SNSでの丁寧な返事 レスポンスは手紙

 ブログなどSNSはいろんなレスポンスがあり、いわゆり炎上のような状態になったり論争になったりすることも見たり経験した方もおられるでしょう。
 お金を稼ぐためにやっている人や、自分の思ったことを友達だけに情報発信したい方もSNS上は公道を走るようなもので、自分もマナーやルールを守ることですが、どうしても他人が反対から走ってくることはぶつかりそうになったり幅寄せしてくるような現象はあります。
 写真や呟きにしろ、たぶん友達みんながいいね!とか同意!情報ありがとうの反応をしてくれると思ってアップしたら、反対意見や間違いを指摘されたら不快な感情になりがちです。あるいは反応が少なくスルーされて別の話題で盛り上がっても何だか無視されたようで心地よくないものです。
 SNSもそういう面では一般の社会と同じです。自分の思い通りになるときもあれば、そうでもない人も出てきます。個人の友達を選べるフェイスブックなどのアプリでも、結局はマナーとしては不特定多数ではないけれど他人という面では同じです。
 時々、うまくいかない関係になるとストレスにもなりますし、人によってはブロックや、友達削除、閉鎖ということになる場合もあるようです。これでメンタルを壊すならそれで正解だとも思います。
 ただせっかくつながった友達なので、メンタルを壊さない程度でもきちんとリアクション、返事をして丁寧に相手の話をリスペクトすることは、ある話では意見が合わなくとも別の話題では共感できたりして最終的には理解し合えるかもしれません。
 私がたまたま政治の問題でフォローして参考にしているある国会議員の方は、あらゆるレスポンスにブログの中で丁寧に名前を上げて返事をしておられます。政治の問題で、とくに今微妙な話題でかなりきつい反応に対しきれずに説明されています。
 その方向性が正しいとか間違いの問題、その人の思想心情でもなくマナーの問題です。よくネトウヨ系とかになると相手の上げ足をとり前提を崩すだけの。きれた論争になりがちなのがSNSです。それでな喧嘩、絶縁、削除まっしぐらです。
 その方のブログ対応では、よく相手の話の背景も読まれ勉強されてその意見も分かるが、こういう見方もできるしこういう可能性を見捨てると危険だということをよく示されます。
 こういう姿には、時にガツガツした相手を論破したい議論になり、都合が悪くなると返事を無視するような態度をとったことのある方私も含め大いに見習いたいところです。ともすれば最近の負けない流行りのデベイトに強いような元市長のHさんや、掲示板開設Hさんなどもそういう傾向ですね。もちろん桁違いのフォローと悪質なレスに対応されてきた方にはまた別の世界や価値観があるのでしょうが。
 SNSのレスポンスはお手紙、ファンレターのようなものと思い丁寧にしたいと思います。

