ちょっとした贅沢

 前にも珈琲や嗜好品の話は書きましたが、この間ヴィドフランスというチエーンのカフェベーカリーでサイフォンの珈琲を久々に飲みました。やっぱりそれが美味かったのです。

 サイフォンは、その美しいメカニズムから来るワクワク感とともに、真空ろ過という独自の勢いで引き出す味があるのでしょう。あまり贅沢をする時間もお金もないですが、時にはサイフォンの動きを見て、その後の珈琲を味わいたいものです。

 朝の定番、大袋の挽き豆からペーパーで自分で淹れるヤツ、昼はセブンかスタバとかがしょっちゅうでこれらも悪くはないけど、専門店でいれてもらったサイフォンやさらに上質の豆はまた良いです。

 お茶やお酒、その他のグルメや遊びにも人それぞれこだわりがあって、散財する人もいるでしょうが、それがないと人生やはり味気ないものなのでしょう。
 確かに、すべてのものに最上級の嗜好を求めると、キリもなくお金もなくなりますが、能動的に働く意欲、あるいは節約する吝嗇、我慢などの気持ちというのは、こういうちょっとした贅沢のためなのかもしれません。

 大金持ち 小金持ち 給料は安くても投資で長者になれる

 プロ野球のドラフト会議がありました。この時期は逆に、多くのかつてのドラフト入団者が戦力外通告、馘を宣言され引退に追い込まれる時期です。
 アスリートやテレビに出るような職業は目立つため中高生の憧れの的になりやすいですが、実現確率、現役を続けられる年数、所得水準を考えたら、経営者を目指す方がよほど確率は高く堅実に近いです。

 それにしても、ちょっと前から議論してた250万の年収を嘆き、1億円貰う人に恨みつらみを叫びつぶやく人。
 本当に真面目に働いて年収250万円ということは、賞与(あるのかないのか分からんが)手取り月10万円台というところかと、頑張って10年以上働いて40歳以上でこれは、哀れというのでしょうか。頭悪いというのかなあ。それで真面目に働いているというのが、ワタシ的には良く分からないなあ。

 月10万や20万、副業や投資で楽に稼いでる人は多いです。

 プロの一流アスリートは完全に無理で医者にもたとえ経営者にもなれなくても、投資により資産を増やすことができま、気のきいた副業で多少努力すれば10万くらい稼げます。それも日々、自分の仕事で収入を得ながらです。

 世界のトップはジェフ・ベゾス(米アマゾン・ドット・コム創業者)で、資産額はおよそ20兆円である(数字は全て日本円に換算した上での概算。以下も同様)。2位はイーロン・マスク(米テスラ創業者)の約17兆円と続きます。長年このリストのトップに君臨してきたビル・ゲイツ(米マイクロソフト創業者)はいまだ4位につけており、その資産額は約14兆円です。日本人の中でのトップは5兆円の資産を持つ孫正義(ソフトバンク創業者)、そして柳井正とその家族(ファーストリテイリング創業者)、滝崎武光(キーエンス創業者)というところです。

 持ち株の価値上昇と配当によって富を築いたことにあるとは思います。孫正義が会社から受け取る給料(役員報酬)を30年分足し合わせても、とても5兆円には届かない計算です。創業者が何と言っても儲かります。それと、資産を増やすのは給料ではなく配当、投資だということです。

 お金持ちだから、有利な非公開の株や信託の情報が手にできるのかというと、必ずそうとは言えないし、騙されたり判断ミスで損をしている時もあります。自分の所得の中でどれだけ、投資に向けられ、情報をとって賢く増やせるかです。
 つまらない仕事、ブラックまがいの搾取されているような給料の低い仕事でせっかく手にした、なけなしの所得と時間を、安い酒と食事、つまらない娯楽とその呟きで、費やしてしまっているので浮かばれません。

 副業だって、少し頑張ってスキマをみつけ、努力すれば、今の時代何でも高い授業料払わなくてもネットで教えてもらえます。情報が公開され、公平にみんなの手に渡る時代です。そこをうまく選ぶのがコツですが、保守的で消極的な人はこれができないのです。頑固な真面目さというのでしょうか。

