猪木 人生の応援者であり、政治家でもあった

 昨年10月に亡くなったアントニオ猪木を追悼するドキュメンタリー映画を観ました。今、どこでどうされているかは知りませんが、若手社員の頃の先輩に猪木ファンがいまして、プロレスの日を楽しみにしていました。
 少し年上から、私より下の50代ぐらいまでが子供の頃、猪木の激闘を応援した世代ではないでしょうか。
 プロレスラーであり、そのジャンルにとらわれず、いろんな人の人生を応援する求道者のような生き方をした人物です。
 この映画の劇中ドラマの中にも、女兄弟とタイトルマッチでもチャンネル争いをした子供もいるでしょう。昭和から平成の手前の時期、ようやく裕福な家でビデオが出回り出した頃が猪木プロレスの最後の隆盛でした。最後も安田顕演じる主人公が猪木ビデオに励まされ、子供や学生だった頃も猪木の戦いや言葉に支えられてきたことを思い出します。
 常に、プロとして、新しい戦いの場や、恥も恐怖も恐れず、怒りを込めて敵にぶつかっていく姿は、その後政治家となっても、一見無謀で懲戒ものでしたが、誰も恐れて近づかないイラクや、キューバに命懸けで行動していく姿は、凡庸な体制べったりの今の政治家にはあり得ないスタンスでした。
 まず、行動を起こし、チャレンジをする、意外なほど、その後のアスリートやアーティスト、芸能人にも影響を与えています。
 データ分析やら、戦術が進化し、トレーニングなども充実した現代ですが、昭和のプロレスのヒーローが未だにVHSデッキのテープとともに語り継がれるのです。

サービス残業は良くない

 あまり長い期間ではなかったですが、労働局という役所で3カ月半ほど働かせて頂きました。
 労働環境。働く条件とも、さすがに悪くはなかったですし、学びも多くありました。。
 残業というのが、契約上もですが、全くないように気を配っていただきました。
 役所の中には、噂される働かないけど、クビにならない職員もおられるそうでした。
 しかし、私の上司は、キャリアのコースからは出遅れていても、よく気を配り自らバリバリとよく働かれていました。ご自身の残業は多く、ひょっとしたらサービス残業もあり得るかもしれませんが、制度上も間違いなくしっかりしています。
 サービス残業の問題も含め、残業の問題は随分昭和の頃からは社会全体では改善されました。公立中学や高校などの教師のみなし残業問題も表には出だしていまし、それに近いかもっとひどいブラック企業はまだまだあるかもしれません。ただ、多くの企業、店舗でも残業や処遇、休暇など労働に関しての意識は格段に令和の今の時代は改善され、しっかりシステム化しています。
 残業は、本人にお金が渡るだけでなく、会社では人件費がかさみます。さらに、一人を認めると、部署や他の支店などにも公平を保たないといけないかもしれません。
 私が残業をつける上司の立場でも、しっかりキリよく仕事をして欲しいという反面、現場などで事後や勝手に残業が増えるのには、困惑がありました。
 実はこの問題は、上司にリーダーシップがあり、組織が仕事の流れや問題点を把握していないと、根深い課題のまま残っています。
 同じ仕事を与えられても、能力差で時間内に終わる人のある人、残業になる人が出てしまうのです。これは残業が認められようが、認められなくとも不公平です。
 この問題は、やはり凛として仕事のあるべき姿を基本の労働契約通りとし、イベントやトラブルなど上司が認めた際以外は原則残業禁止でいかないと無政府状態になります。
 かつて、私もオフィスではなく、部下は派遣先の流動性が強い現場が多く、ついつい押し切られることを経験しました。それが、彼女らの固定給に近い形になるのも、本人は周りにとっても痛しかゆしのところもあるのです。
 自分は未熟だと、進んでサービス残業を買って出る派遣社員もいて、これも実はその場では重宝されても、あとを任された人は大変になりました。
 きめ細かく、仕事内容と本人の力量掌握で、原則残業なしを目指し、仕事ができる人は評価される。今どうか、なかなか微妙ですが、できないことはないと思います。