戦争と平和 8 旗幟鮮明か中立か

 ウクライナにしろロシアにしろ世界中の一般市民が、どんな大義名分が指導者にあってもその巻き添えを食い難渋を強いられ、家や命もだも奪われるのは痛切の極みです。
 紛争国の指導者、軍関係者は話し合いに応じ妥協を早期に探るべきです。紛争国以外の国が軍事であれ経済で支援をすれば対立の構図は深まります。
 NATOや米軍がイッキのロシアを攻撃すれば良いとか、指導者を暗殺、投降させるかクーデターを起こせばいいのではないかという向きもありますが、それこそ核戦争や大規模な世界大戦に繋がります。経済制裁についても前にも書きましたがエネルギーや資源、穀物の豊富なロシアは輸出できないだけで自国消費を輸入に頼っていないので困るのは他の国です。
 一部の富裕層か、関係の庶民で困る人もいても、指導者を戦争からギブアップさせる速攻性はありません。
 逆に旗幟鮮明にして困るのは、国境を接している日本です。北方領土の元島民、漁業関係者、ロシアとの貿易や文化の交流の仕事をされている方。
 よく、ロシア人やウクライナ人の国民が悪いわけではない、指導者が悪いのでやむなく彼らに伝わるように制裁をするのだということを言われる方がいます。
 しかし結局こういう圧力で、被害や差別を受けるのは国民です。
 アメリカがイスラム系組織のテロ等と戦った時も、イスラム教やその国の出身者は苦境に立たされました。戦争が起これば当事の国の人間同士が戦っていることになります。元々移民したり、国際結婚していた相手国と戦争になれば、スパイでなくても疑われ厳しい状況になるのは自明です。
 戦争当事国でなくても、そこでどちらかを非難し制裁を加え、反対国を支援すれば、戦争に参加するのに準ずる非友好な関係となります。当然、戦争にもつながりかねない関係の悪化を覚悟しないといけません。
 今回のロシアとウクライナの紛争で言えば、国連は結局制裁決議を行えませんでした。日本の外交の中心と言われた国連決議に基づくものではなく、G7加盟国、アメリカとの同盟関係による制裁です。国際世論の全てではなく中国やインドなどアジアやアフリカ、南米など多くの国は賛同していません。G20や世界中合わせると国や人口の数でロシア制裁ウクライナ支援には躊躇する側が多くなります。アジアで積極的に旗幟鮮明にしてウクライナを支持支援し、ロシアに制裁を加えているのは日本だけです。
 今後、このままではロシアや中国、インドや中東などのグループと、アメリカやEUの対立は深まり危険な事態へと進みかねません。
 日本はアジア唯一のG7加盟国で、アメリカとは同盟を結びながらも中国は隣国で経済の結びつきや依存度はアメリカ以上になっています。アメリカ側の尖兵になりたがるのではなく、アメリカと中国の話し合いの仲介、交渉役で存在感をしめすべきです。
 アメリカと中国の対立が深まったときには、日本は経済でも安全保障でも、想像するのも恐ろしい存亡の危機を迎えます。
 中国やロシアの姿勢、政治体制がいいとか悪いとかではなく、話し合いを軸にさまざまな情報と経済、文化の交流で悪いものを淘汰していくことが肝要でしょう。

チャイコフスキー

 終わり

戦争と平和 7 近代戦争 未来戦争

 第二次世界大戦から70年を過ぎてその後も、東西や南北で、民族や宗教の対立とそれを煽り片方をバックアップする勢力のため紛争は絶えたことがない。
 戦争そのものは近代化したのかというと、核戦争や生物兵器などは使用されなくても垢抜けた戦争というのはなく、諜報やメディアを使った策略は巧妙で悪質になっています。
 テロを含め市民が犠牲になる頻度や、殺される人間の数は減っているとはいえ、軍事産業は健在で肥大化しておりもはや一定の戦争や紛争の武器と防衛があるのが前提であり、なければ作るのだろうと言われています。矛盾の言葉の由来のように、最強の攻撃兵器と最強の防衛兵器がほとんど使われないままにバージョンアップしていく、これも市民の税金でです。
 ロボットやドローンを使ったアニメや特撮のような市民を巻き込まない戦争ができないかとつまらぬ夢想をします。人気アニメや、特撮のようにバトルフィールドで、それぞれがカプセルから取り出したモンスター同士で戦うのが戦争であれば市民は傷つかないで済む。オリンピックやワールドカップの試合がそのようなものに近いのか、もちろんそれでもお金の掛けられる大国や人口の多いあるいは体格才能に恵まれる人種が優位だが、殺し合うよりマシでしょう。
 優れたAIによってやがて人類のエゴが淘汰されれば良いとも思うが、これもSFやアニメのようにロボットに全滅させられるのが人類かもしれないです。
     つづく