 今は副業が認められる時代です。身体も心もハードな仕事かもしれませんが、週休2日ぐらいはたいていの企業ならありますし、毎日毎日残業といこともないでしょう。

 本当に余裕ができるほど資産が増えれば、年間のVIP席でも、プラチナのファンクラブ会員でもスポンサーにさえもう何でもなれます。監督やオーナーに物申すこともできます。
 残念ながら、年収250万資産ゼロ近似の貧乏人がいくらファンクラブやめるといっても、オーナーは痛くも痒くもないのです。スタジアムにもいかず、テレビやネット、試合の結果だけで「勝った負けた」とわんわん叫んで、叫ぶのは自由でも居酒屋限定の「ファンもどき」にしかなれません。

 何か気持ちも行動も入れ替えて、人生をどこかで変えないとつまらないままです。年収300万とかは楽に脱却しないと、ベゾスやマスク、三木谷が妬ましくて腹立たしくて、安い居酒屋や生産性実現性ゼロのネットで呟いていてはダメです。愚痴ることも、批判もできないのかとかそういう意味ではなく、お金をたくさん儲けている人は幸運なだけではなく、少なくとももう少しスマートに人生を考え努力しているということと、誰にも可能性はいっぱいあるということです。

それでも人生、お金が全てではない

 ファイナンシャルプランナーがお金が全てではないというと、元も子もない感じです。まあお金は大事ですが、すべてではないということです。
 投資で資産を増やす話、節約してお金を貯める話は別の機会にまたします。今日はそんな話を書いたりしていて、友達と資産や老後の話をしていて実際にその生きざまを知り、やはりお金が人生の全てではないなと思いました。

 60過ぎて、親から代々引き継いだ家業を投げ出して、新たなチャレンジをしている友人もいます。まったくお金がないわけではないですが、新規参入の社長はなかなか大変苦労で、もっと楽に生きられる人生のが楽しかったと呟いています。
 それに対して元々親の用意周到な財産と仕事を受け継ぎ、若い頃も適度に遊びながら、バブル期もうまく資産を増やして逃げ、その後もどんどん資産を形成して、もう今後の人生で年齢的にお金に困ることはない友人がいます。

 でも二人と飲みにいって話していると、前記の苦労している新参社長の方が、しんどそうに見えて実は幸せそうに映ります。
 私の前の会社の同僚たちでも、幹部で退職して一定の貯蓄、退職金や年金で悠々の人と、子供や住宅ローンなどの関係で厳しい条件の雇用延長や再就職であくせく働く人と対照的なアラカンに見えますが、どちらが幸せそうに見えるかというと、何だかあまり差はないです。むしろ厳しい条件で働いている方がかっこよく見えます。

 高い給料で、若い人の足を引っ張りながら過去の栄光にすがり老害の生き方をしているような人も、それはそれで苦労もしているような気もします。

 こう書くとみんなに恨まれそうですね。私もまあ、お金のためと身体のために働いています。

 あるプロスポーツの応援サイトで知り合った方で、自分はどんなに頑張っても年収300万ほどで(非正規に近いのか)若い方だと思うのですが、何ともネガティブになりがちです。選手のボーンヘッドや采配のミスなどを、年収1億以上もあるくせにと、監督や有名選手、経営者をことあるごとにこき下ろしておられます。
 天使25則に、他人に嫉妬しないといのがあります。
 でも、他人を妬んでこき下ろしていても今更、その人がプロスポーツの選手や監督になれるわけではないのです。スポーツに限らず起こった事象をとらえ結果論でああだこうだは何とでも言えます。こういう癖のついている人は、自分の仕事においてもネガティブで結果論だけで、自分の運命を呪い、今一歩の努力をしない傾向があります。

 そんなネガティブ思考では、出世もおぼつかず、万が一にも1億も40億も貰ったところで大して幸せにはなれません。

 運が向いてくる機会を、降りてきている天使に自ら唾を吐いて遠ざけているのだけはもったいないです。
 

国民年金納付65歳までにするのか!*

 