昭和史からの裁判 水俣病

 たまたま、昭和史の本を眺めていて昭和40年代の「日本株式会社の功罪」という一冊に、私の小学校時代の世相写真とともに、高度経済成長に伴い、日本の主要産業が重化学工業にシフトしたため、「公害」という新たな言葉とともに、裁判が始まったことが書いてありました。
 佐藤内閣時代の懐かしい写真、当時日米繊維交渉もあり、綿紡中心の繊維会社だった私は勤めた化粧品会社の前身も大きな転換期を迎えました。
 明治以降、絹紡や綿紡などが主要産業だった日本は、重化学工業により大きく発展し、世界の先進国へと成長します。しかし、その過程の暗部に公害の問題がありました。
 一時代も半世紀以上前の歴史と思われた名前が報道の一面に出ました。当時から引きずった公害裁判の判決が大阪地裁で先日下り、国とチッソ側に賠償を命じるものでした。
 小学生が耳には入れていた水俣病という、病と地名、社会の授業で学んだ四大公害裁判。そんな昔のことと言われますが、昭和から平成、令和まで苦しみぬいた方々がおられることに驚くばかりです。
 青春ドラマや特撮ドラマを見ていた子供が、還暦を突き抜けるまでの間、ずっと裁判をしていた人達がいたのです。金額や中身などもあれっと思いますが、内容な詳しくは触れませんが、ただただその長い時間の経過を耐えた被害者をリスペクトするしかありません。

 政治 行政、季節のボヤキ

 岸田総理が一昨日(2023年9月26日)、経済対策を指示している。物価高対策、賃上げ支援、投資促進等々であるが、税収が増えた分、国民に還元し、減税に繋がる対策、方向性ではあります。社会保険の負担も軽減せよと指示はしています。

 しかし、総花的というのか、目の前だけの解散総選挙対策という感じは否めません。一体末端まで降りて効果的な対策になるのか、法律を変えてまで根本的に見直すには時間もありません。
 国家を転覆させたいと思うほど反政府的でもなく、どちらかというと伝統的な日本が好きで保守的な考えを持つ人も、いざ一つ一つの局面ではどうも今の政治、行政のやることには不満も多いのではないでしょうか。

 丁寧に説明する段階で、説明する側でも課題が見つかり共有して改善するような小さなことが多いのですが、なかなか閣僚まで届きません。結果、目前の支持率や選挙を気にして炎上を恐れ無難に無難に、骨抜きの中身の割には煩雑な形だけが残る政策が多いです。

 子育て支援少子化対策、物価対策、年金や社会保険、インボイス制度、税制改革、明るい未来とまでは行かずとも、納得がいくものが少なすぎる。マイナンバーカードの不毛な攻防も、何かその後に明るい者は、トップはがっつり見せたらよいのにと思います。

 むし暑い、煮え切らない季節が続きます。

日本の漁業を応援しよう

 日本は海に囲まれた水産大国です。
 海に囲まれているので、陸上で国境を接している国はないことは地政学として幸運に感謝しないといけないと思います。
 地政学という言葉を使って、東アジアの現在の政治情勢を鑑み、北朝鮮やロシア、中国に囲まれた日本を必要以上に憂い、国防に結びつける人もいます。しかし、東欧や東南アジア、中東の陸続きの国と比べ、海の国境しかない日本の防衛は、海洋と空、サイバーなどに重点を置け、どちらかというと漁業を守ることに注力することも主要な国防のひとつです。

 今、日本の漁業、獲れた海産物が風評の被害にさらされています。
 輸入を拒む国が現われたのですが、それ以前に日本の国民もまた、日本の漁業に感謝し、漁業関係者をリスペクトすることを忘れがちではないでしょうか。
 正月の食材や、居酒屋のメニューを見て、以前お笑いの大御所が、「ニシンだとかカツオだとかマグロ、どうやって獲れるねん、命懸けやぞ、俺やお前らには無理やろ」と言っていました。
 まさに、その通りで、近代的な漁法が発達しても、第一次産業の漁業の担い手は、怖らく減っています。
 そんな中で、日本人が当たり前に魚を食べ、漁業関係者に感謝する気持ちは忘れていけないでしょう。

