国会を聴く4 この国の未来は

 なかなか国会を聴いていてこの国の未来が見えないです。
 国の最高の議決機関であり立法府なのですが、その議論は目の前のことやいわゆる衆愚政治です。選挙での勝ち負けが優先してかなり先の日本をどうするかが見えないのです。
 自民党は当面政権を持ち続けるのだから、もっとどっしりと本当の意味での骨太な経済、社会保障、安全保障の方針を打ち出せないのかと思います。
 議員になるのにお金がかかりすぎ、鶏卵汚職のような業界支援型の金の問題が起こるも残念と言えば残念至極です。もう少し、フレッシュな政権党になれないものかと思います。
 経済対策、少子高齢化の問題、デジタル化の問題も何だかいつになれば「なるほど」という施策がでてくるのか、担当部署やしょぼい対策が出ては「やっている」感をだすだけで何も進ず、コロナやウクライナで財政だけが受け身の出費で悪化していく感じです。
 国際化という点では民間企業より遅れています。その民間企業でさえ多くは外国の企業に差をつけられています。周回遅れがさらにもう一周遅れそうなぐらいです。
 国民と国会議員の今以上の努力を期すしかないところです。

久々に国会を聴く3

 日米首脳会談での岸田首相の防衛費を相当に増額するという確約を受けてその質疑も今国会でありました。

 ウクライナ情勢を受けて、与野党の見解、立ち位置も世論を気にしつつあたふたした感じです。ロシアの侵攻という突然の脅威はインパクトがあり過ぎたのでしょうか。しかし平時からまるで想定していないというのは何ともです。まあここまで世論全体が右傾化するとは予想外だった面はあるでしょう。
 

 憲法改正までいくとテーマが大きすぎますが、幸か不幸かそこまでは論争もされていません。防衛費の財源とか、中国や北朝鮮有事への対応まででです。何だか少しゆるいという印象さえあります。もともと、野党のスタンスも今やまちまちで、共産党と維新の会は完全に離れていますし、立憲と国民民主も大きく政策が離れてしまったからです。その上、護憲で戦争反対といっても、いざ侵略者が来た場合非力でどうするというのがクローズアップされ、防衛費増額したい側には圧倒的な追い風です。もはやそのことを正面から否定しきれる政党はありません。福祉など減額して防衛費に回すのはやめてねというぐらいの印象です。


 基本的には赤字国債を発行して防衛費増額の財源に充て、財政悪化、負担を次世代先送りするというスタンスのようです。自民党元首相などの発言通り、防衛費は必然の国の根幹とするようです。一つ一つの古い装備や設備、弾薬などのストックを考えると足りないような印象はありますが、金額論でもGDP比でもなくアメリカの言いなりに兵器を買わされる構造にこそ大きな問題があるのですが、国会の審議では金額でしかまずは争えません。


 かといって、敵基地攻撃や核共有など、憲法改正につながる論争がされたかというと、自民党は政調会長や総理経験者が呟いているのに、岸田首相は憲法遵守を明言していますから、何一つその先の論争はなしです。
 車椅子で、起立もできない防衛大臣を休養交代もできないことももどかしく見られますが、岸田首相の我慢強さとバランス力とも言えます。
 岸田さん、私は予想以上によくやっていると思える面はあります。とくにバランス感覚を持ちながら、世論の動向と自分の方針にある程度力点をおく感覚は凄いです。もちろん、アメリカに対しては従順なのですが、利用されながらもポイントをうまく稼いでいる感じです。
 もはや野党のあり方は、維新や国民民主のように時に同調、連立を目指すくらいが効果的かもしれません。政府与党の案にもこれはどうかというのは確かにあるのですが、共産党のような反対スタンスがもう何だか確かに時代遅れというか、どうせ反対ばかりだからかえって是非がわありにくくなり存在価値がなくなります。
 野党なんか要らないと唱える人がいますが、民主主義国家で少数意見が尊重されることは必要なものです。しかし、それを差し引いても今の野党は何だか元気がないと感じます。

 久々に国会を聴く1 鶏卵汚職、物価

 岸田文雄首相は26日の衆院予算委員会で、吉川貴盛元農相が在任中に賄賂を受け取ったとして有罪判決を受けたことについて「国民の政治不信を招いたことについては、重く受け止める必要がある」と述べました。