民年金の納付期間“45年間”に延長か との報道

日本の年金制度は、すべての国民が共通して支払う「国民年金」、会社員や公務員などが納める「厚生年金」の他、会社独自の年金制度の「企業年金」や年金払いの「退職給付」などがあります。 今回、注目すべきは「国民年金」です。今年度、国民年金の受給額は月額約6万5000円です。今の制度で20歳から59歳の40年間納付した時の金額となります。 政府はこの納付期間をさらに伸ばして、“64歳(65歳到達時)までの45年間”にするかどうか、検討に入りました。
 とういニュースが入ってきました。

 納付期間が5年延びたらどうなるのでしょうか。国民年金の保険料は、今年度の場合は、月に1万6590円、年間にすると約20万円です。これが5年増えることになり、単純計算で、60歳から64歳の5年間に、約100万円支払う額が増えるということになります。 この影響を受けるのは、国民年金加入している自営業の人、そして、60歳までに退職した元会社員の人たちです。会社勤めの人は、70歳到達まで厚生年金に入るようになっており、定年延長で60過ぎで働いている人も影響はありません。

 何のための5年延長なのかを改めてみると、その狙いは、ニュースの解説などによると、「将来、1人1人がもらえる年金額が、あまりにも下がりすぎないようにするため」だということだそうです。
 年金の財源は、少子高齢化が進み現役世代が減れば、当然、少なくなっていきます。そして、高齢者がもらう、すなわち“出ていく分”、年金の受給の方が大きくなっていきます。これが、究極的には収支のバランス自体が崩れ、年金制度自体が続けられない深刻な状態になってしまう恐れが出てきます。 とのことです。
 

 しかし、国民年金が厚生年金に比べ、収支が難しく、かつ国民年金の給付だけでは老後の生活が難しい水準であることは今には始まったことではありません。
 失業や災害など、貧窮の世帯の納付は免除され、その期間も半額は給付に充てるなど元々国庫として補助しているのですから、健全な財政にするにはよほど自営業者に払ってもらわないと難しい構造でした。
 確かに厚生年金の人が70歳まで無条件加入で、国民年金が60歳までということには矛盾もあります。
 しかし、これから2年くらいで国会に上げ、厚生年金との財源一体化などの措置とともに検討するにせよ、もう少しシンプルに考えないと煩雑な計算のみが残り、本当国民のためになるかは疑問です。
 ベーシックインカムを言うと経過措置が難しいとか言われますが、思い切って、税を上げ社会保険料も租税にしてしまえばいいのではとも思います。今の給与明細見ても、税のほかに、社会保険料の項目が多すぎるのです。タックス一本にすれば徴収の手間だけでも随分楽になり、経費の職員や、組織、結局は税、保険料などが軽減できます。
 国の部会だと、行政組織を小さくする議論は出てこないのか!と嘆きます。

円安で儲けている企業も国も分配を

 岸田総理の言っていたことは、気持ちの表明だけで具体策はないものは多いです。所得倍増と言いながら、円安が続き原材料を輸入していいる企業や、為替で損をするところは大きなダメージです。エネルギーや食料品も相場や輸入の影響で値上げされ、社会保険料も上がり家計が苦しいという人も多いでしょう。「分配」がテーマならもっと、うまく強く政策を打ち出して欲しいです。
 分配の一つはやはり、円安で儲かっている企業が従業員や株主にもっと還元することです。賃金や賞与でもいいですし、株主には株価は上げているでしょうから、特別に配当や優待品を増やすなど、『分配』を約束することです。

 政府は実はアメリカの債権を大量に買わされています。ということは円が下がると資産はすごく増えています。財政が厳しいばかりと刷り込まれていますが、日本の行財政はものすごく潤っているところがあるはずです。


 セクト的予算主義がはびこり勝ちですが、狭い企業、業界、組織の中で勝った負けたと言って自分のたまたまの取り分だけに固執して、日本が負けてしまう日本の消費が干上がっては意味がないのです。ここは分配の考えと意図をよくトップが説明し、半ば強権で全体を考えないといけないところです。

