労働組合は時代遅れ?

労働組合のことを悪く書くと、実際に労組の委員などを無償で他の組合員のために奉仕した人、労働組合に助けられたとか、労組があるから経営陣の横暴にストップがかかってると信じている人らからは反論されそうです。少なくとも、労働組合が権力を使ってもう選挙や政局に関わらない方が良いとは思います。私自身が会社員の若い頃は、ユニオンショップ制の会社で労働組合に入り、職場委員や支部長を経験し、その会社の労使だけかもしれませんが前時代的な形式ばった古臭さと虚しさしか味わえませんでした。
 結局、経営者に丸め込まれた組合上層部には騙されただけのトラウマですので、どちらかというと「反組合」「労組無用論者」ですのであしからず。
 
 労働組合の理念と役割自体は全否定はいたしません。。しかし、労働に関しては随分と時代が変わり、世間の監視も強まり、多くの大企業がコンプライアンス遵守を掲げています。今の時代あんまり悪い待遇のところはすぐに淘汰されます。退職した社員がネットに呟いたりして、結果良い社員も集まらず、業績も悪くなるだけなのは経営層には周知されだしたからでしょう。
 そしてかねてからの問題で、本来スト権もない公務員に、労働組合があることです。役所によっては複数の組合があります。できて権力を持ち、政党と結びついた事情はそれぞれですが、権力とつながり、選挙活動を主導し、投票を強制するなどは必要のないことです。
 連合の一部、大企業の御用組合などは、自民党支持でも良いところが増えだし、このままでは、組合が自民党、国民民主党、立憲民主党、日本共産党と大きく4つに支持政党が分かれます。政治同様いがみ合いでは基本的な労働者の相談や交渉力は散漫になります。
 大問題となった新興宗教や与党にもなっている宗教と並び、未だに選挙の集票につながると政治家と組合は結びつき頼る古臭い体質があります。
 またそれゆえ利権の温床にもつながりやすいが労働組合です。かつてヤミ専従の組合幹部がぞろぞろいてかなり悪事を働いた事件の発覚もありました。いまだに、組合幹部のアンタッチャブルな面は多く、御用組合は経営陣と財界、政界と結び、地方でも地方公務員が市長、議会に暗然たる力を持っています。
 連合のトップが政府や与野党の要職とドヤ顔で付き合って会見しています。また共産党系の公務員の組合は手堅い票集めで党の比例代表候補などを国会に送り込んでいます。
 表向きのさまざまな活動は是としても、政治活動がかなりのエネルギー源であり資金源であることに変わりわなく、こと政治に対するその影響力は、健全な政治、国民、労働者、経営者にとっても何ら良い結果につながらないのです。
 労働問題やセクハラ、パワハラなどの対応の組織は、労働組合でなくても設置されており、組合が貢献したものではありません。賃上げや賞与支給は、それぞれの企業に組合費で専従する幹部組合員がいる組織などなくとも実現します。
 一つの役所に、支持政党が違う上部団体が違う組合員がいる公務員組織などは、仲が悪く効率が悪いです。コミニケーションが緩慢になり、ミスが起こりやすい。よく処理遅れ、情報漏洩やら、役所の事務の入力ミスなんぞ案外このあたりに原因があると思います。
 選挙時にいがみ合うような職場で、重大な過誤が起こらない方がおかしいのです。
 労働組合、やはりもういらないです。

「税」語られない富裕層優遇

 清水寺の今年の一文字漢字は「税」でした。流行語大賞では増税メガネは外れましたが、増税への不満、減税への期待等、政治や社会への国民の思いがわだかまっているのでしょう。
 血税という言葉は、反政府政党が良く使うので好きではないですが、国民には憲法で納税の義務があり、汗水たらし働いて納める貴重なお金で「税」を納めます。

 国民が国家、社会への参画、貢献、明日への期待を持って、また、社会人の責任だと思わせる環境を作るのが政治ではないかと思います。今の状況はやはり多くの人が苦々しく感じているのではと思います。
 私は富裕層の社会保険料を、限度額を設けないで率で支払えば、社会保険の財源が随分安定すると以前のブログで述べました。

何なのかと思うこの格差 いらない壁 – 天使の星座 (seizafpkotodama.com)

 この際、富裕層の負担を増やせば、海外に逃げられ日本の経済は停滞するだけだという意見もいくつかいただきましたが、少し誤解です。それは税率を上げるとかの問題で、社会保険料の提案をしているのは月130万でも1億でも同じ最高の標準報酬月額にせず同じ10%にしたらということです。
 所得税は40%で額ではなく率で上限ないわけです。社会保険料の10%などしれています。それを今は1%負担の大金持ちがいるということです。


