権限移譲が強み:ドン・キホーテという企業

日本の少子高齢化を救う切り札

ドンキというと昔はヤンキーの溜まり場で怪しげな安売り店のイメージでした。今や流通業界の雄です。日本の企業やあらゆる組織を活性化させるキーはドン・キホーテの手法にあると言っても過言ではないです。
それは『権限移譲』です。
私は大手化粧品・日用品メーカーの営業や販売管理を長くやりましたが、多くの流通の中で今最も気を吐くドン・キホーテ。泥棒市というディスカウントの元締めのような店から安田元会長が一大で立ち上げ、今は長崎屋やユニーのGMSも吸収して飛ぶ鳥を落とす勢いです。
その社内には安田流の『はらわた』という会社の方針が徹底され、一従業員がいきなり売価決めも仕入も責任をもって任されるという、斬新というか大胆なところがあります。当然、やる気のある者、仕事のセンスの秀でたものはすぐに台頭できますし、やりがいもあり、企業の活力が前面にでます。
前後して担当したイオン等のGMSや百貨店、ドラッグ大手もここまでのダイレクトさはありません。イオン等前例にとらわれリテイル部門は百貨店と並んでもはや恐竜のような鈍さで絶滅を待っているかのようです。
どこの会社も人手は不足ですが、人件費は抑えたい。いらないのはバックオフィスの事務系と、決裁者管理部門です。決済者等多い程、現場知らずで時間もかかり高給取りが多いです。
しっかりルールが守られ、逸脱も制御できるなら、どうしてもAIに代替できない現場社員がいれば良いのです。そこに厚みを持たせば組織は活性します。
今私が所属する官公庁公務員系の仕事等はもっとひどい原始時代の決済の遅さです。過去の慣例、どうでもいい拘り、権限に頼り切る向上心の無さでムダな人件費が浪費され時間が流れていきます。国会などで垣間見る忖度等も貴重な税金が、官僚のムダな答弁に流れていくのです。
申請主義でせこく知らないで申請しない人には給付しない。審査の手続きが煩雑など、人手のかかることは止めて全部権利のある人には給付すればいい。
審査や記録や整理など基本、人の手はいらないのです。破綻自治体などこれで復活できます。
みんな解体されドン・キホーテとコンビニの大手どこかが請け負えばと思います。少子高齢の財政改革はこれしかないと思います。

同一労働同一賃金の壁

令和2年4月1日から働き方改革が進み、非正規労働者の待遇改善が一定規模の企業に義務づけられます。同一労働同一賃金は実現していくのか。
そこにはまだ高い壁、課題があります。
日本の社会全体が変わり、しかも経済が成長していかにと課題はなかなか解決しないでしょう。
一見公平そうに聞こえますが、長年会社勤めしてきたベテランが、同じ仕事ならせいぜい半年か1~2年で追いつかれるという意味あいもあります。
長期的に、人材育成、キャリア開発等、正社員非正規ともに納得いく形が見えないと全体的な公平感は望めません。
ダイバーシティマネジメントはただ横並びにするのではなく、それぞれの個性、長所をどうやってさらに強く、エッジの効いたものにするかです。
年功序列、終身雇用は日本の強み、国際競争力の源泉とも言われます。変えられるものと変えられないものがあります。日本独自の社会の変化、少子高齢とともにこの大きなうねりを、男女雇用機会均等やグローバル化等ダイバーシティをむしろチャンスにつなげて、日本が復活することに私は期待します。

気持ちよく退職しましょう

定年退職ともなると、人それぞれさまざまな気持が湧きます。
基本的には後輩たちに送りだされるのです。場合によってはまだやりたいとか、不満や愚痴ももらしたくなりますが、それを言っては始まりません。というかもう遅いです。
定年でない退職も含め、勤め上げたことに感謝し、組織や人に気持ち良く笑顔で別れを告げ後を託しましょう。
心もスッキリして、卒業し次の事を考えないと、不満や鬱憤、愚痴、やっかみ等漏らしたって心が濁るだけです。課題はしっかり引き継ぎ、飛び切りの笑顔と爽やかな気持で去っていければカッコイイ。天使が舞い降ります。