 富める者がますます富むのは仕方ないじゃないかという考えも分かります、共産主義的考えのようなことではありません。日本の全体のリスクヘッジを考えれば、円安に強い企業、部門、たまたま外国資産を持っていた人が生き残るだけでは、俯瞰して見ると危険なのです。円安でも、採算のとれるようその仕事や人は生き延びるように差配しないといけないということです。これが決められるのは、政治と財務官僚です。政治を動かすのは国民です。

沈黙のパレード 書評&映画評(ネタバレ注意)

意外と雨の日が多い秋なので、そんな日は読書と、お出かけにはミュージアムか映画に行きます。
 映像化と本ということで前の翡翠ちゃんに続き、今回は人気シリーズいわゆる福山雅治のガリレオ最新作、東野圭吾の「沈黙のパレード」を再読して劇場で映画も鑑賞。
 東野圭吾の本格ミステリ作家としてのピークは過ぎて、キムタクのマスカレードホテルシリーズとともに映像向けのキャラミス作家になっている気がしました。
 「容疑者Xの献身」は秀作でしたが、先にテレビで単発ドラマにした「禁断の魔術」と2019年ミステリランキング上位に入ったのこの映像化最新作は、ガリレオ湯川教授あってのキャラミスの域は出ないような、まあまあの出来です。それを言い出すとホームズや金田一でもキャラミスですが(笑)
 どちらが好きかというと映像化は難しいし一般には最近ウケナイ作品は多いですが、セミリタイアされた森博嗣の『犀川助教授』のシリーズが好きです。
 森博嗣が本当の理系ミステリで、今回と前作は、もはや湯川と草薙バディの熱き友情捜査ミステリです。科学の要素とかアリバイや物理トリック、一般の方には騙される?結末のミステリ要素はもちろんそれなり入っています。

 映画の印象としてが、その直前にテレビでスペシャルとして新作で「禁断の魔術」をやるなど興行、宣伝としてうまいです。
 しかし、湯川=福山雅治の印象が強すぎて、福ちゃんも老けたな、柴咲コウも落ち着いたなあ(トシ相応)というのがビジュアル的にはあります。小説の中では年を取らない名探偵が映像上は老いていくのが奇異、新鮮な印象です。北村一輝はそれほどでもと思いましたが、やはり昔の画と比べると経年を感じます。柴咲さんも、、
 他の俳優も音楽も良かったです。田口浩正さん熱演でしたし、檀れいさんや、ええにょぼ戸田菜穂さんも、吉田羊さんもみなさんキレイでいい味を出しています。椎名桔平、村上淳、岡山天音、飯尾和樹ら男性俳優もミステリにふさわしい感じの良い演技でした。そろそろネタバレというか、俳優の格で犯人がわかるかもですが、意外にそれを誤魔化すように端役に無駄な大物が使われているようなキャスティングがあります。地方都市の祭、商店街の人々の描き方も好きです。

 以下ネタバレ
 23年前の犯人を草薙が捕まえながら起訴できなかった少女殺しから、今回、3年前の祭の後失踪した街のアイドル的な歌手志望の少女が別の場所で焼死体で発見されます。そして容疑者は23年前と同じ人物で、遺恨の草薙になぜか湯川も偶然関わり出します。警察や司法の限界に悩む草薙も良く描かれています。
 やがて殺される容疑者に、名探偵や捜査側対善良な街の人々という構図ができます。この構図自体は、すでにいくつかのミステリやドラマで既出ですが、もちろんひねりはあり、結末は意外でもあり、偶然も重なって謎を深め、まあリアルな終局でした。
 しかし、ちょっと事件にいたる傷害(殺人だと本人は思いこむ)の動機が弱いというか、それで錯乱して殺したと思い込み、いくつか悪い偶然が重なるというのは、少し都合が良すぎるような印象です。

 動機としては少女が恋人の子供を妊娠して歌手を辞めたがっているのを、歌手を育てたいという音楽家夫の夢を実現したい妻では、あまりにも弱い。
 どろどろしても、ここは少女の妊娠の相手が音楽家であったという音楽家の妻の嫉妬による犯行か、恋人と結婚し音楽を辞めるという少女を暴行して音楽家が殺して妻が隠蔽に協力したかにならないと、最終的に凶悪犯は別にしても、それなり全部いい人になってしまって偶然が多すぎるのです。