戦争と平和 4   反戦、妥協 友愛はお花畑か

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 ロシアとウクライナの紛争は、西側諸国に大いなる影響を与えるのか、中東やアジアの戦争や難民に比べてスケール以上の報道がなされて、当ブログはじめ私のSNSにも多くのレスポンスがありました。お返事を書ききれない方、私のレスポンスに納得されるかたや、賛同も反発も当然のようにあります。
 多くの方が市民まで巻き込む「戦争に反対」犠牲がこれ以上増えないうちに早く「停戦」という思いと、卑劣な攻撃を仕掛けた「ロシアに厳罰、妥協せず制裁」というウクライナ支援の思いが重なるのだと思います。
 ロシアとウクライナを喧嘩両成敗にかけるのはおかしいというスタンスの方はすぐ激高されがちです。
 最初に仕掛けたロシアが悪いに決まっている。プーチンは狂っている断罪すべきの声がネット上でも多いです。
 しかし戦争反対「平和、停戦」というのと、ロシア非難ウクライナ支持というのは感情的には両方持ってしまう方がいることはわかりますが両方は成り立ちません。平和、停戦の道を選ぶには一方を糾弾していては思考停止、不可能になります。
 戦争反対≠ウクライナ支持 戦争反対≠ロシア非難なのです。それぞれの国への肩入れ=戦争長期化になっていまうのです。
 ウクライナ難民支援と思って募金してもウクライナが武器を買い西側からの国際世論でまだ戦えると思えば戦争は長引きます。
 ロシアを経済制裁すればじきにロシアは根をあげると思い込んでいる人もいます。しかしそれは多くの識者の情報でも今レベルの制裁では効果が無く逆にEU側が弱っているとの話です。これ以上の制裁もあるにせよ、両刃の刀なのは同じです。日本やイギリス、韓国のように自国経済が小さい国なら制裁効果は大きく、過大評価されますがロシアにはそれほど効果がないのです。
 ロシアは資源もエネルギーも穀物も豊富です。まして中国、インド、サウジアラビア(米国側から離脱してロシアと軍事同盟)がついていますから、ロシア関連でデフォルトしてもその大部分は中国が恩恵を受けます。
 アメックスがなくなっても銀聯カードに切り替わっていますし、マックやスタバが閉まろうと日本の若者ほどの利用機会があったわけではないです。
 サウジアラビアはじめ中東やアジア、アフリカでなぜアメリカ離反が起こったのか、世界の警察から転落した状況を見極めないと、反米という感情の皆無な日本では国際政治が読めません。
 世界的な反戦、戦争が無くなることを本当に望む、歌手などアーティスト、作家、言論の方々、政治家の一部が熱く感じ、思いを語られています。
 それの多くは、他人や他の国を憎むとか諭すとかではないはずです。
 平和、友愛です、裏切られても愛する、傷つけられても武器を持たない。お花畑と言われるぐらいある意味危ないくらいのスタンスです。
 でも武器を持って攻めてきた相手に対して、問答無用に攻撃し合い劣勢の方に武器を与えても戦況はエスカレートするだけです。
 もちろん国のために戦っているので、相手の条件を丸のみしては戦い始めた意味がなく犠牲になった人も浮かばれないと思うとやめられないでしょう。
 もうロシアとウクライナでもそれぞれ兵士も市民も多くが死に、犠牲になっています。ましてアメリカやNATO軍が参戦し、シリアや中国も加勢したら一体どうなるか考えただけで恐ろしいです。
 今回の紛争の元になったタネは何で双方が妥協できる最大公約数はなどこか、双方のデメリットと妥協点を探りあい「平和」を推す国際世論を盛り上げないといけないのです。それは一国を支持するのでも、自国の防衛を強化するのでもなく、「友愛」の心と相手国の歴史、社会、人、風俗、人情を知り理解し合うことだと思うのです。
 お花畑はそれほどキレイでもなく、手入れも大変なものです。

     つづく



 