 本題の税「所得税」の率も、実は富裕層を優遇しだしてから、日本の経済は低迷しだしたともいえます。他の国より税率が高いから日本の優秀な人材、多様な外国人がよりつかないとかが言わ日本にはお金だけで買えない文化、歴史、秩序、良い治安があります。むしろ税率以外の規制や、報酬を高くして、しがらみを撤廃して働きやすくする面ではなでしょうか。優秀な人材が流出しているのは税率ではありません。1987年~1988年の所得税率は8000万以上の収入で75%、その後のバブル期でも最高税率は5000万以上で60%でした。
 ところが最近はこの最高税率の額が下がり、2000万、1800万円の時代になり率は50%を切りました。2007年までは1800万円で37%、随分富裕層優遇で、低所得層はべつにしてある程度の所得で広く浅く税を取る感じです。その後、現在は4000万以上で45%。4000万円というと、プロ野球やJリーグではレギュラークラス、中小企業の社長さんでもザラにありますが、そこが最高でIT長者、前澤やホリエモン、アスリートのメッシや大谷翔平クラスやお笑いの大御所が10億稼ごうと45%です。
 確かに憧れはあるでしょうが、使い切れる額ではないので、名誉の評価と受け止めて、税でほとんど納めてもいいのではと思います。イチローが寄付したり、大谷が小学校にグラブを寄贈したりと美談もありますが、個人に委ねず税をしっかり納めるだけでもエライはずです。

消える年金 失業給付1円も貰ってないのに停止とは

 年金事務所に勤めて、その後労働局にも世話になりそこそこ知識はありながらも、この罠には怒りのあまり呆れるしかありません。
 64歳の年金受給者ですが、振込通知書を見ると、いきなり、特別支給の老齢年金が1カ月分無くなり、つまりは半額になっているのです。
 今は別の勤めについていて、所得はあるのでいきなりは困りませんが、失業手当を1円も貰わず、貰う手続きすらしていないで、求職の手続きをしただけで年金を止めるのはいかがなものかと思います。
 昔は退職金も貰い、年金も貰う人が、仕事をしなくても探すふりだけで失業給付も併給できた時代があり、それは貰いすぎという声が上がりました。それは分かります。それでも、失業手当を貰うとか、待機する手続きをした段階で年金が止まるなら分かりますが、同じハローワークで雇用保険被保険者証を使うとは言え、求職しただけで、年金が止まるのは迷惑至極です。

 私が怒ったのは、二つあります。
 一つは、この重要なことをハローワークの窓口できちんと説明されなかったことです。
 年金の説明資料には、上記のように記されてはいました。
 ハローワークの失業手当の説明会の資料の後半にも記されていますが、対象者も少なく詳しく説明されることはありません。あくまで失業手当が調整、停止されるのではなく、年金が停止するということです。
 65歳以上では、失業手当が元々給付されないので、この併給による停止はありません。高年齢求職者給付金は失業給付よりも総じて金額は下がりますので、併給が可能で年金は止まりません。高額の所得がある人は、65歳になる前に退職した方が、失業手当がたくさん貰えると裏技的に言われるのはこのせいです。こういう年齢の壁や収入の壁で、大きな差ができるのも知識がないと損をするという制度の問題です。
 法律を知らなかったから損をしたというのは、訴えても認められることはありません。役所などの窓口担当の説明不足の場合は責められても、根本は法律を変えてもらうように動かないといけないので、対象者受益者が少なく影響が少ない場合とても大変で厄介です。
 多くの政治家も役人も対象にはならずおそらく知らないでしょ。もっと難しい、貧しい人とかが騒がれるので、小さな改善はできないものです。

書評:「京都を歩けば仁丹看板にあたる」

 うーんついに本まで出た!ど真ん中の趣味過ぎて、書評がしにくいです。
タイトルになるほど、すぐには見つからない看板です。歴史も含めて、内容にはいろいろ知らない情報もありました。
 盗難防止のためか、2階の壁に設置されていたりするので、結構通りが交わる角などでは見上げると見つかる場合もあります。
 コロナ禍の制限が緩和され、インバウンド旅行客が戻り出して有名な寺社などの観光地は本当に外国人はじめ、人が多すぎます。
 私は紅葉の時でなくとも、金閣寺や清水寺には何年も行ってない上、まして混雑時に東福寺とか永観堂とか嵐山に行くのは憚ります。どんなに素晴らしい絵画が来ても2時間も並んで雑踏を見に美術館へ行かないのと同じです。
 街は広く、京都人が京都を歩くのは、こういう地味な古い街並みを味わい、オリエンテーリングのように看板を探すのが健脚にも良いのになあと思います。

