京都市バス観光客別運賃に?課題多く

 報道によると、
 京都市は6月5日、市バスを利用する観光客の運賃を市民よりも高く設定することも視野に入れた制度の構築を求め、国土交通省に要望書を提出しました。

 コロナの影響や、それ以前からの東西線の建設費負担などで、赤字が大きく、市の財政を大きく圧迫しています。
 以下 報道のまま
『市バスや地下鉄の利用客が減少し、大幅な赤字が続いています。 市は経営改善に取り組んできましたが、観光客の利用が多いバスの運賃を上げることで、さらなる増収を期待しています。』
以下は関西テレビの報道、文字起こし
『さらに、もう一つの狙いが、”混雑の緩和”です。コロナの感染が落ち着いたことに加え、700円で1日乗り放題というお得なチケットの影響も重なり、閑散した状況から一転、バス停は長蛇の列ができ、車内も”ぎゅうぎゅう”の状態に。 市は「観光客の運賃が上がれば混雑が緩和し、市民が利用しやすくなるはず」と期待していますが、利用者からはさまざまな声があがっています。
【京都市民】 「(運賃は)一緒でいいんじゃないのかと思います」
【横浜からの観光客】 「地元の人が困っちゃうのも気になる。(値上げは)しょうがない」 【京都市民】 「地元と観光客どうやって区別するの?私にはわからない」
【岡山からの観光客】 「値段が高くても利用する方は絶対利用するだろうし、観光におけるバスは景色を見ながらいくというのでマスト。必ず必要なもの」
 地元の人だけでなく、観光客にとっても大切な移動手段になっているバス。京都市の門川市長はあくまでも運賃改定は「混雑の緩和」が1番の目的だと強調します

【京都市・門川大作市長】
「市民生活と観光、この両方の快適度を高めていく。料金に差をつけることが目的ではなく、どうしたら混雑を回避できるかという方策の一つ」

―Q:観光客から多くお金を取りたいという狙いではない?

【京都市・門川大作市長】
「全く違います」

■観光客と市民をどう区別する?
京都市によると、このような試みは全国で初だということです。「観光客と市民をどうやって区別するのか」について、市に聞きました。

あくまで市がイメージとして検討しているのが、「マイナンバーカードとひもづけされた交通系ICカードの導入」と「観光地行きの路線では観光に特化した専用バスを別に走らせる」という方法です。

市は観光客と市民との区別はできると考えていますが、値上げ幅や実施可能かも含め、国と調整したいとしています。運賃の改定に様々な課題がある中、市民と観光客の双方が納得する形に着地できるのでしょうか。』
 関西テレビのnewsランナーという番組からです。

 観光客と地元市民で料金に差をつけるというのは現実に可能か、鉄道系の友達やインフルエンサーの間でも、話題になっていました。
 マイナーナンバーカードの住民情報を利用するとは言え、交通系カード必須と言う問題が一つと、近隣からの通勤客と、観光客の線引きは現実には不可能で混乱を起こしそうということ意見が多かったです。

 京都の場合、地下鉄だでで行ける観光地が比較的少ないのも市バスに観光客が集中した問題点です。市バス一日券を廃止し、地下鉄と市バスの共通一日券のみにしたのですが、それでも市バスに外国人観光客は集中します。観光地が、地下鉄とバスや、私鉄を乗り換えないといけないところが多いのです。京都駅から八坂神社や金閣寺とか銀閣寺に行くとして、1本で行けるバスに集中するのは自明です。
 地下鉄は実際には早くて空いているのですが、彼らは煩雑な乗り換えができないのです。
それなら、一般市民の通学、買い物や、通院などとは、ルートは多少かぶっても観光とは別のバスを仕立て仕立てるのが賢明です。
 実際、市民にとっては、市の財政問題で敬老乗車証は大きく値上がりする上、コロナの自粛が明ければ今度は観光客で満足に移動もできない混雑を強いられて、不満しかありません。実はこの混雑問題はコロナ以前に逼迫して出ていた問題で、コロナで乗客が減って今度は財政赤字問題も勃発し二重の大問題と化したのです。
 交通体系が、計画的でしっかりしたものでないことと、コロナでお客さんが戻っても儲かる構造になっていないのは大きな問題です。バスを増便しても、その運転手やら何やらでそんなに儲からないのは、何とかしないといけません。
 他都市、他の観光地と比べて高すぎる運賃も問題ではあるでしょうが、京都というブランド価値のある都市に来てもらいそこで市が儲かる税、利用料などをうまく徴収しないと、ほっておいてもブランドを利用して外資や他府県の業者が大儲けしているのです。
 地下鉄にしろ、市バスにしろ市民に安全快適に、沢山利用していただくのが公共交通の使命だと考えます。高齢者や乳児、身障者などにも料金や利用時に便宜を図るのは当然の事だと思います。いかに快適にたくさん乗ってもらうか、赤字減らすとか財政とかはそこから工夫次第で何とかなります。市民が乗る機会が増えれば、そこに市民の利便と収入を増やす情報、デジタルサイネージの広告なども増やせますし、エキナカのビジネスももっと儲けることができます。
 市バスの定期券は、通勤や学生の継続などは自販機でも買えるようにすべきですし、いかにも役所的な定期券売り場など改め、私鉄を見習ってほしいところです。

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