「高度の倫理性が求められたにもかかわらず、自覚が欠けていた」「政治家としての規範意識の低さに対する反省には至っていない」。元農相の法廷での態度も開き直ったっようなところがあります。


 業界の大手と政府与党の幹部、関係大臣との癒着といういかにも昭和からの自民党政治の膿のような宿痾を嘆くしかない。総額300万とか500万なので金銭自体は、少ないとは言いませんがもっと大きな贈収賄が疑惑のままでもあります。
 それと背景には農業とは言え、大規模化して工場のようになり規模のメリットでコスト削減して小規模の畜産農家を淘汰している現実があります。そして狭いケージ飼いなど、国際的ないわゆるアニマルウェルフェア、国際基準案に逆行しているという事実です。
 物価の優等生とされ、1980年くらいから見ると実質半分以下の価格が鶏卵です。その栄養価や安全性、動物に対する人道的問題などを抱えています。 アニマルウェルフェア が日本に適用されると鶏卵価格は数倍にもなるかもしれません。
 他の質疑では、ガソリンや小麦粉などの値上げ、給付や減税がまさにやり取りされるわけですが、安心でそこそこ廉価に収まるよう政治が業界を指導すべきところです。

外国のことなど気にしなくてもいい

 日本は島国で時に国際化が遅れているガラパゴスと揶揄されます。
 明治以来の西洋への劣等感、追いつけ追い越せという意識は良い結果を生んだ時もあります。しかし、過剰に日本を卑下して外国に合わせ、向こうの情報を鵜呑みにして付き合うことはないと感じることもあります。
 海外にへつらうグローバリズムくそくらえと思う時があります。
 日本が世界で何位、海外でどう見られようとそれが全ての基準や価値観ではないのです。
 ウクライナに対して募金や支援活動をすることも否定はしませんが、他にも飢餓に苦しむ国や難民は多いです。日本の中にも、東日本大震災の復興はまだ終わっていません。海外在住で日本のグローバル化でああしろこうしろという人で、フクシマや東北の実情見たこと感じたことがない人がいました。
 同じ日本人が日本の国土の中でまだ苦しんでいる実態、比べることはできないですが。それを解消しないでスルーすることこそあり得ないことです。
 海外に目を向けることは今の時代で当たり前ですし。情報も早く大量に入ります。そんな時代だからこそ、日本を守り、日本の国土とその未来を守るのは簡単ではありません。欧米に倣ってその後を追従するだけでは、利潤をぼったくられて本当に国としてどうなのかというケースが最近よくみられます。大きなイベントや、感染対策、国土防衛、主要インフラ、すべてそうです。これからの時代、日本は堂々と島国、ガラパゴスで良い時もあります。

在外邦人の選挙権、罷免権

国民審査の在外投票制限「違憲」 最高裁、国に賠償命令とのニュースが流れました。
この詳しい経緯について、私は不勉強で、すでに選挙権は比例ではなく選挙区でも外国からの投票が認められていることも、そういえばという程度の認識でした。
投票年齢が下がっても投票率は上がらず、多くの国民が最高裁裁判官審査のメンツがどんなメンバーで何をやってきたかを知らないし知ろうともせずに過ごしているのに、海外にこんなムーブメントがあることに正直驚きました。
 最高裁で判決が下りた以上政府は大変難儀しながらも選挙のたびに在外邦人に向け準備する体制構築が求められます。
 確かに憲法や権利と言われるとそれまでですが、税金が投入される以上個人的には無駄なコストだと感じます。
 私も海外に住む友人が何人かいますが、このこと自体よりももっと在外邦人に他国と比べて出入国や海外からの行政手続きなどで簡素化したり便利にすべきことは多いのではないかと感じます。
 たしかにこのモーブメントを起こした芸術家の方など、最高裁判事はじめ日本の政治や行政に関心の強い優れた方が海外の在住されているケースもあります。ただおそらく海外に在住している日本国籍の方、事情は千差万別であり、限られた財源の中で最もその人達が日本政府に求める要望を吸い上げるべきだと思います。

 日本のグローバル化という問題は、また別の大きな問題で、コロナ禍で水際対策を厳しくとり鎖国のような状態にしたことを問題にする人もいます。
 感染拡大という問題が、安直なインバウンド依存を見なおすきっかけになったのではとの見方もあります。それはまた別の機会としましょう。
 