残念な就職氷河世代の男性

 ある役所の繁忙期で3カ月ほど短期職員をしていた時、年輩者に交じってKという40代の男性がいて、一緒のチームで仕事をした。
 大柄だが、どこか気の弱そうな印象で、不安気な表情で、少しメンタルの弱い、自閉症気味もしくは発達障害的な雰囲気がありました。
 40代で定職につけず、結婚もしていないで、年金暮らしの親元から年に半分ぐらいの期間、役所などの事務系の短期の非正規社員をしているそうです。教職免許やら、資格もあるけれども、学校の先生や民間企業の営業などの仕事に長く勤めるのは、トラウマなのか、無理だとお諦めている様な話をしていました。
 他の職員や臨時職仲間が、年金プラスアルファや、扶養内の小遣い稼ぎ程度で優雅に働いて休憩中はグルメや旅行の話をしている中、彼は昼も自分で作ってきたおにぎり2個か、カップめん1個で質素に済ませて、散歩をするぐらいでした。
 私などが、外食をする話を聞いても、牛丼屋に550円出したり、カフェでコーヒーとスイーツを贅沢と感じるのかお金がないのかほとんど経験すらないような感じでした。
 そんな彼ですが、頭は悪くないのですが、どこか年輩者には、疎んじられイジメられ卑屈になっているのが良く分かりました。一人で黙々とやれる仕事や、力のいる整理などの仕事などは暑い中でもよくやっていましたが、誰かとやる仕事になると、「無駄口をしたり、何となく会話のキャッチボール、リズムが合わない、失礼な聞き方をする」など小さいけどもイライラするのです。嫌われているのが分かりました。

 チームのリーダーの主任はうまく、Kを一人でうまくやれる仕事を回したりして、イジメもなくよくやっていました。私も多少イラつきながらもKとお互いフォローし合いながら慣れない仕事もこなせました。Kは何となくなついて来て、話を聞いてもらいたい感じですが、相変わらず自己中心で、アドバイスや経験を話しても人の話をイラつくタイミングで切り、自分の話をします。接客や営業は無理だし、もちろん教師も無理だろうというのは分かりました。就職氷河期の不運はあっても、問題は本人にあることは明白でした。これでは結婚は別にして、良い友達ができ、仲間に理解されて仕事を長く続けるのは難しいだろうとは思いましたが、なかなかどうすることも出来ないなあという感じで、残念に終わりました。
 一度、仕事で厳しく諫めた時があります。大きな体を屈めて恐縮していましたが、それでも昼休みや帰りはむしろ私を慕うように、つきまといました。
 LGBTではなさそうですが、私もそれ以上深くは関わりたくなくて、期間満了の日も連絡先も交換せずでした。他の職員とは交換して、未だにやりとりがあり、Kには悪い気もしますが、とても残念ですがしかたない。
 Kは自覚をしているけれども、そこから前に進めない。バブル期に就職して、仕事ができないでのうのうとしている人もいますが、羨んで言い訳しても何も自分に帰ってはこないのです。自分で何かきっかけをつかんで変わっていかないといけないと思いました。
 人間関係が上手く結べない、Kが一人でやる事務仕事はいかにもAIがそのうち簡単にすませそうなものです。5年、10年先に今のようなままだとと思うと、確実に仕事は無くなります。彼の家の財政まで詳しくは知りませんが、寂しいものがありそうでちょっと可哀そうに思い返します。良い指導者、上司に恵まれ、彼が変われることを願うのみです。