戦争と平和 3 核 大量殺戮兵器

 国際情勢が微妙になると核の脅威や抑止などの話題がでてきます。
1945年、第二次世界大戦で米英と戦う日本は本土を空襲され満身創痍となり、トドメとばかりにソ連参戦間近に、原子爆弾を広島、長崎に投下されました。
 40万人以上の死者が出た、まさに人類初の究極の大量殺戮兵器を使用されました。本土決戦を前に日本はポツダム宣言を受け容れ無条件降伏しました。
 それ以後局地戦争を含め、核兵器は使用されていません。私の学生時代等は、米ソ冷戦の時代と言われ、原爆よりもさらに強力な水爆を多数保有した両大国が睨み合うキューバ危機などがあり、水爆の打ち合いにより地球が滅亡する可能性が低くないと囁かれていました。
 核兵器はそれから一度もボタンを押されない封じ手となっていますが、絶対使用されないとも言い切れない抑止力とも言われます。
 日本は世界唯一の被爆国として戦争放棄と非核三原則を掲げています。しかし実際にはアメリカとの軍事同盟でいわゆる核の傘に入っていて、核の抑止力を否定しきっているものではありません。
 そもそも殺し合い消耗し合う、デスマッチが戦争ですから、そこにこの兵器まではダメとかこの施設は攻撃してはいけないいう人道的ルールができたのもごく最近です。2001年くらいから、ナパーム弾、いわゆる焼夷弾も原則禁止です。それまでのベトナム戦争や湾岸戦争には使わていました。
 今回ウクライナで無差別攻撃かというような非難もありますが、敵国を攻撃するとき、民間人か兵士か、民間施設か軍事施設かとは明確に区別しにくいし、守る側はうまくごまかせば盾にできます。
 戦争や喧嘩になってしまえば、ルールもへったくれもないという、勝てば官軍、負ければ戦争犯罪国というのが歴史の大部分です。
 やはり国際紛争は戦争に至る前に解決しないと、武器屋が儲かるだけで、市民にいいことはありません。   
        つづく

戦争と平和 1

 NO WAR 戦争反対という言葉が、ウクライナ情勢のニュースが流れるなか巷間よく見かけます。
 あるいはロシアの暴挙に対して徹底的な制裁を、暗殺や攻撃をという声も聞きます。
 一日も早く停戦を望む声もある反面、ロシアに妥協してはいけない加勢して他の国も攻撃を強めよという声もあります。
 厳密に見ると戦争絶対反対と、戦争拡大で終結の声が混ざっているように感じます。
 市民に犠牲者や避難民も出ている以上、早期の終局は誰もが望むところをしても、それは国として譲れないところだとすれば止められないものなのでしょう。
 報道で感じるかぎりウクライナ側を勝たせたいという世論は大きく、大戦争は回避したいものですが、早期に勝ち切れる「勝てる戦争」なら是認する向きもあります。
 戦争放棄、核廃絶を掲げる日本ですが、実は戦争をする国、核を持つ国と同盟しているわけで、決して世界中の戦争を否定するわけではないのでしょう。
 どの程度の戦況かは報道ではわかりにくいのですが、大量破壊兵器の使用こそないですが、現代の国際法などのルールではぎりぎりの激しい攻防なのかと言われています。
 戦争は国と国がそれぞれの主張を譲らず紛争の解決として武力行為にでるわけです。
 戦争に反対する多くの方は負けるのがイヤ、戦場に行くのや行かせるのがイヤな心理が働いているのでしょうか。

 原爆投下、空襲で焼け野原になったいわゆるアジア太平洋戦争を知らずに育った世代の占める割合が増えた中、日本人にとっての戦争とは平和とは国際秩序とは何なのでしょうか。
 朝鮮戦争、ベトナム戦争、東西冷戦、中東戦争と第二次世界大戦以降も紛争や内乱やテロ、戦争状態は世界中で絶えてはいません。幸運なことに日本は戦後、これらの戦争は対岸の火事でむしろその間に経済成長を果たしました。
 「戦争と平和」を考えると深いです。
              つづく