所得倍増した池田勇人、人物も時代は違う 

 昭和史をたまたま読んでいると、戦後私が生まれた頃のいわゆる【所得倍増】論の池田勇人元首相の話が目に入りました。
 現在の岸田総理の政治的なルーツとしては、広島県、自民党宏池会ということで、池田勇人、宮澤喜一の流れなのでしょう。
 今の政治が閉塞しているなあと思うのは、ほとんどが3代目以降の世襲になり、その世襲政治家が長い下積みを経た後、さらに時間をかけて根回しをして世間では定年で引退するぐらいの年齢になってやっと首相の座を狙える位置にたどりつくという面です。
 政治信条とか、偉業や実績の評価、賛否は抜きにして、戦後という日本がリセットされた混乱期にあったとはいえ、池田勇人は初当選議員として大蔵大臣に抜擢されます。戦前からの官僚を経て49歳の1年生議員とは言え、今では考えられない重要閣僚へ就任し、経済の舵をとります。
 1960年に首相就任、当時も自民党内では、岸、佐藤の安倍一族との熾烈な争いもあったようです。日本経済は高度経済成長期が迎えられたことで、大いに評価される面もありますが60歳前後で活躍し、65歳ではすでに退陣、ガンで病死されました。
 今66歳の岸田さんの年齢ではもう生きておられないのです。この年齢の差には、時代の流れを感じます。日本人の寿命が延びたと言えばそれまでですが、引退する年齢、活躍する年代もどんどん後ろ倒しになっていることを痛切に感じます。
 また今、66歳の岸田さんでさえ、比較的若い年齢で議員になり、当選回数を重ね閣僚、首相になっています。
 困るのは政界、自民党には、現職やOB 含め、さらに長老、いわゆる老害的な人がたくさん生き残っているのです。これから先の議員は本当に何歳で財務大臣になれ、首相になれるのか最高権力を握れるのか、自分のやりたい政治をやれるかというと、もう暗澹たる思いとなる閉塞感でしょう。
 そんな年齢でお鉢が回ってきても、気力がなく、やりたかったことも忘れているのが普通です。
 これでは、優秀な人材が、政治家や官僚を目指さなくなるのも分かります。

コロナ後、返せぬ負債に苦しむ人々

 新型コロナウイルス禍に関連した企業の倒産が今年に入って増加している。 コロナ対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などの支援でしのいできた中小・零細企業の「息切れ」が目立つ。 物価や人件費の高騰が続く中、融資の返済が本格化するとみられる秋以降は倒産件数がさらに増える可能性がある。 【報道寄り】
私が公私で知りうる京都府の企業やお店なども、老舗を含め、結構な数が廃業されています。 コロナとその後の息切れだけでなく、高齢などで後継ぎもなく、コロナ禍では支援金で息をつないだところが、堰を切って廃業というケースも含まれるようです。
 また、難しい問題ですが、業種によっても支援が手厚いところは、逆に汗水たらして働いて儲けるよりも、支援や給付、借入でお金が入ったことで、勤労意欲がなくなったような面もあるようです。
 行政の支援も、アフターコロナのグランドデザインをしっかり示せず目先の対応に追われていました。 飲食や旅行業には予定通り復興への支援はしたものの、地元の中小零細のところは大きな景気回復もなく、物価高で材料や運賃が上がり、青息吐息でコロナ前に戻ることもなく、借金返済どころではないのでした。
政府の支援というのも、禁断の果実のようなものがあり、一度そういう果実を味わうと、仕事で汗を流す体力や気力を奪われてしまう人がいるものです。本当の意味でセーフティネットはいくつかあるのですが、プライドや見栄でなかなか苦境を詳らかにしないうちに、最悪の結果を迎えるケースもあります。
 政府が民間の支援策に深くからむと、どうもいいことがありません。業界の一部の言いなりになるため、結局その業界全体の未来を奪う可能性を秘めます。飲食や宿泊、運輸に毎年税金キャンペーンを張るわけにはいきません。しかも、大儲けしているのは提案を受注した広告代理店や大手だけで、中小は少し以前に近づいた程度で、翌年このキャンペーンが無いとまた苦しいとなります。厚生労働省もさまざまな企業支援はしていますが、本業で苦しくなると最後は体力、気力がないところはアウトです。
 日本の国もワクチンや医療の面で負債を残しているのかもしれません。

原発処理水の海洋放出問題

 以前は「汚染水」という表現までされていた、原発処理水の海洋放出が始まり、中国が日本の海産物の輸入を禁止するなど波紋が広がっています。
 ネット上も、反対する野党を非難する声も上がり、意見が大きく分かれるところです。
 しかし、原発の処理水、除去は難しいトリチウムを含んだ水は原発を稼働している各国が海に流しているものです。風評被害は全くの科学的根拠のないものです。安全性については、IAEA(国際原子力機関)も認めてのことを国民に広く伝えてほしいものです。

  こういう騒ぎが起こること自体が、中国に利用され、結局は東北の地元漁業関係者に損失を与えていることに、ナンデモ反対野党や新聞は気づいていないのでしょうか。あるいは元々、中国の傀儡となって国民を扇動しているのか、情けない限りです。
 政権与党と野党が何かと対立するのはある程度仕方がないことですが、マイナンバーカード問題もしかり、まず日本の国益は何か、何でそういう経緯になったのかからちゃんと議論していかないといけないでしょう。一部の元民主党議員は一時与党だった時代、国政を預かり多少なりともその意義と、苦労は知っているはずです。間違っても国会議員や大手マスコミが日本の国益を損ねる行為をしてはいけないし、マスコミはウケるからとつまらぬ煽りをしてはいけないのです。

真夏のボヤキ マイナ保険証替わりの資格確認証? 