美しい日本 忘年パーティー?シーズン

 12月も2週目となり、個人的には忘年会が一つありました。といってもちょこちょこですが、昔の会社仲間と雑談程度です。
 キャッシュレス化が進む中、割り勘はやはり現金の方がわかりやすいかもしれませんが、QRコード決済の割り勘も可能なデジタル化は進んでいます。
 来年2月に迫った地元京都の市長選や、パーティ券裏金キックバック疑惑の問題も肴となりました。
 前も書いたと思いますが、政府はデジタル化を進めているというのであれば、このようなアナログな不記載だとかの情けない姿を国民に見せるのは最悪です。私たちだけ、真面目にマイナンバー登録して、税金を納め物価高を凌いでいるのに、何千万、何億の不明を開き直られてはやってられません。
 政治活動は、非課税で使途を問われないものも多いので、なおさら透明にしっかりした管理が必要です。官房機密費で外交など政策上明らかにできないものは、アメリカのように何年かはクローズドでロックをかけ、それ以外は全てAIが読み込んで判断できるようにするのは可能なはずです。
 2004年、私が勤めていたカネボウという会社は、粉飾決算で経営破綻となり、産業再生機構に再建を託すことになります。巨額の負債を抱え再生中ながらでも、化粧品の幹部や多くの社員の中には、経費を今まで通りの飲み食いやらに使う者もいました。しかし、その当時の新しい精算システムで、出張の交通費宿泊費はカード一本管理、接待などは金額や、接待先や、支払い先、同行社員などを入力し、オーバーや重複、繰り返しなどの齟齬があると、チエックされる仕組みがなっていました。たかが、このようなシステムでも、ひっかかり指摘される幹部や、不正を考えごまかそうとして摘発される者もいました。
 人間、ウソをつこうとするとどこか齟齬ができ、機械、AIはそれを見逃しません。金額を増やすため、同行社員を増やすなどで名前を打ち込むようなテクニックはどこかでその社員が別のアクティビテイをしていて発覚し、結果過去にさかのぼって不正が厳しく精査されることになったケースもありました。
 そんなものが通る通らないの人間のレベル自体が低すぎるのです。せめて、経営破綻してお上の助けや親会社の援助を受けているときぐらい、清貧でもルールを守れないものかと思いました。
 これが20年近く前です。政府はもっとデジタル化を進めているはずが、日本の国が他の国に比べてGDPも下がり財政も厳しいと言われる中で、与党のその中でも主流派幹部政治家がこの体たらくです。
 毅然と、清貧な姿で美しい日本を取り戻して欲しいです。

紙のポスターを貼りまくった思い出

 ただの昭和とか昔の回顧みたいになりそうですが、最近はターミナルやショッピングセンター、バス停なども紙のポスターがなくなりデジタルサイネージと言われるものになっています。

 私が化粧品メーカーに入社して、営業に回された頃は、もちろん紙のポスターばかりで、あとは横長の店頭幕と言われる布を入り口や化粧品コーナーの上に吊るす販促物を、キャンペーンに合わせて設置をチエックするというのが仕事の一つでした。年配の方の店や。営業を丁稚のように使役する店は、自分でやらないとなかなか替えてくれません。コマーシャルが始まっているのに、主力店を幹部が来訪して、販促物が前のままだと、カミナリを落とされ叱咤されました。
 ドラッグストアやバラエティストアなどの企業が主流になると、大型のものや踊り場を占拠する枚数、パウチ加工したものをリクエストされ、逆提案で店の高所や壁周り全体をジャックするような貼りまくりをしたこともあります。ライバルメーカーの営業が来れば地団駄を踏んで口惜しがるような自社モデルの顔で埋め尽くすのは、高所恐怖はあっても快感でした。
 ポスターと合わせ店頭設置のビデオモニターのため、VHSテープやDVDをダビングした時代がしばらく続きました。やがて本部企業から【デジタルサイネージ】にするから、データをこのサイズで送ってくれと言われる、最初はなんのこっちゃでした。
 ポスターをピンやら、ホチキス、テグス糸で止め、屋根近くを忍者のように登っていたのが懐かしい。
 ああやはり、ただの回顧になってしまいました。
 古い街並みを散策して、ホーロー看板の広告などを探すのひそかな趣味になっています。しかしホーロー看板は多少劣化しても丈夫なのですが、紙のポスターは傷み、日焼けして残らないのです。