ノムラの教えと生き方に学ぶこと

昭和の野球キャッチャーで名選手、後の名監督野村克也さんが亡くなった。
多くの戦術や組織やリーダー論の著書や講演でも知られます。
一度講演を聞いたが、全体の講演会のテーマとは関係なく、著書などで語られたテスト入団から首になりかけてからの苦労、王や長嶋との因縁、古田への指導、イチロー対策等聞いたような話を面白おかしくかいつまんで話しておられた。
亡くなられたので、各方面感謝と称賛と弔いのコメントの嵐だが、アンチ野村の筆頭張本勲はかねがね、王や長嶋をあれだけネタにし虚仮にして稼いでいると非難していました。
戦術面では優れている部分もあるし、ランチェスター戦略の弱者が強者に勝つ方法の実践でもあります。
ノムラさんも神ではありません。南海解任時期や阪神で3年連続最下位等、失敗と呼べる時もありました。ヒゲや金髪を嫌う等時代としてもだんだん合わない指導もありました。
どこかにある甘さ、優しさ人情味が江夏、門田、新庄等ノムラ流をある意味外れながらも育ちました。
貧しい母子家庭に育ち、大変な苦労をし、戦略を立て、ものすごい努力をされたのは間違いない。
そして指導者としても、部下と飲み食いしない派閥を作らない、えこひいきしないところは徹底していたそうです。コミニケーションはグラウンド(仕事場のみ)だけ、ノムラ流の経営戦術やリーダーシップを学ぶ人はここが抑えどころです。えこひいきはメリットデメリットを考えるとデメリットの方が多いのです。ところが弱い人間は子飼いやイエスマンを可愛がって組織を弱体させてしまいます。

アイヌ:日本に蔓延る無智、誤解からくる差別

今期の直木賞受賞『熱源』(川越宗一)は樺太アイヌが描かれ明治日本が戦前まで文明という名の暴力で近代国家に肩を並べる時代を描いています。
ポーランドやロシアも含め激動の近代史と、あまり語られない樺太アイヌの世界が、少しでも多く方に伝わればと思います。
一方閣僚の中にも『日本は単一民族』と平気で発言する、無智でお馬鹿な方もおられます。政治家はナショナリズムに意図的に働きかけているにしても、いわゆる国家主義、愛国主義の方々、ネトウヨという人らがあまりに単純で歴史知らず、誤解しぱなっしの勉強不足があります。これが政治的行動になるのがある意味怖いです。
民族という面ではアイヌもですし、そもそも国家は帰化人などいつからの外来人を日本人とするのかにもよります。
古来土着の民は文明のある強い民族に支配され、土地っを奪われてどんどん追いやられていきました。
中国の一党独裁や朝鮮半島の迷走はあるにせよ。近代、戦前は朝鮮、台湾、樺太(南半分)は日本の領土であり、朝鮮人は大日本に住む日本の仲間でした。
大日本国にはさまざまな人種がいたのに、講和条約で領土が狭まるとさも大和民族の割合の多い地域だけになっただけです。それでもアイヌも在日朝鮮人もたくさんいます。
中国を嫌う人も、遣隋使、遣唐使や元寇、秀吉の大陸攻撃、日清戦争、満州事変、日中戦争は歴史として覚えています。日本と中国は学び合い、時に争う、東アジアのライバル国でした。
差別や争いの結果はいいことであったためしはありません。