芽生えと卒業式の姿に元気をもらう

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 先週植物園に行きました。すでに早春の草花展が開かれ、梅も見ごろ近く、水仙なども咲いて温室も含め華やかでした。しかし普通にこれからという感じの養生中のチューリップの発芽してるところが何だか感動的でした。
 そして卒業式の学生たちも見かける季節。元気に巣立っていく姿もいいなと思いました。
 春は別れと出会いの季節といいますが、親しんだ仲間と別れ慣れた環境を離れるのは不安と哀惜の方が大きいでしょう。
 それでも太陽に向かって伸びていく植物の姿は何か訴えるものがありました。
 花粉症はつらいこの季節、コロナやウクライナの暗い話題も多いですが、少し力を貰いました。

入学式卒業式の国旗国歌

 最近祝日でも日の丸を見かけなったのに、世の中に青と黄色とかの他所の国の国旗があふれ出している。
 小学校の卒業式に女子は袴が流行り出している。流行りは流行りなのだろうが、学校では一部の先生方の反乱で、肝心の日本の国旗掲揚、国歌斉唱はないがしろのままのようです。
 ウクライナの旗を掲げるのが悪いとは言いませんが、あの紛争を見て国旗の持つ意味、国歌を歌う意味、国家・国土とは何かをこの機会の考えているでしょうか。
 他国のもめ事にああだこうだと同情する前に日本の国家、国土、国民の抱える問題を次世代を踏まえて考えないと、国が国でなくなります。

北海道の漁業、ニシン、サケ・マス、水産交渉は絶望?墓参もできず日ロの領土交渉、北方領土問題は国益ではないのか

 北海道出身のある方のブログで
 ウクライナ問題で「北方領土交渉どうなるのでしょうか」「サケ・マス、貝殻島昆布漁、安全操業等、水産交渉はどうなってしまうのでしょうか」「コロナで2年間止まっているビザなし交流、墓参は今年も出来ないのでしょうか」「北方領土問題、平和条約交渉は国益ではないんでしょうか」
 と言った話を見つけました。
 日本がロシアと国境を接しており、実際にその近くで操業している方にとっては難しい問題です。日本がアメリカやG7、NATOに横並び、経済制裁や個人制裁を行ったため、それならとロシアから非友好国のレッドカードを出され死活問題となり何ら補償のないことを嘆いておられます。
 ネトウヨ系の方も含め、多くの方がロシア憎し、ウクライナ可哀そうという感じになっていますが、喧嘩も戦争も先に手を出した方が悪いという考えもありますが、両成敗という判断もあります。何より、アメリカやNATO加盟国に追随すればロシアが根を上げて早くに崩壊するという楽観があります。


