やがてくる、高金利日本の終わりの始まり?

 ニセコはじめ外国人が多く訪れるスキー場では、カレーや牛丼、ラーメンなどが2000円~5000円で売られ、インフレが局地的に進んで、バイトの時給も高くなっているそうです。
 経済評論家の中には、遠くない未来の日本全体の先取りと言う人もいます。気楽に国内から移動してきた人は、リフト代含め全ての滞在費が高額になり驚くそうです。
 かつても、ちょっとした観光地やハイキングで行った山頂などでは、ジュースが高かったりはありましたが、食事全体が何倍にもなることはありませんでした。
 インフレは日本の場合、メーカーや流通、お店の努力で最低限には抑えられて来ました。 

日本は長年デフレ経済が続いてきました。なので、日銀は異次元の金融緩和「ゼロ金利政策」を継続し、われわれが銀行に預けても利息はほとんどゼロでした。逆にまったく増えない。むしろ手数料ばっかり取られ、実質的にはマイナスでした。それでいて、値上げが始まります。いったいこんな世の中に誰がしたのかと嘆きたくなります。

 今年の春、いよいよその政策に終止符が打たれようとしています。「金利がつく世界」に戻ろうとしているようです。そのための条件となっているのが、物価がゆっくりと上がり続けること。そして労働者の賃金が上がることである。

●賃金が上がる↓人々がモノを買う↓物価が上がる↓企業が儲かる↓賃金が上がる

こういう「好循環」に突入すればよいのです。現時点では、「その可能性は微妙」です。賃上げ交渉である「春闘」で企業側がOKと言えば、日銀がいよいよ「利上げ」に動き始めることになります。

 しかし、日本には「はいそれ」とすぐに賃金を上げられない多くの中小企業の社員、役員がいます。蓄えも少ない人で金利の恩恵の無い人、多くの年金生活者にとって、物価が上がることは、あまり好ましいことではないかもしれません。物価や賃金に連動するのは遅く、その幅も年金財政のため小さくされます。社会保険料の上昇も毎年あり、賃上げの効果を滅殺し、金利が増えても、それ以上にモノの値段が上がってしまえば、「実質的な購買力」が落ちてしまうのです。政府は公務員の給料や政策のための原資を、初診料医療費負担、薬価や診療報酬なども含め、社会保険料を値上げして対応しようとします。年齢的にもどこかで病院にかかる年金生活者や障害者にとっては大きな実質負担増です。

 こうなるとインフレ下の不況という、多くの国民としては厳しい状況を迎えます。
 日本の品質の良い商品、きめ細かいサービス、美しい景観の土地も含め、高騰すれば国際的には売れますが、そこで海外に利益が流れれば、日本人に残るものは少ない可能性があります。
 これからの経済のかじ取りは本当に難しい。政府は、自分の党の裏金問題に四苦八苦してる場合ではないのです。

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