部下を育てるかイジメるか

 宝塚音楽学校でのイジメ問題、プロ野球でも楽天球団の安樂投手もこれが原因で自由契約となりました。
 減りつつあるとはいえ、イジメ、パワハラは根絶されたわけではありません。テレビのバラエティの放送内容も、だいぶ制約が厳しくなったとはいえ、イジりというかイジメに近い内容で笑いやウケをとっているものはまだ多いです。
 ハラスメントは本人がどう感じるかともいわれます。イジメとイジりの境界もあいまいです。
 熱血指導や教育、マネジメントがイジメ、パワハラと言われたらやってられんという考えもあります。
 加虐が快楽になっているような人は、自覚もありアウトですが、使命感や正義感、上の指示で信念をもって正しいと思って間違った時代遅れのパワハラ指導をしているケースがまだ多いようです。自覚もないし、見ている方もこんなものかと傍観したり、笑ったりして結果加担しているのと同じになります。
 いわゆるお局、長老、影ボスみたいなのが仕切る仕事の現場、学校などの小集団では、こんなことが横行します。
 経営陣、転勤型のキャリアや、幹部職員は、どうしても現場の細かい人間関係、指導体制の部分までは気が回らず風土に任せきりで効率や成果だけを見てしまいます。コンプライアンスやハラスメントの教育も必要ですが、現場をよく見て徹底する風通しの良い組織に変わるためにはもう少し踏み込まないといけません。
 知識や技術、仕事のノウハウなどの教え方、仕事の割り振りも、その組織、人に合ったもので随分と風土は変わり戦闘力は上がります。リーダーもメンバーも目指すのはそこです。育てる組織か、イジメる組織かで、全て変わります。成果が上がらず離職が多いところは、確実にイジメを見逃しています。同じ時間を過ごすのに、やり甲斐と楽しさがないと成果も何もありません。

簡単には語れない赤字ローカル線廃止

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 JR西日本が先月末、赤字ローカル線の最新の収支(2020年度~2022年度の平均)を公表しました。 東日本や三島のJRも苦しい線区を公表していますが、ここは西日本からですみません。
 公表されたのは、2019年度時点で1キロ当たりの1日の平均乗車数「輸送密度」が2000人未満だった17路線30区間です。  対象となった主な路線の2020~2022年度の「収支率(運輸収入÷営業費用)」と100円稼ぐのにかかる費用を示す「営業係数」、2022年度の1日あたりの「輸送人員」のワーストから並べると下記のとおりです。
 ・芸備線(東城~備後落合)0.6%/1万5516円/20人
 ・木次線(出雲横田~備後落合)1.8%/5695円/54人
・大糸線(南小谷~糸魚川)2.6%/3835円/108人
・芸備線(備後落合~備後庄原)2.6%/3777円/75人
・姫新線(中国勝山~新見)2.7%/3745円/132人
 ワースト区間の芸備線は1日利用わずか20人、100円稼ぐのに1万5516円です。
近畿圏でも、このほかに加古川線、山陰本戦、播但線、関西線、紀勢線、小浜線など多くの路線が赤字で、JR西日本は、これらの路線については「大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていない」として、沿線自治体と課題を共有することで、鉄道の上下分離などを含めた協議を進めていきたい考えです。
 都市部を抱える、私の住む京都府やその他近畿の兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県なども中には過疎路線を抱えています。
 廃止や三セク化、バス転換もかなり現実味を帯びています。ワースト5は一部末端区間とはいえ、その近くも似たりよったりで、貨物輸送でもなければ、線ごとの廃止などの処置も十分考えられます。
 青春18族が、シーズンの休日に乗る時は、多少なりとも乗客はいますが、オフの平日などはからっきしで空気を運んでいるのが良く分かります。買い物や通学、通院に必要と議論してもそもそも利用されていないのです。
 観光といっても、鉄道だけでは観光地の目の前には行けません。通院や買い物も同じなのです。駅前に大型の商業施設や病院でもあれば違いますが、そちらはクルマのテリトリーというケースが大半です。
 高速での快適な移動でも、きめ細かな日常への用務でも、鉄道がクルマに勝てないのです。
 それでも、鉄路は遠くに繋がり、夢があります。カッコいい電車が走れば、子供やファンは目を輝かせます。三陸鉄道にしろ、只見線、仙石線など被災で復旧、再開した路線が復活した時の、地元の喜び、子供たちの歓声は心に響く、特別のものがあります。
 大人というのか、政府のトップが日本全体の交通体系、ネットッワーくの中で、鉄道の在り方を考えないといけません。ただ赤字だから、どんどん廃止でいいものなのかです。
 故田中角栄の日本列島改造論ではないですが、かつて地方各地の政治家は、北陸や東北、山陰、四国はじめいわゆる今のJRでの三島会社のエリア含めすべての地方に新幹線をめぐらせ、大都市圏に地元が劣らない利便を持つことが日本の発展と考えて、力を入れて綱引きもしたわけです。
 新潟を皮切りに新幹線が早めにできたところと今ようやくというところ、鉄道が空白に近いままの地域もしくは、ローカル線のままのところでは、地方間でも大きな差になりまあした。かつては、街道や海路の港や宿場で栄え、耕作地もある地域でも今は過疎で見捨てられそうなもったいない土地もあります。
 航空会社、鉄道会社、道路公団がバラバラでは物流も人の流れは上手くいきません。政治が道を開き、コロナ後でもリアルが必要で、住んでいける国土、地方を今創生しないといけないのです。

年金生活が苦しい 退職金ジリ貧の元凶は?