40代50代リストラ解雇もアリか70歳定年延長

終身雇用を本音ではやめたい企業側に、年金財政や社会保険料の公費負担の厳しい国は70歳定年雇用義務化を法制化してきています。
高度成長期には社会保険料も雇用もうまく回ったものが、少子高齢や企業のグローバル化対応など労使を取り巻く環境は変わりました。
大学卒業して一つの企業に安定して勤めて、給料を沢山もらい続けることは現実的に難しくなってきています。
社内で経営幹部に登りつめるのを一握りとすると、多くは管理職すら外れて専任職とかの、一般のヒラ社員と変わらない仕事に回るなどになっていくのでしょうか。
職種、業界にもよりますが、事務系等AIやアウトソーシングで十分なだけに、あぶれた管理職は第一線の営業でバリバリ働くとか、技術を持ってるなどでないとヒラでも使い道がなさそうです。
経営陣は労働法ギリギリの減俸や、職種転換をはかり、早期退職も奨励するでしょう。労働法に守られてはいても、同一賃金同一労働という面では一度管理職の待遇を得たものが現場に戻るのは現場の人間からすると、高給取りの割りにはできない人間であり,労働法としては矛盾を抱えます。私もさんざん見てきましたが、高年齢の社員より若いバイトやパートの方がよほどできる場合もあります。
慣れない仕事をプライドも傷つけられながらこなすオジサン(中高年労働者)らも、大変です。イジメを見てるようです。
やはり持つべきものは、資格やスキル、語学力等。漠然とした学歴とか社内調整力などは意味がありません。
国側も高齢者の雇用を現実的に考えてもらわないと、漠然としすぎです。
起業支援等現実味はなく、単純労働はロボット化の時代です。
大企業に継続雇用するが、賃金は最低にして、ごく簡単なネットやモニター調査などにしてしまい、副業可能にしていくのやり方を提案します。あるいは地方の過疎化対策に単身可能なら公務半分で、伝統産業や農林業、観光、小売り、取次、配達など様々にできることを町村民としてカバーしていくような雇用を提案します。
住宅や教育、子育ての在り方も連動して、国の指導で変えていかないといけません。住宅や教育のローンを抱えてリストラ等は自殺せよと言っているようなものです。
大学に入れて、その後就職すれば一生が保障されるのでなければ、多くの人にとって大学の意味、高い学費もあまり意味なくなります。
住宅も少子化なのですから、土地建物は余ってます。もっと手に入りやすくしていかないといけません。
大学等の教育期間はその分、転職スキル等の広義の生涯学習に特化していくところも必要でしょう。不動産業界はリフォームやバリアフリー、耐震などで既存の場所や建物の価値を変えての供給が主になるでしょう。

マイカー賃貸カルモ

統計でみる:少子化は深刻【1】

1990年代のバブル期とういのは、そんなに前でもなく、戦中戦後や高度経済成長期との比較に比べれば、今と社会構造は変わってないと思ってしまいます。しかしこの時期に生まれた子がもう立派に成人し、30にもなろうかというのです。
実は今の大問題であるところの少子高齢化の波は、この時期は警鐘は鳴らされてもまだまだ信じられない悲観的な予測だけでした。
バブルというだけに恋愛も旺盛だったのか当時まだ結婚するのが当たり前。生涯未婚率は男性5%、女性4%。ところが2015年を過ぎた今男性23%、女性14%。
出生率や出生数の減少、少子化の根本はここにあります。
女性の社会進出、未婚や晩婚が当たり前の時代に入ります。
結婚しないという価値観が増殖しましたし、バブル崩壊で結婚できない人も増えました。一昔前の(戦後まもなくまでか)、女性に学問も職業もそんなにいらない。結婚して子供を沢山産み、家を守るとうい価値観は完全に消えていきました。
それは社会構造として女性の社会進出も生みましたが、では誰がいつ子供をみるのかという保育の問題。その体制がしっかりしないと経済的にも子供が作れないための少子化が進みました。
どこかで想定はしていたのでしょうが、寿命は延びても幸せな老後はだんだんなくなり、なんだか孤独で淋しい老人が増えています。
おばあちゃんおじいちゃんと孫が暮らす大家族等稀有な存在となりました。
情緒だけでなく、年金や健康保険、介護など金銭面でも人数の多い高齢層を薄くなった現役層が支える時代となりました。

