのです。
     三文判とどう違うというツッコミはありますが。そういう決まりなのです。その他、いろいろな確認の書類、郵便、その訂正などにハンコが必要です。
     大量の書類や発送物にハンコが必要な場合、これが重宝します。
     いつまでその制度が続くか不明なので、詰め替えインクは買いませんでした。
     しかし、それはさておき、まだまだ実印を使う重大場面は代替が効かず使用機会は減るとは思えません。認印の廃止はスモールスタートで、大きな変革へのトライアンドエラーかと思いましたが、全く先の計画はありません。
     一般の方でも相続、土地の登記等で使う実印が当面なくならない感じで、そういう面ではハンコ文化健在、値段の高いハンコは無くならないでしょう。

    定年後再雇用 定年延長を考える

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     【報道のまま】定年退職後の再雇用で基本給や賞与が引き下げられたのは不当だとして、名古屋自動車学校(名古屋市)の元社員60歳の定年後の男性2人が差額分(業務内容は変わらなかったが、基本給は定年前の半分以下の月額7〜8万円になっていた)の支払いなどを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は20日、基本給が正社員の60%を下回るのは違法とした二審名古屋高裁判決を破棄し、審理を同高裁に差し戻しました。嘱託職員の基本給は「正社員とは異なる性質や支給目的がある」とし、詳細に検討すべきだとの判断を示しました。

     個別の判決の趣旨に対してではなく、定年延長と、定年後の再雇用という高齢化社会の難しい問題をはらんでいます。
     これは司法、裁判の問題でもありますが、雇用、労働の深い闇と光の部分です。細かい部分で言えば、高齢者雇用継続給付金が雇用保険から支払われ、基本給の3分の2の範囲で低下した部分をカバーしてくれますが、ここまで下がると給付されてもかなり苦しいでしょう。
     ただ多くの60歳以上にとって、全く新たな仕事、会社に移るのは並み大抵のことではなく、雇用されたとしても、やはり最低賃金に毛が生えた程度で、雇用保険からのカバーも高年齢再雇用給付金となり期間などは減額になります。


     多くの人が、定年延長ならベスト、定年後の再雇用も仕方のない選択なのは事実です。企業にとっては、年齢を重ねた社員は給料は上がっていますから、経営者によっては本当は雇用さえしたくない本音もあるかもしれませんし、退職金も払った上、そこそこの給料で雇用するのは厳しい財政事情という企業もあります。この教習所がすぐに経験者が雇えない現場なのか、合理化で人は余っているので若い社員に切り替えたいのかは分からないところです。
     いずれにせよ、労働者が求めれば、働く権利は認められないといけません。管理職や、転勤のある正社員のリーダーなどが60歳を迎えた時はそれなりに、裁判になっても名目はたちます。同一でない仕事ということで判決的には納得できそうな仕事の区別ができます。実際にはこの会社のように定年前後で同じような仕事をしている営業現場や事務仕事、作業などというような感じの仕事は多いでしょう。
     再雇用制度にはこのあたりに限界がある気がします。
     この問題を突っ込んで考えると、元々正社員と、非正規社員で同じような仕事をしていて、そこにも矛盾がある深い問題が浮かび上がります。
     むしろ正社員が定年後に非正規に均されているような面もあります。
     
     いわゆる管理職定年で、裁量権のない現場的な一般職に年齢とともに降格させて、60歳で急な変化のないような定年延長を段階的に公務員は考えており、大企業も追随しそうですが、これも結局職種や業種によっては難しい面があります。能力の低い正社員が同程度か、それ以下の仕事をしていても高い賃金を貰っている場合があります。給料が高くて、少し人たらしで部下に指示し、自分はスキルなくスタッフに助けてもらうだけの管理職なら、バイトの方が仕事はキツイこともあります。それでも、長年勤め上げ、世間的には価値なくとも本人はそれなりなのですから、始末は悪いです。

     平たく言えば、そもそも管理職までやった人が40代から50歳前後にヒラに降格するというのは結構残酷な話です。やっと、部下に命令して、自分は経営企画に携わり、重要案件の決済、勤退管理やチエックなどに専任と思っていたのが、一から書類を作り商談に赴く、時には現場の作業など指示され加わるのです。それもAIが進化すれば人手がいらないような状況で、人手が要るのはより泥臭いところしか残りません。
     中高年の雇用のところは、考え方を変えないと明るくなりません。昔の体育会系のように、一年先輩が神様ではなく、入社した時から、フランクな友達感覚ぐらいでないと、こうゆう流れにはならないでしょう。