出典:厚生労働省「就労条件総合調査」野村證券編集

 大卒で定年退職した人の退職金(45歳以上、勤続20年以上の平均)推移のグラフです。
少し前に問題になったいわゆる「定年後2000万円問題」60歳定年後の誰もが、年金を受け取るまでに預貯金が2000万必要とか、退職金だけではとても暮らしていけないと嘆く時代です。年金も退職金も20年以上遡るひと昔前の退職者の親ぐらいの世代ですと、今より1000万ぐらい多いのが如実に分かります。
 そうです、この20年で厚生年金の受け取り額も下がり、退職金もジリ貧の体たらくです。
IDECOが導入され、企業の負担も減ったはずなのに、退職引当金は他の内部留保に回されていたり、それ以前にバブル以降そこまでの利益がない企業も多いのでしょう。
 私の知識不足、リサーチ不足なので、不明を恥じる想像の部分が多いのですが、いったいなぜこんなに退職金が改定され、下がり続けることが許されてきたのかが良く分かりません。
 というのは労働者に不利益を伴う退職金の改定は、労使の合意が必要で、労働組合が断固拒否すれば、おいそれとできない取り決めのはずです。
 毎年毎年、春闘では賃上げを要求し、それなりのポイントで妥結しているのに、こんなに平均の退職金が下がっている。多くの大企業から中小企業までほとんどの企業の労働組合が甘んじてその改定を呑んでいるということです。
 共産党や野党が選挙やらで増税論争のたびに、「企業の内部留保をやめさせ賃上げや待遇改善に回せ、増税なら法人税を」と言いながら、退職金がどんどん下げられるのはスルーされていたのです。
 退職金の改定、春闘などの闘争ポイントでは直近の対象者が少ないので、全員が目先で全て対象になる賃上げや賞与ほど注目されない点があります。私も若い頃、労働組合員で職場委員や支部長などはやったことがありますが、自分にすぐ降りかかる課題ではなかったのか、記憶に薄いほどです。
 しかし、今老後資金が多くの中高年の労働者に問題になる中、こんなに不利益に改定されたのは目くらましか「陰謀」でもあったのかと思えるグラフです。
 多くの企業が昭和から平成にかけ、バブル崩壊からコロナ禍まで失われた30年ほどの間に、不祥事やら経営危機、合従、M&A、持ち株会社化などで平準化されたり、大規模なリストラもあり激動の中ではありました。
 企業独自の、社内福利厚生などいい面があっても、平準化の中では停止されるものもありました。
 AとBという会社が合併する場合、たすき掛け人事や支店の統合なども大変ですが、労働組合も、給与などの人事制度も最終的には統合されていきます。そんな中で、優遇されていたものは同水準に統一されていきます。
 リストラなどは、組合交渉もまず雇用が優先されて、早期退職などの退職金割り増しの提示がされ、総じてその際の枠組みの中で、賃金、賞与、雇用が守られて、退職金の積み立ては早期退職者に回すために残る社員の分を漸次減額されていったとは推定できます。
 それにしても、組合の力の無さなのか、経営陣に丸め込まれたのか、このグラフは納得できない数字です。春闘で、妥協点が最初から出来レースで分かっていても、徹夜交渉とかで、微増を勝ち取るとか悦ばせておいて、退職金はしれっと(早期退職増額を目立たせながら)改定していったのでしょう。
 死んだ子の年を数えても仕方ないですが。バブル以後の労働組合などはもう頼りにも何もなりません。コンプライアンスが社会にも浸透しだしたので、あからさまなパワハラ、セクハラ、労働協約違反は減りつつあります。それは労組が守ったのでも何でもなく、監視の法律が強化され社会全体が変わったのです。
 老後の退職金が時代とともに減ったことは、あからさまで分かっています。もう少ないことが分かって就職した人は自分で準備しないといけないことです。
 数字で改めて見ると減っていった時代を経験した我々の世代は残念なことです。
 労働組合は選挙の集票などやめ、もっと、本当の福利厚生、労働者の幸せ、退職金がこれ以上下がらないよう、努力しないといけません。