 これは資源のない日本の誤った見方です。一部のブランド品やマックやスタバが撤退してもロシアは食糧にもエネルギーにも困りません。太平洋戦争中の日本とは違います。資源の乏しい日本が中国と交戦中に、米英と包囲網をかけられたあの頃でさえ4年も持ったのです。
 まして世界一の人口を誇る中国、それに次ぐインドが味方につけば輸出入先が少し変わる程度、元々自給自足が可能なロシアがそれほど困ることはありません。困るのはエネルギーや穀物、漁業などで関係のあった国です。経済制裁はもろ刃の刀です。すぐに結果が出ないと疲弊するのは相手とは限りません。
 いろんな西側のプロバガンタでロシアも攻められているようでも、日本人が想像するほど相手はやわではないのです。
 ウクライナ、NATO側が妥協しないとこの戦いは長引きます。この状況の中、日本で最も苦しむの国境を接している北海道の漁業の関係者でしょう。ただでさえ燃料費が高騰して苦しみ、操業すらできなくなるのです。
 もちろん本来の北方領土の住民の一時帰還など夢のまた夢です。
 ウクライナの国旗を掲げ、ロシア糾弾に加わる世論が多いですが、このことで何か日本は得をすることが多いのでしょうか。北海道の人達は確実にその犠牲というか大きなデメリットを蒙ります。
 この覇権主義を許すと、次は中国が台湾に侵攻して、尖閣、沖縄が危ない。だから日本はアメリカと緊密にロシア非難と制裁を毅然と強化すべき、核共有や憲法改正に言及する保守の方の論理もよく耳にします。
 しかし、ロシアから中国というロジックも強引ですし、それが正しいとして分断を深めても安全が得られるのでしょうか。
 台湾侵攻があるとして、日本がアメリカとかともに非難を強めていけば、次の対立で今度は北海道とは比べられないほどの危機が沖縄にも日本全体にも及びます。
 資源に乏しく、輸出入を中国経済に頼る日本の海外依存はアメリカ以上です、アメリカやオーストラリアに焚きつけられて咬ませ犬になって、国境を接する日本にいいことはありません。
 中国が本当に台湾や尖閣に攻め入って、アメリカがおっとり刀で駆けつけるのか、米議会も中国との全面対決だと及び腰になる可能性があります。そうなると日本は台湾国境、沖縄周辺でも戦場のような大変厳しい状況となり、日本経済全体も今のロシア以上に苦しむ戦中の悪夢の状態になります。
 理想的な善悪や思想は違っても、中国との関係は経済も含めてうまく賢くつなぐしかないのです。ロシアともしかりです。日本はG7であっても唯一NATO加盟国ではありません。ある程度の連携は付き合い上しょうがないとして、道義的な非難はしながらもNATO加盟国には一線を引き相手国をリスペクトを忘れないことです、
 独自外交を行い近隣国とは険悪な関係にしないことが大切です。
 右翼の方は日本がGDP大国でいつまでも強く、中国だけならいつでも勝てると日清戦争時代の幻想に取りつかれているように思います。しかし人口はおろか経済力、GDPで大きく引き離され軍事費も毎年どんどんつぎ込める国です。軍事力でまともにやり合えるわけがありません。これから少子高齢でますます細る日本が必要以上に近隣諸国すべてと角突きあい、軍事費に税金をかけ若者を犠牲にするなどとんでもない無駄です。
 外交は小さな友好関係の積み重ねとも、外務省関係の人はおっしゃります。
 今回のことでいうとウクライナ側がNATOを東側へ拡大しないという約束を破っています。
 2014年ミンスク合意、2015年ミンスク合意にどこの国が参加し署名しているか。ゼレンスキーが大統領になってからこの合意を履行しなくなり、今日こんにちの事態を招いたことを良く事実として知るべきではないでしょうか。ゼレンスキーが東部ドンバス地方で蛮行を繰りかえしていたことは、日本のほとんどの人に伝わっていません。
 プーチンがやっていることも褒められませんが、ゼレンスキーが一方的な被害者ではないはずです。アメリカからの報道だけを鵜呑みにして、正義と信じてアメリカ側につくのはいかがなものかと思います。
 先日も書きましたが正義、正論やルールではなく、勝ち馬に乗りたいだけでウクライナやアメリカに味方するとしても、ロシアや中国がすぐ負けるとは限りません。
 アメリカは戦争を焚きつけたい国です。同盟国が平和では儲からないのです。
 平和を望む日本人なら、かつて何度も戦争をしたイギリス、ドイツ、フランスの今の国境近隣関係を見習うべきです。それぞれ対立もしあいリスペクトしあいながらもう戦争をすることはあり得ません。
 そのような隣国との状況になってこそ、日本も少子高齢で落ちついた老大国になれるはずです。