気になる外交 

 日米首脳会談と、インド、オーストラリアを巻き込んだクワッドの会談がありました。
詳しい内容はやこれからの展開はまだこれからで、どうも中国牽制の色合いが濃いようです。徒党を組むようにグループを組むことは力強い反面、争いを呼びやすいかもしれません。
 韓国の新しい大統領ともアメリカは先に会談しています。中国や北朝鮮と対抗するには韓国と日米の連携は欠かせません。
 ここへ来て韓国の反日や、日本の嫌韓は少し熱が冷め、共通の敵に向かおうという空気があるのは喜ばしいことです。かつてサッカーのW杯を共同開催し、ドラマや音楽、グルメでは仲良くしているのだから、どこかで割り切ればいいと思います。
徴用工の問題など、一つ一つの工場など当時のことを考えると、あまり極端な賠償請求は根拠が薄いとは思います。従軍慰安婦にしてもそうなんですが、当時間に入った人の口車や搾取はあったとして、全体の国家としての問題にするのは無理があると思いますし、執拗に蒸し返すことはすでに長い年月が過ぎた隣国として無駄に危険な行為です。
 EUでいうと、ドイツとフランス、あるいはポーランドオーストリアは今それぞれ文化は違いどももう喧嘩をすることはあり得ません。そうやって隣国と仲良くしていれば国際的には守りにも強く攻めづらい国家群が地政学的に形成されます。

 広島でG7サミット決定は喜ばしいことです。
 平和都市、世界唯一の被爆都市での開催に、こんな時期だからこそ意義を持たせてほしいです。
 平和祈念資料館にはどんな人々にも核戦争、被爆の恐ろしさを訴える深いものがあります。間違っても新冷戦の対立を深めるものにしてはいけません。G8と言われた時期もある中国のオブザーバー参加、ロシア、ウクライナも呼べばいいじゃないかと思います。
 そんな壮挙が実現すれば、岸田首相は間違いなく歴代一の総理大臣の称号が貰えます。

NATOを解体していたら

 2012年上梓のいくつかの論説をまとめたNATOの直近が良くわかる本です。
 どちらかというと立ち位置は右寄り、西側諸国寄りからNATOの存在感を示す論調もあります。
 そのなかでも感じられるのが、東西冷戦中は重大な使命を帯びた軍事同盟が、冷戦終結で当然ながら役目を失い呆然自失となったであろうということです。
 残念ながら、軍事同盟や兵隊、軍事産業は戦争がなければ役立たずのごく潰しと言われかねません。コソボやアフガンなどにも介入しだすのは、存在価値を見出したい背景があったのです。
 ウクライナ内乱、今回のロシア侵攻につながるものもあります。NATOがあって良かったのか、なければ戦争そのものがなかったのかは議論のわかれるところです。
 中立国だったフィンランドやスウェーデンの加盟も取りざたされていますが、国際制裁や戦争の終結を目指すというより、アメリカ側のプレッシャーと勝ち馬に乗りたいだけなのが良くわかります。
軍人、軍隊に仕事がなくなると必ず兵士の不満のもとに次の戦争が欲しがられるのは歴史の常です。
 冷戦終結後、ロシアも自由主義陣営の経済に入っていたのですから、仮想敵国のなくなった時点でロシアも加え、環境問題や自然災害に備える国際援助隊のようにシフトしていれば、時代遅れの戦争など始めなくてよかったのにと思います。
 

役所の誤送付を無くす以上の無駄

 給付金4630万円が山口県阿武町から振り込まれ返さない男が逮捕されました。
「私ならすぐ返す」とか、「うらやましい、」「役所は何をやっている」とか喧々諤々とささやかれます。
 役所の仕事は少し関わったこともありますが、概ね民間より、大変無駄なほど多くの人の稟議を経て決済されます。それでも、形式通り出ていればスルーして今回のような間違いは起こります。
 今回のケースとは違い、経験上なので守秘義務で詳細がいえませんが、細かいチエックを何人もがやるわりに、木を見て森を見ずのようなところが役所にはあります。AIで精査しておかしいところだけを専門職が見るほうがよほど効率がいいでしょう。
 個人情報の問題と、IT化の遅れ(いわゆる日本の周回遅れ)と選挙対策優先で給付業務が自治体に回るのは、一般に考える以上に自治体にとって手間のかかることです。
 本来は税金を一時的の控除するとかでもいいものです。また給付金のための体制としては、マイナンバーに紐づけ(これも普及が難しいのか)それができなくても住民票と給付措置用の口座を紐付けておき、辞退や別口座希望者だけ申請をするやり方にしないと、全てを申請型給付にして都度口座まで入力か記入して、それを確認してるととんでもない効率の悪さと残業大など人件費がかさみます。
 それでミスをすれば非難轟々ではさすがに世論も身勝手というか、まあ政治が改善しないのが悪いのでしょうが。
 