子供がいるのに20年後が想像できなくてどうする

先日、腹立たしい親子の相談を受けました。何とか目の前支払、息子の国民年金保険料を回避したい。あと数か月(60歳到達)の自分の保険料で精いっぱい。
理解不足なのとワガママなので辟易しました。
平均的なサラリーマンで、やっと定年を迎え継続雇用。失業ではないので所得ゼロとはみなせない。企業年金の支給が少しあるそうです。
年金は自分にも老後返ってきているわけですから、自分の子供にも将来のためできる限り多く支給されるよう保険料を払わせ、時に援助するのが親の務めではないかと思います。
本人は前年度そこそこのアルバイト収入があり、現在は体調を崩し収入が少ない。
親の収入と合わせると、年金保険料の免除は全額はおろか部分免除も一切該当しません。借金があったとか、健康保険や税金を払うと退職金を取り崩さないと手取りがないというグチを聞かされました。たしかに息子さんを定年後まで養わないといけないのはファイナンシャル的にはアクシデントです。ただそれを考えてもなにやら親子ともども甘い考えで、目の前のことしかありません。
あげくに『年金保険料払ってもこの子の時代に保険料なんて貰えないんでしょう』と開き直る。いろいろ無智でも、聞きかじった知識で『世帯分離したら休むなる?』『何かデメリットは?』と目先のことばかり知りたがられます。
公的年金の満額支給を自ら遠ざけて、子供さんの老後はどうなるのですか!
今の財政をもっと見つめ直し節約するとこはご自身で考えないと、もはや優雅な老後ではないのです。親子で真剣に未来を考えるべきです。
世帯分離は介護保険料等安くはなりますし、FPで奨める方もいます。しかし役所の窓口に来てどうしましょうではないのです。同居していて世帯分離等よほどの事情がないと恥ずべきムダなことです。目の前が同世代の仲間らに比べて苦しくとも、自分の家族の未来20年、30年を想像する力が、親の愛情です。
年金は破綻しませんし、日本の年金が破たんするなら国家は混乱しもっと力がありお金がないと生き残ることはできません。『年金は破綻するから』は安易な想像力の欠如です。

都道府県民共済は中高年にはお得に強力だ

保険と共済は基本的には同じです。監督官庁と根拠法令が違うだけです。保険が民間会社で営利目的というのはちょっと違います。(民間保険会社にも非営利があります)
どちらかというと共済は宣伝や勧誘員が少なく、その分掛け金の手頃さ、割戻金もあることが魅力。掛け金2000円コース医療特約付き4000円コースなどシンプルです。
保険料は大きな死亡保障を謳う民間保険の方は相対的に高いですし、年齢が高くなると上がります。一方、共済は掛け金は一定で、高齢になると保障金額が下がります。死亡保証は800万最高で65歳で200万に減額されます。まあもうそこまで年取れば、稼がないだろうし残った人に最低限のお金をという感じです。
民間保険の掛け金が上りだす50歳くらいから保険の見直しを検討しましょう。保険の見直しは、掛け金と保障額。とくにバリバリ稼ぎ続ける世代に比べ、高齢に差し掛かる時期ではその他の公的保障も考えれば、必要額はそれほどではありません。保障額に対し高い掛け金の民間保険があれば一度見直しをしてみましょう。

年金生活でキャッシュレスは危ない

日本のキャッシュレス化は中国や欧米に比べ遅れています。
現金大国なのです。
アフリカのいくつかの国もスマホ所持の割合が増えて、日本よりキャッシュレス化が進んでいます。
これらの国は電話のケーブルの固定電話、ガラケーの時代もないどことか、貨幣経済さえ満足に成立する前にスマホ決済、給料支払いに突入した国もあります。
日本は伝統的に現金、お年寄りはカードさえ経験が少ないため、PAY等急に始めたらお金の使い方が分からなくなり、年金払いがあっという間に債務超過になった例もあります。
モノの価値を考え、自分の懐を考えて消費するのに違いはないはずが、慣れとは恐ろしいものです。お年寄りも、使いこなせないほど浪費するならキャッシュレスは止めたらと思います。
詐欺が蔓延しやすいお年寄り対策に分かり易い説明は必要です。せっかく頑張って人生の終盤で破綻するなんて悲しい話しです。