 体調がイマイチなので、真夏のボヤキを、改めて別の日に書き起こすかもしれません。テーマは深いですが。
健康保険証替わりの資格確認証
 昨日の岸田さんの会見で、マイナンバーカードの健康保険証一本化に伴い、健康保険証の来秋廃止は原則維持で、カードを持たない人対応の保険証替わりの資格確認証を最長5年間期限で発行するとのことです。まだまだ、反対世論が増えたり、不安が拡大するトラブルが発生すれば延期もあり得ると、弱腰姿勢でした。
 マイナ保険証替わりの資格確認証を5年も持たせれば、廃止は名目だけと与野党もツッコミます。さらに、その確認証の発行とセキュリティは大丈夫なのか、もうシッチャカメッチャカですわ。行政や健保組合、医療関係者もその資格確認証にどう対応していくのか、またぞろ業者が絡んでくるのでしょうが、顔写真やICチップなどの個人情報が組み込まれない今と同じ紙ベースの資格確認証がまかり通るなら、不正診察などを防ぐマイナカード読み取りのハイスペックの認証の機械の意味が薄れます。
 かと言って、後期高齢含めた、各健保組合や協会、自治体国保全ての、マイナカード未保持の方に、ハイスペックなカードを新たの期間限定で作るなど莫大な経費です。それを完全に配布しきるのて並大抵じゃないことは、現場実務経験のない大臣や高級官僚に実感できないのでしょう。
 世論がこうだから、支持率がこうだからで、右往左往では何も進まないです。
 健保組合や協会健保は確かに、健康保険証発行という仕事がなくなるので、暫定的に業務が来るのは雇用面で助かるかもしれません。しかし、そんなことのためでは国のDXは全く進みません。
 運転免許証もやがて廃止されると、今の免許証発行の事務仕事は無くなります。その時にもやはり、マイナ運転免許証を持たない人のために運転資格確認証を発行していくのでしょうか?いったいどれだけ税金を無駄遣いして、一部業者を肥やし、役人の仕事を維持し増やしていくのか、それをマスコミや野党、世論が後押ししているのではないと思います。
 

褒めて育てる?叱って育てる? 公開説教は時代遅れ

 マネジメント、人材育成手法のトレンドは「褒めて育てる」「いいところを探して褒める」「上司の労いが部下のモチベーションを高める」になっているそうです。
 ところが、まだまだ世の中にはパワハラ横行のブラック企業が叱ってこそ管理だと信じているところが多いようです。労働問題で後を絶たないパワハラ、話題のビッグモーターもそうですし、電通も鬼のような社訓を掲げ、未だに泥臭いことをやっているようです。
 公務員のような役所、行政機関でもよくそういう話は聞きます。
 昭和のまま、公開説教のような、長々と机の横に座らせて、ウダウダ言う人はいます。
 確かにグレーな部分はあり、反省を促し、周りにもくさびを打っておくのが効果が大きいと信じているのでしょう。仕事ができ、任されているタイプにも多く、上司もその人につむじを曲げられるのもめんどくさいのでしょう。かく言う私も管理職になったばかりの頃は、机を叩き、部下の無能を責め、自分の知識や履歴をひけらかしたダメな上司でした。自分がイヤだと思いながらも受けた仕打ちは、つい立場変わればやってしまうのと、甘くしては組織が成り立たないし、厳しさを求める人もいるとの思い込みです。
 トレンドは褒めて育てるのです。確かに責任の追及、ミスがあると犯人捜しも必要な場合もありますが、致命的な問題でない限り、問題の是非は明らかにしても、個人の責めはしないことを基本にすべきです。そうした方が結局は職場は上手く回ります。小さな問題をチクり合うような組織の方が、風通しは悪く反って問題は大きくなります。モチベーションも下がります。叱って育つのは稀で、公開説教的なものからはモチベーションの低下しか生まれないし、効率も悪いのです。
 ビッグモーターはアカンと言いながら、ついつい公開説教してる人はいます。