沖縄返還50年の日

 沖縄が返還されて、今日2022年5月15日で50年になります。
 私にとっては子供の頃のエポック的な出来事です。それまではドルを使って車は右側を入っていたわけです。
 当時、次は北方領土だと言われましたが、そちらは何の結果もでず50年です。
沖縄、北海道は本州、四国、九州に比べると国境の意味合いは少し重い感じはします。沖縄の基地負担と基地依存の問題も根深く難しいです。

 しかし、現在のウクライナ情勢を台湾有事にすぐ結びつけて、大国が軍事力でいきなり現状変更を迫るというのは日本に急に当てはめることは適切ではありません。
 それぞれを切り離してよく考察しないと、ロシアにしろ中国にしろ理由もなく他国にいきなり攻撃をしかける狂った国家ではありません。
 沖縄戦をはじめ、原爆や空襲の悲惨な体験の正確な記憶が消えかけていく中、しっかりした防衛は必要ですが、それ以上に国際情勢に干渉して紛争を誘発する必要はありません。
 平和な観光とリゾートのイメージが強まった沖縄が、米中の対立の最前線となることは是が非でも避けたいところです。
 

インフレと賃上げ前に年金給付をどーんと引き上げると言えばいい

 毎年、マクロ賃金スライドで物価や賃金が上がっても年金支給額が少し抑えて財源に充てると決められています。後期高齢者医療保険料は激変緩和措置で毎年微増します。介護保険料も何年かおきに増え続け、一般の健康保険料も健康保険組合や自治体の財政も厳しく増えることはあっても減額されることは少ないです。
 毎年、年金振込額が減ったと6月や8月にお年寄りからの苦情めいた確認の電話が役所や年金事務所に来ます。
 年金はもらい始めると自力では増やすことはできません。天引きの保険料はまず収入を直撃します。そして、家賃や光熱費、食料品、燃料などの値上げのニュースにもおびえないといけません。


 よほど潤沢に他の収入や貯蓄があるか、厚生年金や共済の報酬月額が大きく十分な年金がもらえる方以外、最近受給のはじまった方、特にいわゆる一階の基礎年金、国民年金のみの期間が多い方は死活問題です。
 ありとあらゆる値上げや負担増に反対、攻撃的になりがちです。選挙でもこれらのボリューム層をつなぎとめるため、政府や政党は目先の給付などで目くらましをします。
 年金財政も厳しいし、健康保険介護保険も厳しいから、いかに気付かれずにごまかしていくかが政府の方針という若い論客もいます。
 確かに少子高齢は大きな問題です。しかしそれでインフレターゲットや賃上げはスローガンだけに終わり、庶民はダウンサイジングで誤魔化された実質値上げ品や粗悪で不衛生な劣悪品や海外物で賄うしかありません。怖いのは日本の生活水準も作るものもやがて、海外水準についていけなくなることです。このままでは、早晩日本の強みはなくなります。


 結局、燃料や穀物などの相場が2割も5割も上がっているのですから、国際的にいつまでも「ゴマカシ」は通用しません。
 「年金給付は5年後に物価が50%上がるから、マクロスライドをひいて49%引き上げ、国民年金の給付を月10万、厚生年金片方がずっと加入のモデルケースの夫婦は月30万を予定している‼」と政府が宣言すればよいと私はひらめきました。それをターゲットにして、賃上げやインフレを当たり前に段階を踏んでいく。
 最低賃金のバイト基準で、最低の飲食やサービスを提供しているような店は変化、淘汰していけば良いのです。
 これだけでもかなりの課題、反発はあるでしょうが、若者にも高齢者にもバラ色の日本の未来を示すには年金の倍増ありきぐらいの提案と啓蒙が必要です。