 偶然の結果が、犯人も関係者も予想だにしない複雑や怪奇のミステリ要素になるのは島田荘司の論でもあり全然オッケーですが、それがあまりにご都合主義になるとリアルとは程遠くなる感じです。
 実際、今のミステリはパズラーとして、矛盾さえなければ動機など弱くても良いようですが、一方で動機や人間の友情や連帯を描いているだけに少し残念です。
 とはいえ冒頭に流れる夏祭りのジュピターをはじめ、音楽や映像は前作「真夏の方程式」に続き良い感じの映画でした。なぜ吉高由里子でなく柴咲コウかは、大人の事情で他で調べてください。
 興行的にはどうなのでしょうか、コアなファンは駆けつけるけれど、シリーズとしてテレビから見ていないとやはり面白くないところもあるのは残念です。渡辺いっけいが出ないのと、ガリレオの方程式を書きなぐって結論をまとめるルーティンはありません。

medium【メディウム】霊媒探偵 城塚翡翠 書評

今般、ドラマ化されるということで、ネタバレ注意です。相沢 沙呼 さんの代表作。

 相沢沙呼さんはティーン向けの、女性マジシャン主人公の『午前零時のサンドリヨン】に始まる酉乃初の事件簿シリーズから,比較的まだ寡作なので全作品読んでいます。
 メディウムは2019年の各社のミステリランキングトップを独占でした。

 好きな作家の小説の映像化は複雑なものもあります。作者自身は承諾し、商業的には当初から狙っていたとしても、見る側はイメージが違うという場合もあります。
 この作品の場合は、発表された主演の清原果耶さん、イメージ的にはぴったりの美人で演技力もありますが、【以下ネタバレ注意】犯人も含め〇〇トリック的部分どういう風に描くか、連ドラということで難しいところです。

 共演者 小芝風花さん、瀬戸康史さんも贅沢なキャスティングもったいないぐらいです。
 ネタバレ考えるとあまり書けない。
 今は、完全オリジナルでない限り、原作通りに描くと意外な展開も先にネットとかで広がってしまうジレンマが制作側にもあるでしょう。
 同じような探偵側が特殊能力を持つ女性主演のドラマとしては、前クールで同局であった「オクトー~感情捜査官 心野彩梨」がオリジナルで、なかなか面白かったです。
 助演的ポジションから、一気にブレイクしそうな飯豊まりえの主演、超アップでもかなりの美しさと悩ましさでした。原作ストーリーがドラマオリジナルを超えられるか、「メディウム」の出来も気がかりです。

30年以上前にもパ・リーグに激闘と激動があった

 オリックスが一昨日大激闘のシーズンを象徴するような、最終試合での優勝を争ったソフトバンクとお互いの逆転勝ちと逆転負けで優勝を決めました。

 オリックスの宮内オーナーも今年で退任されるということでした。1988年は10月近鉄がロッテとのダブルヘッダーで最後の引き分けで西武が優勝を手にし、近鉄が優勝を逸した激闘の10.19がありました。それと相前後して、名門球団の南海ホークスと阪急ブレーブスが劇的に身売りをしました。

 昨夜優勝した、オリックスバファローズはその年に現宮内オーナーのオリエントリース改めオリックスが阪急ブレーブスを買収したものに、その後2004年球界再編で混乱した原因となった近鉄バファローズをの営業譲渡を事実上合併してオリックスバッファローズとなったものです。優勝を争ったソフトバンクホークスはこの年南海ホークスを買収したダイエーホークスがダイエーの本体の不振で台頭した携帯電話会社が買い取ったものです。
 宮内義彦さんも当時まだ50代で、球界では老舗球団からは新参者として苦労もされたはずです。