ウクライナ 戦争に至るには深い因果と背景、謀略もある。

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 戦争はもちろん良いものではありません。自分も戦場に行くのも、家族を兵士として送るのもイヤですし、経済が疲弊し自由もなくなり物資に困るのもイヤです.
まして戦死も、爆死もイヤです。
 戦争を肯定するわけではないです。しかし世界には、それ以上に国のため、国民と領土、平和のために戦わざるを得ないと、思いこんでいる国があります。だから国際紛争が起こり戦争につながるのです。
 別に今の状況でロシアやプーチンを擁護するわけではないですが、ウクライナ問題の大きな勃発は2014年の米CIA主導によるといわれる100人近い死者を出した親米派によるキエフのクーデターです。
 その前後から親米とロシア側の小競り合いはあって権力の奪い合いで現政権となって、アメリカ大統領がトランプの間は抑えられていたものがバイデンで一気に紛争が激化しました。
 プーチンも権力欲が強くキレやすいのだろうが、キレると仕向けられる工作があったのだろうし。今の米主導の報道はどうしてもロシア悪のバイアスがかかります。
 もともとプーチンの狂気だけではなくロシア側にも、やられたという認識、民族主義、経済の背景がありますから、経済制裁でそう簡単にはひかないでしょう。
 結局最後に傷付かずにイイトコとるのはウクライナ、EUではなくバイデン周辺ではないでしょうか。
 中国の出方しだいもありますし、資源国のロシアは日本が思うよりは経済制裁には屈強です。元々エネルギーや穀物は輸出していたぐらいですから、資源のない日本が想像するよりもロシアはタフだと思います。
 先に干上がるのはドイツやEUの国かもしれません。プーチンだけ失脚、屈服でおさまるならそれでいいが、富裕層の人心離れ程度でロシアも政権が親米に傾くクーデターでロシアがひっくり返ると考えるのはアメリカ報道に洗脳され過ぎです。
 プーチン支持の軍部や愛国者が穏健に収まらないと核も含めもっと戦局はひどくなる可能性があります。実際にはロシア崩壊の可能性があるかというとほぼ難しいところですしょう。むしろ親米現政権の妥協、実質敗退の可能性の方があります。いずれにせよ早く停戦しないと傷口は広がり、当事国も周辺国も世界経済もダメージを受けます。
 日本人はロシアが潜在的に嫌いですし、今の中国の政治体制も嫌いな人が多いです。ただ嫌い故に過小評価してしまい、アメリカやEUが本腰を上げれ簡単に勝てると思われる向きが多いですが、それは危険な思い込みです。
 世界中、国際世論全てがロシアを非難しているかのような日本に来る欧米の報道です。国連総会の決議ではロシアのウクライナ侵攻非難を141ヵ国が賛成したと報じあたかも国際世論全てのように言われますが、国連の加盟国は193ヵ国です。当事国のロシア、ベラルーシはじめ4分の1以上が反対、棄権、無投票の国です。まして当然安保理では常任理事国の反対、棄権で否決され、総会の決議に法的拘束はありません。
 しかも中国、インド、パキスタン、イランなど人口も多く、面積も広く経済規模の大きい国がこちらに回っており人口比では世界人口78億人の過半数約40億人を占める国が非難決議には賛成していないことになります。ロシア側に立ち人口で多数決を取るわけではないですが、おそらくそれだけの経済があり、軍事費や兵士の投入も可能だということは数字の上で理解しいないといけない点です。 
 ロシアの経済発展は以前より鈍化はしました。(それがプーチンの焦りで愛国主義に走ったとも言われます)しかし中国、インドの人口はケタ違いに多く、経済規模、GDPもどんどん巨大になっています。その何パーセントか軍、国防、兵器に回せるので毎年毎年、西側は追いつかれ、差をつけられていきます。
 中国が完全にロシア側に味方すれば、経済、軍事ともアメリカ側と世界中を巻き込んだ大きな争いになります。そして日本は中国、ロシアと国境を接して領土問題を抱えています。
 戦争に導きたいと考える層が動けばいつでも一触即発に危機はきます。そうなるともう誰がとか正義がではなく、工作も謀略もありありになります。アメリカを信じ従属していくことはメリットデメリットが当然あります。ロシア側を非難することは簡単ですが、いたずらに追い詰め怒らせることにはメリットは少ないでしょう。
 日本が戦争を放棄し、平和を唱えるのであれば考えるべきことは多く、深いです。