 私は子供の頃から、関西のひねくれもので阪神ではなく、実家沿線の阪急でもなく。近鉄バファローズのファンでした。
 当時今のネット配信も、BS放送もなく、せいぜいラジオで放送があれば垂涎ものでした。あとは巨人戦などの途中経過を待ち遠しく一喜一憂していました。今は試合の経過など、ネットですぐリアルタイムで速報されますが、昔は本当に情報は遅く貴重でした。

 マイナーな消滅近鉄球団の、さらに短い時期仰木監督の時期がムックになるのも現代ならではです。オリックスの中嶋監督はオリックス時代の仰木彬の戦術を思い出させる奇策、奇襲を持っています。

 2004年に消えた近鉄球団最後の生き残り現役だった現ヤクルトの坂口選手も今年限りで引退して、ますます近鉄の痕跡は人々の脳裏から消えそうですが、一部のマニアの中に本や記憶はいつまでも残ります。

 1988年はバブル崩壊の前で、まだまだ今は衰退した企業もバリバリでしたが、阪急や南海。近鉄は今のように真面目に球団経営もできず、手放してしまいました。
 近鉄を飛び出した野茂英雄がメジャーへのパイオニアとなり、大谷翔平のような新世代を産むきっかけにもなりました。そして日本の野球も、村上や佐々木が登場し、遠くへ飛ばすパワーのある打者と、150キロを超える速球や強い変化球主体の投手の時代へ、大きく変わりつつあります。

速読、倍速でタイパを稼いでる人が増えた

 アンチョコやダイジェストで勉強や読書はいけないと言われていました。オンラインでのビデオの授業や映画さえ倍速で見て、バイトや遊びの時間を稼ぐのが今の学生のようです。
 映画を倍速で見るなどクリエーター側からしたら嘆かわしいことですが、私は読書は速読で楽しんでいました。本当に面白そうな作品はゆっくり味わうこともありますが、一カ所にゆっくりたたずむのがもったいないという性格なので、次のことを始めるのです。
私の好きなミステリの読書なども、パズラー小説のパズルが解け、TRICKも犯人も分かれば速度があがります。ホラー要素や、ご当地キャラなどは面白ければそこだけ楽しめば良いのです。それで年間100冊ほど速読すると、そのことが知識に繋がります。
 クリエーター側にとっても、作品の宣伝のため予告編やダイジェストがあるとすれば、倍速で見て面白ければ、有料でゆっくり見るという商売もありなのでしょう。

 そして、勉強や仕事はどうでもいいような時間はできるだけ、端折って1.5倍でも倍速で済まします。そして大事なところ、どうしてもやることをやり、集中してあとの時間に備え、楽しめる人は器用に人生生き抜けると思います。

伊藤淳二と稲盛和夫 日航改革二人の明暗

 JALの改革と言えば先日亡くなった稲盛和夫元京セラ会長、創業者が想起されます。
 しかし日航機墜落事件を受け、昭和61年当時の中曽根政権の依頼を受けて、事故の原因究明からその構造を改革する役割を任されて、白羽の矢が立ったのは鐘紡会長の伊藤淳二でした。
 日航の経営破綻で稲盛さんが社長になる25年前です。鐘紡の労使調整や経営再建の実績を評価された伊藤淳二氏も、野心家の辣腕経営者で城山三郎の『役員室午後三時』のモデルとなった、戦後の若き改革型経営者の代表とみられていました。
 しかし、日航の労使問題は複雑怪奇で、さまざまな魑魅魍魎、百鬼夜行のような妨害にあい1年足らずで挫折、更迭されるハメになりました。山崎豊子の『沈まぬ太陽』にも、その経緯や伊藤のモデルのような人物はやや美化され描かれています。
 その後の鐘紡の迷走、破綻から、伊藤の評価は下がり、今やイトウジュンジで検索してもホラー漫画家が出てくるぐらいです。実は稲盛さんの10歳年上で、100歳でご存命なのですが、野心家で自社株も多く抑え、若い頃はCMモデルなどとも浮名があったギラギラした点は稲盛さんとは大違いでした。
 経営の評価は下っていますが、日航の課題を上げた点は大筋でその後の稲盛さんの方針と大きくは変わりません。経営者の明暗は時代なのか、どこかにあったのでしょう。